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オガール探訪|朝の散歩で見えたもの

都市経営プロフェッショナルスクールの秋季集合研修で訪れた、岩手県紫波町のオガールについて、記録と記憶のメモを置いておきす。

駅側(東側)から見たオガールエリア。緑の大通りをはさんで右側にオガールベース、左側にオガールプラザが見える

集合研修前日の夜にオガールに着き、オガールインに宿泊。簡素な設えながら、個室は快適で、朝ご飯の野菜(おそらく地元産)がとても美味しい。着いた時にはまったく見えなかった施設たちを、早朝に散歩がてら視察することにしました。

駅からオガールプラザ、オガールベースの間の緑の大通りを抜けた奥に、紫波町役場庁舎があります。構造材に町産カラマツ材を使用した3階建ての庁舎で、木造部分とRC部分を交互に配置したつくりが面白い。

市庁舎の東側。木の板張り部分に朝陽があたってきれい
西側は経年変化でシルバーグレーになりはじめている。逆光まぶしい
南北の距離が短く、東西に長い紫波町。東西を山に挟まれた自然豊かな環境

オガールは「農村と都市のいいどこ取り」というコンセプトを掲げていますが、オガールのエリアを一歩外れるとこの景色。まさに農村。東西に山が広がる田園風景はすごく「日本の田舎」を感じさせ、振り向くと整然と整備されたオガールタウンが広がっているなんて信じれられません。それぞれに価値ある美しい風景ですね。

オガールプラザはドーマーのある屋根形状が面白い

図書館や市民交流施設、マルシェなどが入っているオガールプラザの建物は、研修会場にもなっていて2階に大小の会議室が並びます。1階と2階にあるホールスペースでは勉強をしている学生さんもいて、気軽に活用されている様子に「生きた施設」というイメージを抱きます。

建物と緑地帯がシームレスに繋がって安心して滲み出して行ける場所
雨の日は屋根のある通路を通って行き来ができる

エリア内には木質バイオマスボイラーでつくった熱水を循環させ、地域内熱供給を行う施設「エネルギーステーション」があり、紫波町産材の木質チップを燃料に、役場庁舎、オガールベース、オガールタウンなどへ冷暖房・給湯用の熱を供給しています。

エネルギーステーションを覗いてみることができる

各戸へ熱水を供給するための初期投資はとても大きそうですが、暖房・給湯のエネルギーがある程度まかなえるとすれば、住まう人にとってはとてもありがたいシステムです。

オガールタウンの住宅は、南側からの日射取得のための斜線規制、切妻屋根、道路からのセットバックなどの規定がありますが、すべて地元の工務店が手がける注文住宅でプランは自由です。

各戸の間には塀や柵を設けず、植栽が緩やかに仕切っている
各戸の間に両方の家から土地を出し合って、居住者が行き来のできる「つながり小路」がつくられている。ふらりと迷い込んでしまいそう

自由設計とはいえ、プランはわりとスタンダードなものが多いのか、まち並みは整っています。コストやメンテナンスの問題もあるとは思いますが、外壁材を自然素材に近いものにすると、周辺の田園風景とのつながりがさらに深まるのかも、などと思いながら街区をぐるぐる。これからさらに植栽が育っていくと季節ごとに景色の変わる楽しみにもつながりそうです。

研修2日目の夜に行われた懇親会の会場は、オガールベースの目玉でもあるオガールアリーナ。日本初のバレーボール専用コートで、オリンピックでも正式採用されているフランスGerflor社製タラフレックスが床材に使用されています。プロチームの合宿にも使われているそうで、バレーボールのことはよくわかりませんが、とにかく床が美しい。

懇親会中に始まったなぞのバレーボール大会。人数背部がおかしい

エリア全体としては南側にパーク&ライドの駐車場、北側にオガールタウンが広がり、その間に緑道・広場を挟んでオガールプラザとオガールベースが向かい合うという形状をしていて、人が過ごしたり活動するエリアは中心で守られている、という点が印象的。

すでに冬の入口だったので、外で長時間過ごしている人は多くありませんでしたが、屋根のあるベンチでランチをしたり、部活帰りと思われるジャージ姿の中学生がおしゃべりをしている様子を見て、まちなみと暮らしの豊かさについて改めて考えてみたくなりました。

オガールプラザの1階にあるThe SUGARさんで買ったクレープを外のベンチで楽しむ

オガールインの朝ご飯。広場に目を向けながら爽やかな朝を過ごせる


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