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happy esports

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日本のeスポーツシーンをマーケティング視点で考察した記事のまとめ。 eスポーツを仕事や事業にしている/したいとき、マーケティングで活用したいとき、あるいは投資したいときにも役立ち… もっと読む
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#コラム

マガジン「happy esports」とは?

国内のeスポーツシーンについてマーケティング目線で考察している個人メディア、「happy esports」の運営をしている謎部えむです。この記事では初めて来てくださった方のために、弊誌の紹介をしています。 どういったコンセプトで運営しているのか。 どういう記事を掲載しているのか。 どんな読者がいるのか。 そうしたことをまとめました。どういう内容の記事があるのかも一覧しているので、記事を探すときに参考にしていただければと思います。 ここで紹介している以外の記事もありますの

2021年はeスポーツ当事者の言葉をもっと浴びるように聞きたいし読みたい

あけおめです。2021年も謎部えむをよろしくお願いします。 今回は最初にお知らせ、次にhappy esportsの方針、最後にeスポーツ業界への想い、有料パートでeスポーツ業界のあれこれについて書き殴っています。 ご存知の方もいるかもしれませんが、僕は昨年末からnote公式のトーク番組「Jiniと謎部のnow reading~おすすめゲームnoteを語りたい~」に出演しております。note社でゲームカテゴリーのディレクターをされている須山さんにお声がけいただいたのがきっか

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eスポーツの価値、そしてeスポーツを自分の物語として編むために「書く」こと

2019年の夏、僕はある対戦ゲームに夢中になっていた。1人で黙々とプレイし、そのゲームの実力を示すランクを上げることに熱中していた。そしてその最も集中していた30時間のことをnoteに綴った。 eスポーツと呼ばれる対戦ゲームでは、何百時間、何千時間と同じタイトルをプレイしている変人たちが大勢いる。だから、僕のあの30時間は客観的に見ればたいして長い時間ではない。 でも、振り返って気がついたことがある。あの30時間、自分で定めた目標を達成すべく打ち込んだ気力と試行錯誤にこそ

ゲームに関心はないけどゲーマーを応援したい、そんな企業でもeスポーツ市場で成功できる?

eスポーツ業界でよく言われるのは、ゲームを愛していない企業がeスポーツ市場に参入したところでコミュニティ(ゲーマー)にそっぽを向かれてうまくいかない、という話。 これにはたしかに真実味があるし、概してそうではあろうとは思うものの、参入企業の顧客あるいはエンドユーザーはゲーマーであり、ゲーム自体(あるいはゲーム会社)ではない。だから、「ゲームを愛していなくとも、ゲーマーを愛しているのであれば事業はうまくいくのでは」と疑問に思った。 皆さんはどう思うだろうか。たとえゲーマーを

水物だらけのシーンで、確固たる目的と持続可能なeスポーツ目標だけが拠り所になる

表層的に見れば、eスポーツシーンは水物だらけで成立している。 いつサービス終了するか分からないゲーム、朝令暮改で変わっていくルール、来年のスケジュールが見えないリーグ、離合集散を繰り返すチーム、気まぐれで引退する選手、おいしいとこ取りで利用しようとする広告主、受託でしか成り立たない企業、話題だからとネタにするメディア……。 こうして眺めると、ゲーム業界外からの「ゲームの人気がなくなる前にぱぱっと儲けてさようなら」という向き合い方も理に適っているように思える。 しかし、こ

eスポーツと銘打たれていても、そこに好きなゲームが入っていないとき

弊誌も自戒しつつであるが、近頃痛切に感じるのは「eスポーツ」と大々的に銘打たれたイベントや大会を目にしたとき、そこに自分の好きな、熱中している、本気で取り組んでいるゲームタイトルがない場合が多いこと。 プレイ&観戦で何度も楽しい 僕自身は観戦するタイトルは多々あるものの、自分が寝る間も惜しんでプレイする対戦ゲームとはなかなか相見えず、それがどうにももどかしいというか、趣味であれ仕事であれ本気でゲームに向き合えている人たちが羨ましかった。 『Overwatch』にハマって以

eスポーツを理解してくれない人に攻撃的な言葉を返すとどうなるか?

ウェルプレイドジャーナルで書いている僕の連載第5回が5/13に公開された。 今回は弊誌調べのeスポーツ七不思議を取り上げ、そのうちの1つである「eスポーツが社会に認められていない問題」を議論した。お時間あるときぜひどうぞ。 面白いことに、記事が公開された週にちょうど『報道ステーション』で岡山共生高校eスポーツ部(全国高校eスポーツ選手権)が取り上げられ、それに続いて尾木直樹氏の記事「どうしてゲームがスポーツなのか!?」が話題となった。 『報道ステーション』のほうでは、松

esportsシーンの発展に欠かせない大会観戦者を増やすための戦略と施策

LFS 池袋 eSports Arenaの長縄実の言を待たずとも、日本のesports業界ではかねて大会観戦者の増加がesportsシーンの発展と普及に不可欠であると言われてきた。 しかし、具体的に観戦者を増やすにはどうすればいいのか、誰がその責を負えばいいのかといったことはあまり語られてこなかった。当たり前だが、かっこいい大会を開催すれば勝手に観戦者が増えるわけではない。 そこには戦略と施策が必要だ。というわけで、この記事ではesportsシーンの観戦者を増やすための検

音ゲーの競技シーンはいまどうなっているのか、esportsとしての可能性はあるのか

この中でアーケードの音ゲーをプレイしたことのあるやつだけ手を挙げろ! おそらくものすごく少ない。そもそもプレイできるゲームセンターが減っていて、ゲームセンターからも筐体がどんどん撤去されていて、プレイヤー人口も減り続けている。そして、たとえ音ゲーをプレイしていてもesportsとして認識している人は多くないだろう。だから、この記事の読者に音ゲーマーはほとんどいないし、音ゲーをesportsとして捉えている人もほとんどいないと思う。寂しい。 そんな悲観的な状況を変えること—

プロゲーマーもスポンサーもお互いに「本当に好きかどうか」が問われている

以前の記事でも話題にしたが、「本当に好きかどうか」がとても重要になってきていると感じる。誰かに何かをお勧めしたり紹介したりするとき、自分がそれを本当に好きでないと何も伝わらないし、相手の心を動かすには至らない。これは人が他人の欲望にしか欲望できないというラカン的な言説に一致している。 インフルエンサーマーケティングの文脈でも、フォロワー数よりその人とファンとの関係性やエンゲージメントなどの結果に投資しなければならないということが言われ始めた(例えばDIGIDAYの「2018

紹介する人は紹介される人になる――無名のプロゲーマーがファンを作るために

この記事では自分に興味を持ってくれた人をより熱心なファンにする方法ではなく、最初に興味を持ってもらう方法、つまりファンを作る方法について簡単にまとめる。 選手インタビューはファンしか読まないプロゲーマーの人柄なんてどうでもいい、強さがすべてと考える人もいるが、プロをプロたらしめているスポンサー(お金を出す立場)からすればそんなことはまったくない。誠実で人当たりがよく、根気強くて、ファンを大切にする人ほど慕われ、尊敬され、そして重宝される。 一方で、SNSではたいしてツイー

ゲームをプレイすることで社会的価値を生み出せないなら、お金をもらうにあたわない

特に一般向けメディアにおいて、プロゲーマーが「ゲームをプレイする(遊ぶ)ことでお金をもらえる」と評されることがあり、羨ましい、自分もそうなりたい、と言った反応を見かけることがあると思う。 それに対し、プロゲーマーは単にゲームをプレイしているだけでお金をもらっているわけではないという反論がすぐに思いつく。では、プロゲーマーはどんなことに対価をもらっているのか? 今回は「ゲームをプレイすることで生まれる価値」について整理し、プロゲーマーの定義を考察する。分かっている人には当たり

『クラッシュ・ロワイヤル』のけんつめしは、esportsシーンに求められているヒーローだ

2017年7月に開催された『クラッシュ・ロワイヤル』のアジア大会、「Clash Asia Crown Cup」で日本代表として戦ったけんつめしは準決勝で敗れた。試合後、彼のTwitterにはファンから多くのメッセージが届いた。それを見て嗚咽を漏らす姿は、僕の心を射抜くのには充分すぎた。 その姿勢に胸を打たれ同大会で奮闘したけんつめしのドキュメンタリー『けんつめし アジア挑戦の記録 in 上海』がYouTubeで公開されている(トップ画像はその1シーン)。たった25分34秒に

esportsにプロライセンス制を導入すれば高額賞金大会を開催できるのか?→できるっぽい!

※2018年3月18日追記 大会と賞金についてめちゃくちゃ分かりやすくまとめられている記事を紹介。この議論は現状で最も妥当で実用的な着地点だろう→ゲーム大会・景表法・JeSU: 論点はどこにあるのか、包括的に整理する ※2018年3月13日追記 賞金と景表法問題は解決した模様→ 消費者庁がeSports賞金に関して「プロ・アマを問わず」景品類に該当しないとコメント(DAMONGE) esports関係の大きな話題の一つに、大会賞金に関する問題がある。一般的には、「景品表示

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