カスタマーサクセスの成功とは?

Tableau TVの配信者、現役Tableau社員の浦田です。
今日はウィルさんからの下記のツイートに答える記事を書きたいと思います。ウィルさん、noteを書くきっかけをくれてありがとうございます!

2017年頃から盛んな情報発信が行われているカスタマーサクセスですが、同じ言葉でも文脈によって様々な意味があります。ただ、大別すると以下の2つに集約されることが多いです。

カスタマーサクセスの2つの意味 

1. 広義のカスタマーサクセスは、マーケティング、セールス、ポストセールスなどを一連のプロセスと捉えて顧客の成功のためにそのプロセスを最適化すること、企業としてのあり方そのものと言ってもいいかもしれません。

2. 狭義のカスタマーサクセス部門または部署の名前です。購入前後から顧客に働きかけをし、プロダクトから価値を得て顧客が成功できるように活動をします。一般的には解約率(金額ベースまたは顧客数ベース)、ネットチャーンレート(解約率とアップセルを一つにまとめたもの)、ヘルススコアなどをKPIとしています。

Tableauのカスタマーサクセスの成功は利用拡大

私自身がカスタマーサクセス部門の所属ということもあり、Tableauのカスタマーサクセス部門が何を「成功」としているのかについて触れます。
※私個人の思想や推測が多分に含まれますのでご了承ください。

結論から先に書きます。Tableau社は解約率をKPIとして見ていますが、実務レベルでは顧客によるTableau製品の利用拡大を「成功」としています。これは製品特性と価格体系も深く関わっているため、補足と理由を以下に記載します。

1. Tableauは組織内のあらゆる部門が潜在的ユーザー

Tableauは突き詰めると、意思決定を支援する製品ということができます。 この「意思決定」というのがミソでして、企業のトップから現場まで、何かしらの行動を起こすときにはその背景に必ず意思決定があります。つまり、Tableauの潜在的ターゲットユーザーは企業のあらゆる所に潜んでいることになります。

2. Tableauはネットワーク効果が働く

ネットワーク効果をご存知でしょうか? 電話を例えにするとわかりやすいですが、電話は地球上で自分一人が持っていても何ら意味がありません。通話する相手がいないからです。でも、電話を持つ人が2人になれば遠い場所にいる人とコミュニケーションする手段として価値が生まれます。そして、電話を持つ人の数は多ければ多いほど、電話のインフラとしての価値が高まり続けます。電話は一つの例でしたが、その他にネットワーク効果が認められるサービスや製品としては、LINE、Facebook、Instagram、オンラインゲームなどが挙げられます。

Tableauを利用するユーザー属性として、ダッシュボードやVizを作る人、作られたものを見る人という2つに分けた時、そのどちらも多ければ多いほどインフラとしての価値が高まり、また顧客が得られる価値も大きくなります。

3. 停滞は後退、利用者数が増える状況が健全な状態

Tableauは2020年1月現在、ユーザー数に対して課金する価格体系としています。例えばあるお客様がCreator(分析者・IT担当者用)ライセンスを50人分購入いただく時、全ライセンスの利用予定者が個人名レベルで確定していることは稀です。ある程度は利用者数が増える見込みも含めて、余裕をもって多めにご購入いただくこととなります。以下のような状況を想像してみてください。

50ライセンス = 購入したライセンス数
20ライセンス → すでに実利用をしている。
残り30ライセンス → まだ利用者が決まっていない。

このような状態のとき、カスタマーサクセス担当者としては指をくわえて見ている訳には行きません。何もしなければ30ライセンスが解約されてしまうからです。当然、未使用の30ライセンスを利用してもらうために必要な手段を講じます。

いざ勉強会、活用事例共有会、ユーザー会などをお客様とともに実施しました。Tableauの認知度も上がり、ありがたいことに残りの30ライセンスも利用者が決まりました! 導入成果も次々に上がりました! そこで打ち止め、一件落着!

という訳には行きません。

一度アクセルを踏んだ推進活動は急ブレーキをかけられないので、所有しているライセンス数50に対して、Tableauを使いたい人が60名まで増える、といった状況になります。
なんということでしょう。10ライセンスが足りません。ではまた余裕を見て30ライセンス追加。推進活動実施。またライセンス不足に。追加、推進、不足、追加、推進、不足…

話をまとめます。
一本でも未使用のライセンスが存在する時、その解約を防ぐために活用促進をします。その結果ライセンス数が足りなくなり追加でご購入いただくこととなります。
解約率改善のための活動アップセル活動と表裏一体なのです。

まだまだ書けることはいっぱいありそうな気もしますが、一旦ここまでとします。ここまで読んでくださりありがとうございました!

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ちなみに本noteを見てTableauのカスタマーサクセスの仕事に興味が出てきた方がいましたら、ぜひDMなどで浦田にご連絡ください。Tableau社でもリファラル採用を重視しているのです!

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