高揚感と多幸感とファッション

目的

服が好きである。もっと言えば、服を買いに行く行為が大好き。もっともっと言えば、服を買いに行く為に着る服のコーディネートが好きである。服に狂っている様なものだ。

自粛期間で、気軽に洋服も買いに行けない。そんな時、某大手セレクトショップの4〜6月期の決算にて、前年比で大幅な減収現益が発表されたニュースを見た。私が好きなあのセレクトショップは大丈夫なんだろうか。服を買いに行く勇気をくれた初めてのお店は息をしているだろうか。

このご時世、洋服を買いに行けなどと大層なことは言えないし、当たり前だが感染拡大を抑える最大限の動きを一人一人が取っていると思う。今からするお店の紹介は、私の祈りであり、自己満足でしかない。けれど、もし、だれかの目に止まって、興味を持ってもらえたら、もっと言えば足を運んでもらえれば、一人でもそんな人がいれば、この文章は大成功である。


場所

「コトバトフク」京都にあるそのお店は、私が大学生の時に出会った。元々は、二条城の近くにあった店舗は、現在、京都市役所の近くに移転している。この近くは、古着で有名なJAMがあったり、洋服やカフェが集まっている印象があり、色んな所と合わせて巡ってみても楽しいエリアである。(以前の店舗は、ビルの4Fに位置しており、初めて行く時は本当に実在するのか不安だった。)

コンセプト

日本の若手デザイナーを中心の取り扱っている。例えば、「hatsutoki」はテキスタイルから縫製まで全てMade in Japan.天女の羽衣を思わせるふわふわとしたストールは、母の日のプレゼントにしたこともある。他にも、甘さと品を兼ね備えるニットブランド「malamute」、幼稚園生の金平糖の様な甘さを服に練りこんだ「futatsukukuri 」など多種多様な洋服の宝庫である。

また、セールを設けず適正価格で販売し、アーカイブ商品も取り扱う。当たり前だが、商売は利益が出なければ持続が不可能である。多くのショップは、在庫減少の為、セールを行う。セールをしないことは、在庫を抱える危険性を増し、利益とは相反している。サイトには、「ファッションの流通システムに一石を投じる試み」と説明されている。おそらく、大量生産による大量廃棄の問題ではないかと推測するが、話が長くなるので、省略。サステイナビリティやSDGsが根底にあると解釈している。(多分見ないとは思いますが、関係者の皆様間違っていたら申し訳ありません。)また、アーカイブ商品の取り扱いは個人的にめちゃくちゃ嬉しい。バイヤーでもない一般消費者としては、ブランドを立ち上げの時から追って行ける訳も無く、何年か過ぎてから知るのが殆どである。その場合、前年以前に作られた服は、どこで入手すればいいのかわからず途方にくれていた。お金が貯まるまでに売り切れていたこともある。運良くヤフオクで発見したこともあるが、干し草の針である。ブランドに電話をするなんてもってのほか(デザイナーって世界観があって怖そうじゃないですか、偏見ですが。というか一消費者が電話していいの?)そんな小心者の大学生だった私には渡りに船、シンデレラフィット。

服屋さんって、店舗に一歩でも足を踏み入れたら話しかけられる。多分セールス教育の一環なのだが、正直 シラナイヒト、コワイ 状態になることもしばしば。ここの店長さんの第一印象は、福々した招き猫。なんだかとても柔らかい。商品説明も情報量が多い。ブランドの産地からコンセプトまで。こんな洋服の接客の形があるんだと感心した。以前店員を募集されていたので、店長さんに当たるかどうかは分からないけれど、きっと、他の店員さんも柔らかな素晴らしい接客をして下さると思う。

その他色々

特異点は他にも、大学で教鞭を取られている方が経営に参加していたり、フャッション関連の本や哲学書がおいてあったり、服とは?装飾品の意味とは?など哲学したい人には誂え向きな場所。オンラインショップもございます。

店舗情報

コトバトフク

〒604-8086
京都府京都市中京区御幸町通三条上る丸屋町315番地
たけうちビル2階A号室
takeuchibuilding2F-A.maruyacyou315.
sanjyo-gokomachi.nakagyouku-kyoto

営業時間 13:00-19:00

休業日もあるのでそこらへんはInstagramやTwitterを参照ください。
・Official site


・Online store

・Instagram


・Twitter

あとがき

ゴチャゴチャと色々書いたが、この店舗は価格帯としてラグジュアリー一歩手間からアッパーミドル層のブランドが多い。洋服に興味がない人からすれば、たかが布切れ一枚になぜこの価格?状態だと思う。全身ユニクロ、無印だなんて日もある身としては高い服が最高だとは思わない。オンラインショップを掲載しておきながらも、サイズ感と素材感が分かりにくいからあまり購入しなかったりする。
最近、近所のお店が閉店していることに気づいた。ニュースの中の不況を肌身に感じた。インフルエンサーでもない私に世間への大きな影響力はない。それでも、洋服を買うことにこの上ない高揚感と多幸感を与えてくれた場所が無くなることには耐えられない。

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