日産経営者としてのゴーンの評価

 日産の経営悪化が深刻だそうだ(2月14日日経)。新型肺炎のために中国ビジネスが影響を受けているのは、どこの企業でも同じだろう。日産の場合は米国の不振も大きいようだ。また、日産の日本国内のシェアは5位で、トヨタと両雄と目された時代は昔話となった。フェアレディやGTRには話題性はあるが、金を稼ぐほどには売れる車ではない。他には何があるのかと言えば思い出せない。ゴーンが社長に就任してたしかに同社の業績はV字回復した。コストカットによるものだ。ただV字回復について言えば、前期に膿を出し切ることにより、翌期は急回復するものだ。コストカットは自身の努力だけでできるが、売上を伸ばすのは、顧客に訴える製品を開発して、顧客に買ってもらわなければならない。ゴーンはこの点で目に見える業績があったのか。随所でパフォーマンスは見た記憶があるが、何か実のあることをやったという記憶はない。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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