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日本医科大学済生学舎ギャラリー(東京都文京区・東大前駅)

東京大学のすぐ近くにおいて、巨大な病院を要する日本医科大学。日本における最古の私立医科大学でもある。前身である済生学舎の名を冠したギャラリーが橘桜会館の中にある。1フロアながら設立までに紆余曲折あった大学の歴史を知ることができる。

日本医科大学は明治からの長い歴史を持つ大学。前身である済生学舎は順天堂の佐藤泰然より西洋医学を学んだ長谷川泰が、西洋医学の教育機関の必要性を感じたことから創設した学校で、かの野口英世や日本女医のパイオニアこと高橋瑞子、東京女子医科大学の創設者である吉岡彌生などを生み出している。

日本の医学を担った人物を多く輩出

済生救民(貧しい上に病気で苦しんでいる人を救うのが医師の最も大切な道)を見学の精神としており、その精神は現在まで引き継がれている。
とはいえ江戸から明治に移り変わった時期、明治政府の重鎮から恨まれたりなど政治のいざこざに巻き込まれるかたちで済生学舎は廃校してしまう。しかし医学校を失うわけにはいかないと、そのあとに同窓生によって設立された研究会や他の学校との統合を経て大学として認可されることになった。大学認可には北里柴三郎らも支援している。

大学設立までには紆余曲折があった

隣には明治政府のお雇い外国人である西洋医学者であるユリウス・スクリバを記念したスクリバ文庫として貴重な医学書を紹介している。日本人と結婚して生まれた長男のフリッツが日本医科大学の教員だった縁からここに寄贈されたもの。

なお、この地にはかつて夏目漱石の旧居もあったことから、ギャラリー内には夏目漱石の記念碑も残されている。しれっと漱石。トイレはなし。

隅っこにしれっと漱石

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