大切にすべきファンとはなにか?
売上あげることばかりに気をとられ、新規顧客を増やすことばかりを目指していても、今の時代はなかなか結果がでません。
これは現代の情報過密かつ超成熟市場では、構造的に新規顧客獲得が困難なためです。
機能面に依存したUSPはすぐ追随され、陳腐化してしまいますし、例えあふれかえる情報量の中で、瞬間風速的にバズってもあっという間に忘れ去られてしまう環境なのです。
その中で結果として売上を安定的に伸ばしていくために必要不可欠な考え方を提示してくれているのが、こちらの本になります。
『ファンベース』 佐藤尚之
著書は、ファンベースを以下のように定義しています。
「ファンを大切にし、ファンをベースにして中長期的に売上や価値をあげていく考え方」
ここでいうファンとは、「企業やブランド、商品が大切にしている価値を指示している人」を意味します。ファンを大切にする施策としては、ファンとつながるみたいな実際のつきあいに限定せず、ファンが共感したり愛着をもったり信頼を感じたりする「要素」を丁寧に増やしていくことが重要としています。
あくまで、ファンの方々とともに変化し、成長し、未来の価値を創出していくことを大事にしているのであって、単純に目の前のファンからお金を稼ごういう発想ではありません。
なによりもファンと誠実に向き合っているか、信頼関係をむすべているかに注意を払うべきであり、ファン獲得あたりの単価という目の前の数字を優先すると迷走してしまいます。
このときに問われるのが、マーケティング責任者の度量です。効率重視するばかりでは、ファンとのキヅナはつくれません。例えばよくある間違いは、SNSアカウントのフォロワー数の拡大ばかりを追い求めるケース。フォロワーがいくら何万と増えるプレゼントキャンペーンをやっても、そこに集まるのはプレゼントゲッターが中心で、普段の投稿にはほとんど反応をみせずスルーされてしまい、いつまでたってもエンゲージメント率が上がらないというのはよくあるパターンです。
本来、きちんとしたファンを獲得できているのであれば、エンゲージメント率もあがり、かつ良質な口コミがSNS上でファン自らおこしてくれるようになるはずです。
こうした罠にはまらないためにも、本書の提示するファンベースという考え方を学びどう実践していけるかトライしていくべきでしょう。
エッセンスは以下の通りです。自社の仕事もしくは自分が関わるプロジェクト、お店などのファンへの向き合い方を、今一度見つめ直すヒントとしていってください。
■ファンベースが必要な3つの理由
①ファンは売上の大半を支え、伸ばしてくれるから
②時代的社会的にファンを大切にすることがより重要になってきたから
③ファンが新たなファンを作ってくれるから
友人のオススメほど強いものはない
価値観が近い人が愛用しているモノは、自分も愛用する可能性が高い
ファンは周りの類友をファンにしてくれる
■ファンの支持を強くするための3か条
①その価値自体を、アップさせること ⇒ 共感を強くする
・ファンの言葉を傾聴し、フォーカスする
・ファンであることに自信をもってもらう
・ファンを喜ばせる。新規顧客より優先する
②その価値を、他に代えがたいものにすること ⇒ 愛着を強くする
・商品にストーリーやドラマをまとわせる
生活者の課題を解決するためにどれだけの「想い」があったか。
どれだけの人がそのプロジェクトに携わり、どのくらい「時間」を
かけたのか。そして、どのくらい生活者のために試行錯誤し努力したの か。そうしたコンテンツをアクセスしやすくしておくこと。
モノの背景に「人」がいることをどうやって感じさせるか
・ファンとの日常的な接点を大切にし、改善する
唯一の対抗策は、すべての施策/接点/活動において誠実であること
・ファンが参加できる場を増やし、活気づける
ファンが気軽に参加できる場を作り、想いを共有し、企業や商品ブランドの体験を増やしていくことは、確実に愛着を強くする
③その価値の提供元の価値、評判をアップさせること ⇒ 信頼を強くする
・それは誠実なやり方か自分にといかける
・本業を細部まで見せ、丁寧に紹介する
・社員の信頼を大切にし「最強のファン」にする
■ファンの支持をより強くする3つのアップグレード
ファンをコアファンにし、さらにLTVをあげていく
①熱狂される存在になる
大切にしている価値をより前面に出す
身内として扱い、共に価値を上げていく
②無二の存在になる
忘れられない体験や感動をつくる
コアファンと共創する
③応援される存在にある
人間をもっと見せる。等身大の発信を増やす
ソーシャルグッドを追求する。ファンの役に立つ。
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