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仕事の内側にご褒美はあるかい。|フリーランスで生きていく #8

RADWIMPSが歌い出しそうなタイトルでこんにちは。

朝のランニングを頑張ったご褒美に、パン屋さんのパンを買って帰ってきました。普段ゆるグルテンフリー生活をしているので、パンは私にとってたいそうご褒美なのです。

頑張ったもんね、と言いながら、シャワーで汗を流した爽快感と共に摂取する小麦粉。はあああああーーーー美味しい。
ああこのために走ったのだ、早起きしてよかったーーーーの瞬間でございます。

***

ここまで頑張ったらご褒美!
というのは私たち日常的によく使うんじゃないでしょうか。

定時退社したら、
この資料完成させたら、
厄介なメールに返信したら、
この皿を今日中に削り終えたら、、、!

皆さんはどんなご褒美を用意していますか。

アイスかね。
ビールかね。
ラーメンかね。

書きながら空腹を刺激されるのでこれ以上列挙するのは控えたいと思います。
(シュガードーナツ食べたい。)

それに加えて、
ゆっくり珈琲を淹れる時間だとか、
朝の散歩で感じる気持ちの良い風、
仕事を早めに切り上げて大切な人と過ごす時間、
好きな映画を観たり本を読んだり音楽を聴いたり。
こういったものも、やっぱりご褒美ですよね。

***


小さなご褒美はたくさんあるけれど、
私たちが毎日を生きていく中での
「仕事」と「ご褒美」の関係を考えたとき、
それらを切り離して考えるよりも、「仕事」自体に「ご褒美」をくみこんだ方が強いんじゃないかと思うのです。


仕事が終わったらアイス食べるぜー!
よりも、
ああこの瞬間のためにこの仕事してるんだわ私!
の方が、どうせなら日々が楽しくなりそうじゃないですか。


私の場合、日々の制作はとーーーっても地味な作業の積み重ねです。

重たい土を練ったり、窯詰めや窯出しなどはなかなかの体力を要する。
永遠に前屈みで座った状態のろくろ仕事は首や腰に大ダメージだし(いつか腰折れるっていつも思ってる)、数種類の白い粉にまみれながら釉薬を調合したり(合法です)、少しずつ配合を変えながらの実験は、思い通りになるまで調整調整の繰り返し。ロスも多い。滅多に人と会話することもなくアトリエに引き篭もっている。
陶芸家、まったくオススメしない。

けれど、ご褒美の瞬間はたしかにある。

私の作品を気に入ってくださり、応援してくれるお客さんやお店の方の存在というのがまず第一に大きな大きなご褒美。
うつわを使っている様子をSNSにアップしてくれる、その写真や文章を眺めているだけでとっても励みになります。

さらには展示会などで実際に会えること。
時間と距離をかけてわざわざ会いにきてくださり、作品に対する思いを伝えてくださること。
あれこれ長い間悩みながら、よし、と決めてうつわを手にとってくださる瞬間を目にできること。

初めて作家さんの作品を買うんです、とか
以前買ったのをとても気に入ってるので買い足しにきました、とか
初日一番乗りで選びたかったので、◯◯から3時間かけてきました!とか。

愛さないわけないじゃないですか。

どんなに日々が地味な積み重ねでも、
こういう瞬間に、ああこの仕事をしていてよかったな、と思うのです。
たいそうなご褒美ですね。

さらに、
土に触ること、そのものの気持ちよさ。
ろくろを挽き終えたとき、ああ美しいなと感じる瞬間。
焼き上がった作品が自分の想像を超えてくる驚きと喜び。

99.9%のしんどい、つらい、もうできない全然無理いいいい!の先に
0.01%のmikrokosmos的な美しいご褒美があるのですよ。

その瞬間が味わいたくて、私はこの仕事をしている。

***


会社員だったとき、私はまあまあ大企業と呼ばれる会社に勤めていたこともあり、自分の仕事が何になっているのかがわからないことが息苦しさだった。
なんだか大きな話の中にはいるんだろうけど、自分が日々やっている業務のその先がダイレクトに見えないなぁという疑問符。

もちろん、それこそがご褒美になる人もいると思います。

大きな金額や大きな資源を動かすこと、
たくさんの人々の生活を支えているということ、
国内外を問わずグローバルな規模で仕事をしていること、
そういう部分にやりがいを感じる人もきっと多くいるはずです。

だから本当にご褒美って人それぞれ。
私にとってのご褒美は誰かにとっての苦痛かもしれないし、逆も然りなのです。

***

だけど共通するのは、仕事の外にご褒美を用意して、仕事の時間をいやいやこなし、時間よ早く過ぎろーーと思いながら月曜から金曜まで指折りカウントダウンしている人よりも、
仕事自体が楽しくてしょうがなくて、あー今日も良い仕事したな!!ってその心地よさで1日を終えられる人のほうが、強そうだよね。


仕事とプライベートは切り離す、という考えも分かります。
仕事というものは苦しいもので、だからその対価としてお金をもらえるんだよ、という考え方もありますよね。
当たり前のようにそう思い続けてきた人の方が、今働いている30代40代以上の世代ではむしろ多いのかもしれません。

だけど、少しずつ世の中の流れが変わってきているなあというのも肌で感じます。
仕事が楽しくてもいいじゃないか。
仕事が大好きでもいいじゃないか。

自分の考え方や工夫次第で、仕事の内側にご褒美を見つけることはできるんだと思います。

どーーしても見つからないよって方。
仕事の外にご褒美があればいいよって方。
それもそうだね、うん、分かるよ。

私はきっと欲張りなんでしょうね。
極上のご褒美が欲しくて欲しくて今日も仕事している。土に触れている。
私の作品を好きと言ってくれる人に会いたくて、直接顔を見てお話がしたくて、そのためならばどんなに納期に追われていても体力的にしんどくても時間を確保して色んな場所に足を運ぶ。だって会えば疲労なんて吹き飛ぶから。
皆さんいつもご褒美ありがとう。

そうやって毎日生きております。
皆さんはどうですか。
まあ偉そうなこと言いながら今日も仕事終わりにはアイス食べますけどね。
(MOWが好き!チョコモナカジャンボもジャイアントコーンも好き!ハーゲンダッツは絶対王者!!!)

読んでいただきありがとうございました! サポートしていただいた資金で美味しいものを食べて制作に励みます。餃子と焼肉とカオマンガイが好きです。