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サッカーは現地の実況解説が聞きたい

TLDR:
ワールドカップの時の寺川アナ&本田の実況解説がとても良かったからか、プレミアリーグの日本語実況解説を聞くのが耐えられなくなったので、現地英語の実況解説を聞かせてほしいという話

ワールドカップが終わりプレミアリーグが再稼働した。
12月26日、SPOTV NOWで三笘選手所属のBrightonやLiverpoolの試合を観ていて思ったことが一つある。

日本人の実況解説ではなく、現地イングランドの英語の実況解説が聞きたい... 

これ自体は日本でプレミアを観る時にずっと、もう10年以上も思ってきたことだが、今日は特にそう感じた。

なぜか。
2022年カタールワールドカップをAbemaで観ていて、その際の寺川アナとジェネラルマネージャー本田の実況解説が見事だったからだろう。最高の視聴体験だったといえる。

二人が担当する試合はいつも楽しくそして学べた。そう感じたのは日本人の実況解説では初めてだった。サッカー自体の面白さを何倍にも増幅してくれた。

ぼくは過去にスカパーやJsportsなど色々契約してプレミアを観てきた。日本に視聴環境を用意してくれた各サービスには感謝しかないが、今までプレミアリーグを実況解説する日本人の音声を聞いていて「面白かった」「学びがあった」という感情を持ったことは残念ながら一度もない。今回、寺川アナとジェネラルマネージャー本田の熱く迸る実況解説を聞いた約1週間後に、そんな熱い波が一切ない凡な実況解説を聞いて、強烈に現地イングランドの熱い英語の実況解説が聞きたいと思った。

今回のプレミアの試合はもちろんワールドカップの決勝という超大舞台と比較するのは流石に釣り合わないが、それでも内容としてはどちらもオープンに打ち合って試合として結構面白い方だったので、それが原因では決してない。

決勝後だったか、ジェネラルマネージャー本田が最後に言っていたと思うが、日本代表がワールドカップで勝つためには、選手やコーチ陣だけではなく、観るファンのレベルも上げないといけないらしい。となると、たくさん観ることはやはり必要だろう。観るといってもハイライト動画だけではなく、なるべく90分間観るべきだと思う。ハイライト動画だけでサッカーを知ることはできない。ハイライト動画の中では良いプレーをしている選手が、90分通して見てみたら実際は凡ミスをけっこう繰り返してリズムを狂わせていたり、チームのために走っていないなどが見えてくる。ぼくはそういう選手をハイライトプレーヤーと呼んでいる。

試合を90分観るとなったら、ほとんどの場合実況解説を聞きながら観ることになるだろう。ここが大事だ。

90分間面白く学びのある価値の高い実況解説を聞きながらサッカーを観るか、
終始当たり障りのない面白くなく学びもない実況解説を聞きながらサッカーを観るか。

仮に欧州の強豪チームを応援しているなら、国内と欧州リーグ両方合わせて年間44試合は存在する。加えてトーナメントで勝ち進んだ分の試合を観ることができる。その他にも応援チーム以外の強豪同士の対決は面白いので出来るだけ観るだろうし、シーズン終わりの降格争いは抜群に面白いので、年間60試合以上は優に観る計算となる。それだけの試合数、時間にして5400時間を今の日本人の実況解説だけしか聞けない仕様は、ファンにとって全く良くないと思う。サッカーファンであればあるほど現地の声を求めているはずだ。
似たよう例として、今や海外には日本アニメファンが多いが、ファンであればあるほど、吹き替えではなく日本の本来の声優バージョンで鑑賞している、というのに近いのではないだろうか。

ファンのレベルを上げるには実況解説のレベルを上げることが重要だと思う。実況解説の面白く学びのある音声を聞いてファンは増えるし成長できる。

SPOTV NOWには現地イングランドの実況解説の音声を選べるようにしてほしい。ユーザーが従来の日本人実況解説を選ぶか、それとも現地の実況解説を選ぶか。現地を選んだ数の推移と日本サッカーのレベルが多少なりとも比例する気がしてならない。現地の実況解説は聞くだけで良い英語のリスニング勉強にもなる。

今のプレミアリーグの日本人実況解説は正直つまらなすぎる。サッカー自体が最高に面白いからコンテンツとして成り立っている。ジェネラルマネージャー本田級の学のある面白い解説を求めることはできないが、今の解説は当たり前のことをただ話すだけの役柄を演じるだけの人に終始している。間違った解説をすればクレームが来るのでリスクを取らないつまらない解説になっている印象を受ける。仮にリスクを取って解説者独自の新しい視点を話したとしても、誰が偉そうに解説しているんだと言われるのが怖いのかもしれない。しかしそれをやってもらわないと困る。単に描写の説明は実況で足りており、その時に選手や監督コーチにどんな考えがあって、次にどう戦略を立てていくか、タイミングは、コミュニケーションは、などいわゆる解説をしてほしい。時々出してくる現地の情報もスマホで見るニュースの1ページで見るような浅い情報だ。2010年頃までは価値はあったかもしれないが、今はどうだろう。

毎週試合の度に日本人の実況解説の方々をわざわざ3組4組と用意してお金を払うくらいならば、毎週1組だけでも現地イングランドのスタジアムに行ってもらって、現場の雰囲気を伝えてもらう方がよっぽど価値があるし絶対に面白い。


そもそも本場イングランドプレミアリーグはどんな解説陣を組んでいるか。
現地では現在、BT、Sky、Amazonの3社が放映権を握っている。ちなみにこの3社共存の状態は、視聴者にかなり余計な出費や視聴環境を強いており、ただただひどい状況である。スクリーンを通して観戦するなら現地より日本での方が観やすいという矛盾が生じている。
さて、例えばBTでは、Jamie CarragherとGary Nevilleが解説をする。それぞれLiverpoolとManchester United各クラブで500-600試合くらい出場したいわゆるレジェンドと言われる2人だ。Liverpoolの試合ではCarragherが解説、ManUの試合ではNevilleが解説、イングランドダービー時には、確かホームチーム側の人が解説していたか、もしくは2人仲良く解説していたと思う。
Skyでは、これまた同じようにLiverpoolとManUのスター選手2人で、Michael OwenとRio Ferdinandが解説をすることが多い。
つまり2000年代のイングランドをごりごりに引っ張っていたスター選手4人がプレミアリーグの解説陣に名を連ねているのだ。
一般論、現役時代に活躍していたからといって良い解説になるとは限らないが、少なくとも彼らはぼくが聞く限りは言語化がとても上手い4人だと思うし、各クラブで相当な貢献をした選手達なので、説得力がえげつない。
また、彼らは悪い選手がいたら明確に批判するので、はっきりしていて分かりやすい。今のプレミアリーグの実況解説ではほとんど聞かれない。ジェネラルマネージャー本田がワールドカップでダイブしていた選手を「やめろや」とはっきり言うことはぼくは大事だと思う。

現地イングランドの解説陣を日本に置き換えると、NakataやHondaといったスター選手が解説している感じだろう。今回Hondaがジェネラルマネージャー本田としてAbemaに解説として出演してくれて本当に良かった。とても楽しめた。
4年後に北米全域で開催される変則ワールドカップでも、Abemaが権利を獲得し、寺川アナとジェネラルエグゼクティブマネージャー本田のコンビで、実況解説が聞けることを願う。

繰り返しになるが、SPOTV NOWは現地イングランドの実況解説の音声を選べる仕様に変わってほしい。


大好きな横浜名物シウマイ弁当を食べる時、人生であと何回食べられるんだろう。。と考えます