マガジンのカバー画像

まだ足は着く

15
ひとりで不定期な月詠をしています。
運営しているクリエイター

記事一覧

ひかりとほこり

表紙の子なんで泣いてるんだろうって気になったまま読んでない本 ガス代の下降が夏を知らしめ…

9

あああ。

 週末、ストレッチ専門店に行った。 ことさらに土日休みじゃないことを嘆く人から伸ばされる…

8

愚痴と秋

誰よりも秋をとらえるのが早い田口が愚痴と吐き出す煙 今なにが正しいのだろうもうずっとエ…

10

蚊遣器

ゲームでは僕のメッシはお相手のメッシに劣る。みんな大好き 電線に垂れる光の水滴を風やカ…

4

せるさせる

結婚式の招待状を貰うのを断ったのが違ったんだろう せるさせる 使役で話す人たちにいっそ…

4

フェルミ推定

  人間の可居住域は地球上の   全陸地の88%を占めるらしい エクメーネ【Ökumene】人が…

8

いっそ幽霊なら風呂に入らなくていいのに

ドッグファイトみたいにみんな交錯してフードコートの席争奪戦 平積みの藤田ニコルの写真集過去最大露出というふれこみで 胎教がマニ教的な宗教に一寸おもえて、いまもちょっとは ヨーガンレールっぽいおんなふたりが並んで立って桜を見てた よく停まるベンツ一台ナンパ橋みたいだなあって避けて通った リコールが発生すればリコールを受け付けるコールセンターが立つ 黄塵に視程は下がり仕方なくそこのタワマン見ながら吸った モノクロをカラーに変えるAIがうちらの過去を着色してく

ダイバーシティと猫

最近は眼鏡をかけてちゃんと視るダイバーシティと猫の王国 舞う雪の一粒ならば戯れに運命(…

6

セントラル・パーク

「ワンカップを温めることはできません」前にも断りました、とさらに 願掛けに伸びゆく髭は…

4

初雪観測

海嶺にとても大きな死があってたまに写真を撮られたりする 雪国に生まれなかった良し悪しを…

3

だから年末ジャンボ

海に来て自撮りに明け暮れる少女 巨船は疾うに姿を消した 遅れ沸く怒りが恥ずい諦めたは…

7

既製品ネイティヴ

真夜中に口笛吹けば隣人が「うるさいぞ」って怒るんだろう 真夜中に爪を切ってもだいじょう…

5

33㎥

涸れている噴水塔とその水路夏の終わりの常設展示 2DKを臍まで満たす水量を使ったらしく…

6

鳥居を潜る

「この鍵で開く扉がもうひとつどこかにあると聞いて来ました」 有り余る富さえあれば八月の馬鹿野郎って意見広告 こんなでもすべてを他人のためだけに生きている瞬間があるのだ 列島をむらさき色に染めあげて、あれ、大陸は地面が見える 大木の張り出す腕を支えてるやつが鳥居じゃん潜っとこか 夏の野を駆け回ってたともだちの本棚きれいで感心したな 厳密にいえば頭部とつまさきに時差はあるだろ横たわるヒヒ 空にして仕舞ったはずの鞄から割り箸が出る さがしていたよ 線的な移動の傍