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細川庭園&永青文庫(東京都文京区・早稲田駅)

細川庭園は早稲田大学のそば、椿山荘や講談社野間記念館の隣にある。庭園自体は無料で入れる。敷地内には細川侯爵邸(和敬塾)があるが関係者以外は入れない。一般人は庭園内にある松聲閣という和館が利用できる。中でお抹茶もいただけますのよ。おほほ。


永青文庫は階段をめちゃくちゃ上がった先にあり、細川家伝来の美術品が展示されている。室町幕府管領という由緒正しい家柄の細川家。応仁の乱や比叡山焼き討ちなど歴史的事件には枚挙にいとまがない。織田信長に仕えた細川幽斎や細川忠興(と妻のガラシャ)が有名か。何代か前の総理大臣もやっていた。円形の門が出向かえる入口が印象的。館内は撮影不可。都内では唯一の大名による美術館らしい。

4階は戦国時代の甲冑や陣羽織などが展示されている。渋谷の松濤を牛耳る佐賀藩鍋島家とも縁戚だったらしい。しれっと国宝も展示されている。さすが肥後熊本藩の大名。細川斉護以降は通字が護となるのだけれど、それまでは歴代の徳川将軍から偏諱を受けていたという。細川家はもともと足利将軍の幕臣だった家系。幕府とズブズブである。それだけの実力があったという証でもあるのだろう。

赤い絨毯が敷かれた階段を降りると3階の展示室。どうやら蔵だった模様。奥の壁にも謎の扉があり奥深さが想像できる。伝来の刀剣や蒔絵、鉄砲(火縄銃)などが展示されている。個人的にはここが一番よかった。一つ一つの部品に丁寧な装飾が施されている。

https://www.eiseibunko.com/

さらに階段を降りるとコルディエ文庫という細川家のコレクションが。こちらも実は岩崎家に寄贈されている。まさかここにまで岩崎家が噛んでくるとは。恐ろしい。

2階は茶器や壺など。細川家、特に幽斎は文化芸術の秘伝を学んでおり、戦国時代に何度も命の危機があったのを「秘伝を絶やすな」という帝の命令で命拾いしたこともある。こちらは半分が休憩室のような趣になっている。トイレはウォシュレット式。
1階は事務室のみなので実質2.5フロアといったところ。2階から降りる階段には女優からモナコ王妃になったグレース・ケリーや、作家から大臣になったアンドレ・マルロォとの写真が飾ってあり、さすがの家柄であることを思い知らされるのである。



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