見出し画像

人が消えた夜のBTSサイアム駅は鳥肌が立つほど美しかった。

記念すべきnote定期購読マガジン「撮り歩くアジア」の第1回目で取り上げるのは、BTSサイアム駅。
一日約15万人が利用するバンコク都市鉄道最大の駅は、魅力的な撮影スポットでもあるのだ。

Covid-19による外出自粛の影響で人が消えた夜のBTSサイアム駅構内。
ディストピアを彷彿とさせるその光景は、鳥肌が立つほど美しかった。

今しか見れないその姿をカメラに収めてきたので、ぜひご覧いただきたい。

非常事態宣言下のバンコク

画像1

BTSサイアム駅の写真をご覧いただく前に、この記事を書いている2020年4月30日時点のバンコクの状況をお伝えしておきたい。

現在のバンコクはCovid-19の影響で非常事態宣言下にある。
デパートやショッピングモール、レストラン、美容室、スポーツ施設など、ほとんどの商業施設が閉鎖となり、外出自粛が奨励されている。

画像2

外国からの航空機の乗り入れも原則禁止され、実質的な鎖国状態である。
当然、観光客の姿はない。
バンコク都心部では80〜90%ほど人の動きが失われている、というのが体感値である。

観光客も通勤客もいなくなったバンコクの都市鉄道。
BTS(スカイトレイン)、MRT(地下鉄)ともに、あれほど酷かった通勤ラッシュもなくなった。
いつ来てもたくさんの人で溢れかえっていたBTSサイアム駅も例外ではなかった。

BTSサイアム駅、被写体としての魅力

画像3

コンクリート打ちっぱなしの巨大建造物であるBTSの駅舎。(上の写真はBTSサイアム駅。二年前に撮影。)
その無機質なデザインは、未来感というか、ディストピア感というか、とにかく独特なオーラを放っていて、建築物として、また被写体としても大好きだった。

中でもサイアム駅は、特筆すべき存在だ。
スクンビット線とシーロム線が乗り入れているため、BTSの駅舎としては唯一の3階建て構造であり、ほかの駅よりも立体感が際立っている。
また、駅構内に色鮮やかな広告が隙間なく貼られていることで、無機質さと俗っぽさが同居し、この上なくサイバーパンク的な空間になっているのだ。

無人と化した今こそ、この駅の美しさを最大限に表現できる。そう思い撮影に訪れたが、そこで見た光景は想像のはるか上を行く美しさだった。

ここから先は

1,079字 / 8画像

¥ 250

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?