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心の炎を揺らす

ロウソクの炎をロックに揺らす

ストレングスコーチ/POINTS OF YOU®認定トレーナー・大原亜希さんの開かれる朝活会に参加しています。
少人数のオンラインミーティングですが、ストレングスファインダーの内省上位の方々が参加される、その名も「内省会」。
毎回深い気付きに繋がり、とても楽しい時間を過ごしています。

今回の内省会で、亜希さんがこんなことをおっしゃられていました。

ロウソクの炎のそばで音楽をかける。すると、音楽の種類によってロウソクの揺れ方が変わる。

賛美歌をかけると緩やかにゆれるそうです。
逆に、ロックを聞かせたらギュンギュン揺れるかもしれませんね(笑)。

音は波動、空気を伝わってくる波ですから、ロウソクの炎にその波が当たって揺れることを考えれば、音楽の種類によって揺れ方が変わるのは、感覚的にも理解しやすいです。
また、知っている方も多くいらっしゃると思います。

亜希さんのお話で、面白いな、と思ったのはその後のお話しです。

人の心の悩みもロウソクの炎のようなもの。
悩みの種類や強さによって揺れ方は変わるが、常に揺れているもの。
心は揺れて当然、なぜなら、心が揺れているということは、生きている、ということだから。

ロウソクの炎は心の炎

ロウソクの炎のゆれを、心の揺れ、つまり悩みに見立てたこの発想、とても面白いと思います。

ロウソクの炎を「揺らさない」方法は、2つ。
外部からの影響をまったく受けないようにすることと、炎そのものを消してしまうこと。
炎があるから揺れるのであって、炎を消してしまえば、揺らすことはできませんからね。

ロウソクのの炎を、亜希さんの言葉通り、心に置き換えてみると、「炎を消す」というのが、かなり恐ろしいことだというのはお分かりになると思います。

じゃあ、外部からの影響をまったく受けないようにするにはどうしたらいいでしょうか。

僕がぱっと思い浮かんだのは、キャンプでの火おこしでした。
屋外で行うキャンプの場合、火をおこして絶やさないにするために、石を積み上げるなどして風を遮ります。

外部からの影響をまったく受けないようにするには、それを極端にして、完全に周囲を壁で囲んでしまうのが手っ取り早いですよね。

これを心に置き換えた図を、思い浮かべてみてください。
揺れやすい心を揺らしたくない、周りからの影響を受けて悩みたくない、傷つきたくない、という思いが張り巡らせた、高くて分厚い「心の壁」、みなさんご自身、または周りの方から感じたことはありませんか。

僕は、この話を聞いて自分の過去を思い出します。
僕はまさにそういうタイプだったと思います。

他の人に言われることですぐに傷つく、心が揺れる。
だから、そんな話を聞きたくなくて拒絶する、もしくは関わらない。
まさに、心の壁を作って、他の人からの言葉や行為をつめたく跳ね返していました。

僕は、そうしていつのまにか、守ろうとしていたはずの心の炎を、小さくか細くしていたんだなあ、と今になって思い、少し残念な気持ちになります。

揺れない炎は消えていく

ロウソクの炎の話に戻ります。
炎のゆれを完全になくすため、周囲を完全に壁で覆うと、どうなるでしょうか。
小学校の理科の実験の思い出では、炎は酸素不足で消えてしまいました。

僕は、心もこれと同じことが言えるのではないか、と思います。
厚く壁をつくって、揺れないように、刺激を受けないように必死で守ることは、それ自体がとても大変で苦しいことです。
にも関わらず、そうして揺れからまもっているはずの心が、燃焼源不足でだんだんと消えていく。

心の悩みは、じつはこっちのほうがより深刻なのではないでしょうか。

そんなことを考えていると、内省会に参加されていた方から、「心の揺れ方を観察することができるといいのかも」というお話がありました。

心の揺れが悩みにつながるのは、どんな要因で自分の心が揺れるのか、どういう風に揺れるのかが、自分で掴めていないからなんじゃないか、という気付きから出た発想だそうです。

わからないことに翻弄される、もっと言えば、”わからない”ということそのものに翻弄され、心が揺れる、ということは確かにありそうです。

そんなとき、
「今の自分は何をきっかけに心が揺れて不安になっているんだろう?」
「何が自分を悲しくさせているんだろう?」
を客観的に観察することは、心を落ち着かせるという意味でも良さそうな気がしますね。

心の炎の揺れを知る

心は揺れるものだ、とまず認める。
その上で、心が揺れている自分に気付く。
どんな揺れ方をしているか、を観察する。
なにがきっかけでその揺れが生まれたのか、を考える。

この考え方の習慣をつけることで、心の揺れ=悩みの感じ方も変わってくるかもしれません。

悩み、は自分の在りたい姿、やりたいことと、悩みのきっかけになる出来事との違いから生まれる、と考えると、心の炎の揺れを感じることそのものが、自分を見つめることでもあると思います。
そして、心の揺れを観察することは、自分の本当に在りたい姿を掘り起こすことにも繋がりそうです。

心のゆれを観察する習慣を通じて、悩みをなくすために進むのではなくて、悩みがあっても進んでいける、という自分への信頼感につながったらいいなあ、と僕自身は思います。

同じように感じてくださる方が、この記事を読んだ後、心が揺れたと感じる瞬間、その揺れを観察していただけたら、とても嬉しいです。

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