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情報量の多い料理店から考えるインストラクションのUX

「当店のご利用は初めてですか?」
着席するや否や、そのように尋ねられると少し身構えてしまう。

お店独自のシステム。伝え方に工夫が欲しかった話。

少し洒落ていたり、話題になっている飲食店では、そのお店独自のシステムが作られている場合がある。 入店直後にシステム説明が始まるわけだが、もう少し情報量を調整したらいいのに、と思うことがあった。

席に着くと、店員さんはメニューの束を手にやってきて、選択できるメニューの組み合わせをスラスラと説明していった。2、3分の説明が続いただろうか?(これを覚えるのはきっと大変だろう。)

さて、耳を傾けていると説明事項が3つ、4つと増えていく。
申し訳ないが2つ目の説明を過ぎたあたりで既に頭はシャットダウンしていた。


選んでその店に来ているとはいえ、客の集中力を過信しないほうがよいぞと主張したい。一瞬でも(早く飲みもの飲みたいなー)とか思う隙があればもう話についていけなくなっているものだ。

集中力を欠いた私は「情報量が多すぎて誰も読まないアプリのインストラクションだなこれは。」などと考えていた。

スマホアプリをインストールして最初に読ませられる数ページなんて、相当うまくやらない限り「ようこそ!」しか記憶に残らない。(しかし、開発者の立場になると往々にしてその感覚を忘れてしまうのもよく分かる。)


そんな具合で、店員さんの説明が一区切りついた後は「えーと……。とりあえず、メニューのここから選べばいいんですかね……?」と確認しなおさなければいけないことになっていた。

実際に注文した料理は大変美味しかったのだが、アプリのようにスルーできない分、「説明についていけなかった」とか「結局何をすればいいか分からなかった」という若干のストレスが入店直後の印象として記憶に残ってしまうのは勿体ないなーと思う。

実際みんなどうなんだろう。入店早々の長い説明って疲れないだろうか。

ちょっとした独自システムが逆にその店のファンを作るというのもわかるので、システムの存在自体は良い。それをどう伝えるかは工夫できるといいんだろうなと思う。見ただけでわかるメニュー表を作るとか、チュートリアル形式で1説明に1アクションを順番に進めるとか。


そういえば、一回だけ一蘭に入った事がある。
全員個室の独自システムで人気の店だが、初めて入ってみても特に困った覚えがなかった。かなり優れたデザインなのかも。


余談)飲食店のエラー画面

飲食店のUXを書いていたら、居酒屋でたまに遭遇する
「すみません今日はもう売り切れちゃいました〜」
ってエラー画面と考えることができそうだな、と思った。

メニューに「本日終了」シールが最初から貼ってあるのは押せないボタン
注文時に教えてくれるならダイアログ
一回注文入ってから断りにくるのはエラー画面


飲食店のユーザー体験、アプリUIを考慮する上での面白い比喩を見つけた気がする。(既にたくさん先人はいそうだけど。)

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