2021年はeスポーツ当事者の言葉をもっと浴びるように聞きたいし読みたい
あけおめです。2021年も謎部えむをよろしくお願いします。
今回は最初にお知らせ、次にhappy esportsの方針、最後にeスポーツ業界への想い、有料パートでeスポーツ業界のあれこれについて書き殴っています。
ご存知の方もいるかもしれませんが、僕は昨年末からnote公式のトーク番組「Jiniと謎部のnow reading~おすすめゲームnoteを語りたい~」に出演しております。note社でゲームカテゴリーのディレクターをされている須山さんにお声がけいただいたのがきっかけです。
毎月第3火曜日、次回は1月19日(火)20時を予定していますので、よければご覧ください。皆さんが書かれたeスポーツなどを含むゲームをテーマとするnote記事をピックアップし、ゲームジャーナリストのJiniさんといろいろ語り合う1時間です。noteの書き方や続け方も話しています。
ところで、eスポーツのことを書き綴るとされているhappy esportsの更新が4か月ほど滞っていますね? 最後の更新からあっという間の4か月、そして年末年始でございました。首を長くして待ってくれている方もいるかもしれませんが、お察しのとおり、以前のような内容・頻度での更新は当面しない予定です。
というのは、eスポーツやそのカルチャー、ビジネスのありように飽きたというよりも、eスポーツを利用してどうやってよりよく生きていくか、という方向に大きく関心が移っているからです。
生き方、生き様。これはまさしく、4月に書き残した記事「eスポーツの価値、そしてeスポーツを自分の物語として編むために「書く」こと」のテーマです。このテーマはまた、僕がバーチャルSNSに面白さを見出している理由でもあります。
結局のところ、eスポーツが持つカルチャーやビジネスなどの諸要素は、どのように生きるかという問いに対する手段でしかありません。より大きな視点で抽象的に捉え直したとき、これまでのhappy esports的なアプローチではどうしてもこのテーマを語りづらくなるというのが本音です。
もちろん、好奇心がかき立てられれば「人気者になる方法」「あのチームのビジネスモデル」「主要シーンとしての企業eスポーツ部」みたいなテーマで書くことはあるかもしれません(Twitterでは日夜つぶやいていると思います)。どなたかeスポーツ関係者や有識者にお付き合いいただけるなら、そこで生まれたテーマで物することもあるでしょう。
しかし、これは真に心から感じていることですが、僕のようなアウトサイダーがあれこれ言う時代は終わりました。
いまやeスポーツの当事者は激増しており、最前線で活躍している方は数えきれません。ゆえに、本来そうあるべきであるように、最前線の方々が率先してキーボードを叩いて記事や動画で有用なコンテンツを生み出していくべきです。毎日現場で手と頭を酷使している方々がさらに鞭打って、みずからの活動や理念を紹介し、広く活用可能な方法論やフレームワークを解説し、さらに業界やビジネスを分析して世に共有していくべきなのです。
当事者が自分の言葉で語らないで、どうしてシーンが成長していくでしょうか。
それがどれほどなされているかと言えば、残念ながらその手の良質なコンテンツはまだまだ表に上がってきていません。あるいはメディアに掲載されるeスポーツ業界に関する記事で、現場でちゃんと役立つものはほぼないという状況。内容も全然面白くない(ゲーム攻略は除く)。
ですが、ようやく待望していたものが出てきてもいます。直近で言えば、ウェルプレイド・ライゼストのずーサン、Rush Gamingの西谷麗さん、大会運営を手掛けるがまのあぶらさんなどが書かれた記事です。
このレベルのコンテンツが毎日当たり前に出てくるようにならなければ、eスポーツ業界の成長はありえないでしょう。
ほかに手放しで面白いと言える記事を挙げるとすれば、Negitaku.orgのYossyさんが書かれているものでしょうか。
ノウハウをよそに真似されたくない、と秘匿する考えもあるかもしれませんが、そのへんの中小企業の売上にも劣る市場規模の業界で隠しておく価値のある奥義的な情報があるとは思えません。
人類社会が発展してきたのはなによりも他者とコミュニケーションしてあらゆる情報を共有してきたからであり、それはeスポーツ業界でも同じことです。隠せば隠すほど、語らずにいればいるほど、業界は衰退していきます。
とにかく、記事であれ動画であれ、eスポーツ業界の発展と苦悩と栄光を味わわせてくれるコンテンツが少なすぎます。ゲーム会社、オーガナイザー、プラットフォーマー、プロダクション、チーム、そして選手まで、知ってもらいたいことや共有したいことは山ほどあるはずなのに。
2021年はどうか、当事者の言葉を浴びるほど聞かせてほしいし、読ませてほしい。
これが、はるか大昔に現場から退き、辺境の地で細々とeスポーツにまつわるテキストを紡いできた僕の祈りであり、願いごとであり、遺言です。僕にできることがあるなら手伝いますが、それがどんな形になるかはまだイメージすらしていません。
ただ今後、happy esportsでは「eスポーツと生き方」みたいな「個」に焦点を合わせた記事を基本有料で書いていこうと思っています。「ゲームをプレイすることは本当に価値があるのか」とか、「eスポーツの世界にオリジナルな自分を表現したいクリエイターの居場所はあるのか」とか。ビジネスなハッピーから個人のハッピーへ。
正直、eスポーツビジネスで役に立つ方法論やフレームワークはちょっと検索すればいくらでも出てきます。eスポーツ業界、eスポーツ市場は未知の領域ではなくなりました。もはや考えうるビジネスモデルは出尽くしており、当事者は既存の手法を組み合わせて成果が出るまで愚直に実践・邁進していくほかありません。eスポーツ業界特有の事情もありはしますが、少し考えれば解決の糸口は見つかるはずです(僕でも想像がつくくらいですし)。
もしeスポーツビジネスで何をしたらいいのか分からないと悩む人がいるとすれば、単なる勉強不足です。成功のためには試行錯誤も必要ですが、まったくの未知ではないがゆえに、試しうる方法が絶対にあります。
どうしようもなく困ったら、それこそ先人を頼りましょう。奇跡も魔法も、銀の弾丸も打ち出の小槌も存在しません。地道に、堅実に、一歩ずつ。
ということで、これまでhappy esportsをご愛読いただきありがとうございました。この記事をもって第一幕を下ろし、2021年からは第2幕を開けることにします。
以下では最近のeスポーツ業界のあれこれについてざっくばらんに、そしてかなり率直に思うところを書いています。本当に読みたいと思う人だけに読んでほしいので有料です。
主たるテーマは「VTuberとプロゲーマー」と「ウェルプレイドとライゼストの合併」です。
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