chatGPTの便利さと感じる危機感

知人のエンジニアが言った。
「chatGPTは怖いですよ。
これが世間一般で実装されたらと思うと、
利便性よりも怖さを感じました。」

現場でプログラミングをしまくっている凄腕が言うのだから、
実際にそうなのだろう。

ところで、和多志は別の意味で怖さと不便さを感じた。

まず、和多志の自宅はインターネットが瞬間的、かつ断続的に途切れる。
和多志が普段行う作業については、
ほとんど影響がないので無視しているが、
インターネット上の適当かつ適切な場所にpingを打って確認すると
やはり人間が自覚できない程度に瞬断が起こっている。

その状況でchatGPTに質問した。

「あなたの回答が自動でどんどん画面に表示されていくようにしたいです。
GPT3を利用して、リロード機能を持たせたらよいのでしょうか?
そのタイミングは1秒ごととしたらよいのでしょうか?」

その回答は
「そのような利用方法は、OpenAI社の約款に抵触する可能性があるので、
確認が必要です。」

「和多志がやりたいのは、多くのYouTube動画に上がっているように
和多志があなたに質問し、あなたが回答する時に、
和多志のリロード操作なしで、
回答がどんどんモニターに表示されることです。
どうやったらそうなりますか?」

「それができない場合の原因は何ですか?」

他のユーチューバーが公開している動画を見ると、
本来はchatGPTによる回答が何もしなくて、もどんどん表示されるはず。
しかし、和多志のモニターには表示されず、エラー表示が出る。

表現を変えながら、何度も質問した。
その結果分かったことは、原因は単なるインターネットの瞬断だった。

上記の内容は、話が長くなるので、
できるだけ端折って、大まかなところを書いている。


もしこれが凄腕のコールセンターのサポートの方だったらどうなるのだろうか?

ちなみに、和多志はコールセンターでスーパーバイザーと呼ばれる
一次受けの方が困った時に助ける役目をやっていたことがある。

凄腕のコールセンターのオペレーターになると、
相手の話の端々からまずは混乱の状況を把握。
そして、その原因を瞬時に頭野中でリスト化。
さりげなくいろいろ質問して、原因を特定。

相手の混乱状況を整理して、
自分の言葉で相手に伝えてあげて
「こういう内容でお間違いございませんか?」
と相手に質問してあげる。

「そう、そう!!」
と相手が答えたところで、相手は
「この人は分かってくれる!」
と思って、その技術に信頼を置き始める。

あとは、可能性が高い順に、
問題の原因をつぶしていくご案内をする。


chatGPTとコールセンターの凄腕オペレーターと何が違うのだろうか?


そもそも、chatGPTは、質問する本人が
状況を正確に把握しているからこそ、
的確な質問を投げかけることができる。

繰り返すが、chatGPTと質問者の間に定義の共有がなされ、
状況の正確な把握を質問者ができているからこそ、
正確な質問を繰り出すことができる。

chatGPTが正確な回答を返せるのは、
「質問が正確だから」である。


その点、コールセンターに電話したい人というのは、
和多志も含めて、
そもそも自分の置かれている状況が理解できていない。

全体像が理解できていないから、
詳細な、具体的な質問をしようとしても、
質問するための用語の定義の理解も、状況の正確な把握もできていない。

状況を正確に把握していないから、
質問は明後日の方向の内容になる。

明後日の方向の内容をchatGPTに入れるから、
chatGPTは「質問が正しいもの」として
回答を出力する。

そして、chatGPTとの会話が行きつくところまで行きついて
ようやく自分が明後日の方角の質問をしていたことに気が付く。

ここまで来て、本来の自分の求めていた回答を得るべく
適切な質問を繰り出すことができるならまだ良い。

その時点で、自身の状況について正確な把握ができなければ、
つまり自分の欲しい回答を得るための適切な質問を繰り出せなければ、
その人が欲しい回答は得られない。

chatGPTに延々と質問をし続けることで、
自身の困りごとの状況(全体像)を把握して
適切な質問を繰り出せるようになる前に、
たいていのひとはギブアップしてしまう。


その点、凄腕コールセンターの方は
chatGPTとのやり取りに比べれば、
ほぼ「秒速」で状況を把握してくれる。


chatGPTが世の中に普及することで、
歯止めがかからないコールセンターの縮小がより進むであろうことを
和多志は危惧している。


いずれ、この問題さえも、chatGPTが進化することで改善されるだろう。

しかし、今は過渡期。

過渡期がどのぐらいの期間なのか誰にも分からない。

その過渡期において、
コールセンターは縮小されて繋がらず、
chatGPTに適切な質問を投げかけることができないならば、
この方法では永久に問題解決が望めない可能性があるのだ。


ちなみに、chatGPTに適切な質問を入力できないならば、
これまで通りにGoogle先生に質問することになる。

先日、Googleが新しいAIをリリースして返り討ちに遭ったと聞いているが、
逆転の発想で、「あいまい検索」があることが、
AIを実装しない検索サイトの強みになるのかもしれない。
(あいまい検索ができるAIの開発が待たれる・・・)


コールセンターの縮小に危機感を抱く理由は
和多志の場合、上記に書いたこと以外にもある。

人間は、特に女性は、本能的に人とのつながりを大切にする。
その本能で、人間がこの世に誕生してからずっと
男性を見分け、付き合う人を見分けることで、
種の保存をしてきた。

結局、「種の保存」が、少なくともこれまで機能してきたから
人類は今日も地球上にいることができる。

つまり、多かれ少なかれ、
人間、特に女性は誰でも、「自身の本能が正しかった」
という経験をしている。

その本能を利用できない、デジタルだけの関係には
和多志は危機感を覚える。

・もしAIに悪意のあるプログラムが仕込まれていたら?
・それを見分ける術は?
・もっとAIが普及するのは必然として、
 人とオフラインで繋がることで得ていた精神的安定を補完するには?

上記の質問への回答を和多志は持ち合わせていない。

これが和多志がchatGPTに助けられながらも
危機感を感じる理由である。




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