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🕵️‍♂️何度でも!父が帰ってこない事件〜きっとまたある予想🤣

さて、11月26日午後5時59分。

私の携帯のディスプレイに再び母からの着信が表示された。

その時、私は所用があって、いつもは徒歩で行く実家に、自分のでちょうど乗り付けたところだった。

車から降りたところで、駐車場で、そのまま着信を取る。

「またお父さんが帰ってこんとよ!あんた、車で迎えに行ってくれん!?」

どこにだ。

母の第一声。三度目ともなると、手慣れているのか混乱しているのか分からない感じになっているが、正直(時間が)早えな、と思った。

だってまだ午後6時である。

先日二回の件と、母も認知症が進んでいることもあって、どんどん堪え性がなくなっているのである。

まあ良い。

とりあえず前々回の経路であれば、公園だった場合車の乗り入れができない。

「あー?
まだちょっと早いと思うけど。

スーパーの方やったら、公園、車の乗り入れできんけん。

ちょっと歩きで見に行ってみるわ。」

それほど焦らず、スーパー方向に歩いていくと、やはり

行く途中で、呑気に歩いている

帰宅途中の父に遭遇した。

手には白いレジ袋を持っている。

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「あ?
お父さん?
お母さんが心配しとうよ!
どこ行っとったん?」

一緒に実家方向に引き返しながら尋ねると、父は答えた。

「いや、ちょっと鈴木(仮名)内科(かかりつけ医)に行ってた。」

あ?

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ここで私の脳内はクエスチョン・マークでいっぱいになった。

かかりつけ医に行くには時間が遅いのはまだしも、

そもそも、鈴木内科がある方向と、父が歩いて来た方向は真逆である。

まあうちの父は息を吐くように嘘をつくので、多分、

寄り道して怒られる小学生の気持ちで嘘をついているんだろう。

ある意味では分かりやすい。

そもそも、なぜ日が暮れているのに外出しているのか、を問うているので、行き先を咎めているわけでもないのに、何故嘘をつくのかも微妙なところだ。

父の歩みは決して早くはないので、私はその場で母に携帯で電話する。

「ああ、お母さん?
お父さん、おったよ。今帰りよる。

坂田さん(仮名・ご近所)の前あたり歩きよるよ。」

連絡すると、がもうちょっと進んだところで、母が痺れを切らして道に出て来た。

「お父さん!
もう日がくれたら出かけたらいかんよ!
どこいっとったとね!?」

「鈴木内科で薬もらって来た。」云々。

話しかける母に返事をしようとして、話すことで歩くスピードが落ちる父。

帰宅を邪魔するのはやめてもらえますかね。

「お母さん、話しかけたらスピード落ちるけん。

とりあえず帰ってから話聞いたら。」

とりあえず両親を帰宅させて、ミッション終了!

なかなか良い手際じゃね?天才じゃね?

と悦にいった私だったが、冒頭で所用があって車で来たと言ったはずだ。

実家から使っていないヒーターを車に積んで帰ろうと思っていたのに、この騒ぎのお陰で、ものの見事に忘れて帰ったのであった。

(終わり)

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