「名声は周りの評価」流芳後世

芳を後世に流す
―流芳後世―

[原文](晋書 桓温)
流芳後世。

[書き下し文]
芳を後世に流す。

[原文の語訳]
名声を後世に残す。

[解釈]
名声を残すのは自らがそうしようとするのではありません。聖人君子も自分で言ったわけではなく、周囲の人たちによる後の評価なのです。

著名人が口にする言葉に「二度死ぬ」というのがあります。一つは自らの死、もう一つは人の記憶から消えてしまう死だそうです。

先生に対し「教師」と「恩師」と使い分けることがあります。教師は資格として視える形で自らに手にすることができますが、恩師は教え子から視えない形でもらえるものです。人の中で教師の記憶は消えやすいですが、恩師の記憶は残り続けます。

悪声高き政治家も、時間の経過とともに再評価されています。それまで善政を敷いていても失敗一つで烙印を押されますが、後世になると第三者的視点で全体として評価してもらえるようになるものです。

名店と言われるところでも、良いものを提供しているだけではなく、口コミの評価で名が知れ渡るに違わない実直な商品やサービスを提供し続けることで時間をかけて成熟していくものです。初めからの名店は余程の腕利きか本家の暖簾分けでなければそうそうないのです。

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