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今日の一言

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2016年4月の記事一覧

「何事もほどほどがいい」敖不可長、欲不可従

敖は長ずべからず、欲は従にすべからず
―敖不可長、欲不可従―

[原文](礼記 曲禮上)
敖不可長、欲不可従。志不可満、楽不可極。

[書き下し文]
敖(おごり)は長ずべからず、欲は従(ほしいまま)にすべからず。志は満たすべからず、楽しみは極むべからず。

[原文の語訳]
おごりは増長させてはいけない、欲望は欲しいままにしてはいけない。志は満足させてはいけない、楽しみは極めつくしてはいけない

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「立ち止まる勇気をもつ」見険而能止、知矣哉

険を見て能く止まるは知なるかな
―見険而能止、知矣哉―

[原文](易経 彖伝上・下)
彖曰、蹇、難也、険在前也、見険而能止、知矣哉。

[書き下し文]
彖(たん)に曰く、蹇(けん)は、難也、険(なや)み前に在るに、険を見て能(よ)く止まるは知なるかな。

[原文の語訳]
蹇卦は難の卦で、前方に迫る、危険を察知したら、進むのを見合わせて立ち止まるのが人の知である。

[解釈]
できる人は危険を察知

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「独りの時こそ誠実に」君子必慎其独也

君子は必ずその独りを慎む
―君子必慎其独也―

[原文](大学 伝六章)
所謂誠其意者、毋自欺也。如悪悪臭、如好好色。此之謂自謙。故君子必慎其独也。

[書き下し文]

所謂その意を誠にするとは、自ら欺く毋きなり。悪臭を悪むが如く、好色を好むが如し。これをこれ自ら謙くすと謂う。故に君子は必ずその独りを慎むなり。

[原文の語訳]
君子は必ず誰にも見られていない独りの時にこそ、その言動を慎む。

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「和やかさを心がける」接人則渾是一団和気

人に接しては則ち渾てこれ一団の和気
―接人則渾是一団和気―

[原文](近思録)
明道先生坐如泥塑人、接人則渾是一団和気。

[書き下し文]
明道先生坐しては泥塑人(でいそじん)の如し、人に接しては則ち渾(すべ)てこれ一団の和気。

[原文の語訳]
(宋の)程明道先生は土で作った人形のようで、人と接する時は、一身が一つの和気で満ちている。

[解釈]
「和気」とは和やかな気分、人に好かれる温かさの

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「ピンチをチャンスと捉える」転禍而為福

禍を転じて福となす
―転禍而為福―

[原文](戦国策 燕策)
知者之挙事也、転禍而為福、因敗而成功。

[書き下し文]
知者の事を挙ぐるや、禍(わざわい)を転じて福となす、敗に因りて功を成す。

[原文の語訳]
智者を事例とすれば、禍を転じて福にさせ、失敗を成功の要因とする。

[解釈]
災いを上手く利用することで、逆に自分に有利になるようすることです。ピンチをチャンスと捉えるという意味ですね。

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「幸も不幸も自責」禍福無門、唯人所召

禍福は門なし、ただ人の召く所
―禍福無門、唯人所召―

[原文](春秋左氏伝 襄公二十三年)
禍福無門、唯人所召。

[書き下し文]
禍福は門なし、ただ人の召く所。

[原文の語訳]
災いや幸福は門から入ってくるわけでなく、ただ当人が招くのだけのことである。

[解釈]
災いも幸福も自分自身の行いが招くものであって、誰かが持ってくる訳ではないのです。偶然ではなく自業自得の必然ということです。

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「ほどほどがいい」花看半開、酒飲微酔

花は半開を看て、酒は微酔に飲む
―花看半開、酒飲微酔―

[原文](菜根譚)
花看半開、酒飲微酔。此中大佳趣。若至爛漫酕醄、便成悪境矣。履盈満者、宜思之。

[書き下し文]
花は半開を看て、酒は微酔に飲む。此の中(うち)に大いに佳趣有り。若し若至爛漫酕醄(らんまんぼうとう)に至らば、便(すなわ)ち悪境を成す。盈満(えいまん)を履(ふ)む者、宜しく之を思うべし。

[原文の語訳]
花は五分咲きの頃に

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「その時々を楽しむ」窮亦楽、通亦楽

窮もまた楽しみ、通もまた楽しむ
―窮亦楽、通亦楽―

[原文](荘子 雑篇 譲王 第二十九)
古之得道者、窮亦楽、通亦楽。

[書き下し文]
古の道を得る者は、窮もまた楽しみ、通もまた楽しむ。

[原文の語訳]
真実の道を体得した古人は、行き詰まった時でもその状況を楽しみ、順調な時でも楽しむ。

[解釈]
苦しい(逆境)ときでも気の持ちようで楽しく感じることもできますし、順調(順境)なときはもちろ

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「締め付けすぎない」天下多忌諱、而民彌貧

天下に忌諱多くして、民いよいよ貧し
―天下多忌諱、而民彌貧―

[原文](老子 第五十七章)
天下多忌諱、而民彌貧。民多利器、國家滋昏。

[書き下し文]
天下に忌諱(きき)多くして、民いよいよ貧し。民に利器多くして、國家ますます昏し。

[原文の語訳]
国の禁令が多くなると、民衆はますます貧しくなる。民衆が鋭利な兵器(または便利な道具)が多用されるようになると、国家はますます混乱する。

[解釈

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「人災は最も悪」苛政猛於虎

苛政は虎よりも猛し
―苛政猛於虎―

[苛政猛於虎](礼記 檀弓下)
苛政猛於虎。

[書き下し文]
苛政は虎よりも猛し。

[原文の語訳]
残酷な政治は虎よりも恐ろしい。

[解釈]
民に厳しい政治は虎よりも恐ろしいということです。中国で最強の動物とされる虎よりも恐怖政治は上をいくということです。

人が人を治める政治は、ときにとんでもなく残酷で恐ろしいものになりえるです。

政治にかぎらず人災

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「他人を師と見る癖をつける」三人行、必有我師焉

三人行えば、必ず我が師あり
―三人行、必有我師焉―

[原文](論語 述而第七)
三人行、必有我師焉。択其善者而従之、其不善者而改之

[書き下し文]
三人行えば、必ず我が師あり。其の善なる者を択びて而ち之に従ひ、其の不善なる者は而ち之を改む。

[原文の語訳]
三人で行動すれば、必ず自分の手本となる人がいる。。よい人を選びそれに見習い、よくない人の点を改めるようにする。

[解釈]
自分の意識の

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「全てを師と考える」他山之石、可以攻玉

他山の石、以って玉を攻くべし
―他山之石、可以攻玉―

[原文](詩経 小雅・鶴鳴)
他山之石、可以攻玉。

[書き下し文]
他山の石、以って玉を攻(みが)くべし。

[原文の語訳]
他の山からの石は、自分の玉を磨けるのに使える。

[解釈]
「自分に直接関係のないものでも、自分を向上させるのに役立つ」や「他人の良いこと以外でも間違いや良くない言動も自分を磨くために役立つ」というたとえを表す四字熟

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「誤解を与えない」瓜田不納覆、李下不整冠

瓜田に履を納れず、李下に冠を整さず
―瓜田不納覆、李下不整冠―

[原文](文選 / 古楽府 君子行)
君子防未然、不處嫌疑間。瓜田不納覆、李下不整冠。

[書き下し文]
君子は未然に防ぎ、嫌疑の間に処(お)らず。瓜田(かでん)に履(くつ)を納れず、李下(りか)に冠を整さず。

[原文の語訳]
君子は未然に防ぐことで嫌疑をうけない。瓜畑では靴を履かず、李の木の下では冠を直してはならない。

[解釈

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「思考と行動、熟慮と断行」弗盧胡獲、弗為胡成

慮らずんば胡ぞ獲ん、為さずんば胡ぞ成らん
―弗盧胡獲、弗為胡成―

[原文](書経 太甲下篇)
弗盧胡獲、弗為胡成。

[書き下し文]
慮らずんば胡(なん)ぞ獲ん、為さずんば胡ぞ成らん。

[原文の語訳]
思慮深くなければどうして成果をあげることができるだろうか、断固として実行しなければどうして目的を達成するることができるだろうか。

[解釈]
知識だけもっていても、そこに自分で深い考えを加えて行

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