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Hasselblad X1DII-50C撮影レビュー_2回目

みなさん、こんにちは。こちらの記事では、Hasselblad X1DII-50cを使った撮影方法についてを書き残しておこうと思います。

はじめに

この記事を書いている時点においては、不要不急の外出を控えるようにという宣言が出ています。いまは春先ということもあり、外の景色も段々と新緑が芽吹いてきているのですが、それを撮影しに行くことも叶いません。そこで、なにか似たような撮影ができないだろうかと考えまして、テーブルフォトのような撮影をしてみようという気持ちに至りました。

被写体について

テーブルフォトと言ってもいろいろな被写体があります。今回私が選んだのは一輪挿しのお花を撮影することにしました。私はこれまでflowerというお花のサブスクリプションサービス「flower」を利用していますので、2週間に1回、お花を選ぶことができます。それらしい花瓶に入れて飾っているわけでもないのですが、季節感を表現した花を撮影してストックしていくことで、作品群として発表できるかもしれない?と思ったのも理由の一つです。

いざ、撮影をしてみると・・・

実際に撮影をしてみようと、カメラを被写体に向けてみます。そうすると、少々困ったことが出てきました。それは最短距離の長さ。私が持つHasselblad X1DII-50cとXCD 3.5/45mmレンズの組み合わせで撮影できる最短距離は40cmしかないようです。そのため、一輪挿しの花を撮影しようとしても、全体的な写真は撮影できるものの、少々物足りない感じになってしまいます。

スクリーンショット 2020-04-17 23.36.19

Hasselblad XCD 3.5 / 45mm レンズのデータシートを見ると、最短距離は0.4mとあります。一般的にはマクロレンズにレンズ交換して撮影すると言った選択肢が出てきますが、このX1Dに取り付ける120mmのマクロレンズは60万程度する高額なもので、サクッと購入することができかねます。そこでなにか良い方法がないか?と考えた所、一つの選択肢にたどり着きました。

クローズアップレンズを使ったテーブルフォト

これまでほとんど意識したことがないアクセサリです(ごめんなさい)。レンズの先端にMCフィルターやNDフィルターを取り付けるような感覚で、レンズ前面に取りつけるだけで近接撮影が可能となります。

実写画像がないかと、検索を重ねてみましたが、なかなか見当たりません。X1Dを使った例も当然ながら見つからない。というわけで、自分でやってみることで他の人の参考になればという思いもありました。このクローズアップレンズも価格帯としては数千円ですので、レンズを買うのと比較したら、コスト差が1/100。まずはやってみてもいいかな。他のカメラに差し替えて使えるというのもメリットかなと思ったので、トライすることにしました。

ちなみにクローズアップレンズを使うと以下のような効果が得られます。ケンコー・トキナーさんのWebに掲載してある図がわかりやすいですので、こちらにて紹介させていただきます。

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クローズアップレンズの購入

クローズアップレンズには大きくMCタイプとACタイプのレンズがあります。一体何が違うのでしょう。調べてみると以下のような違いがあることがわかりました。

AC(アクロマート)の特徴
・2枚のレンズを別々に成形し貼り合わせて作った、複雑な形のレンズ。
  良いところ:画像全体の歪みや色ムラが改善される
  悪いところ:大きく重たくなる
MC(マルチコート)の特徴
・1枚のガラスを凸レンズの形に成形しコーティングを掛けたレンズ。
  良いところ:軽量で気軽に使用できる
  悪いところ:画質の問題が目立つ傾向にある
        ※特に四隅のゆがみや色むらなど

参考は以下のサイト。

画質を優先したいと思いましたので、ACタイプのレンズを購入しようと思いました。そこで店頭に足を運んで探してみたのですが、ACタイプの製品は取り扱いしている店舗を見つけられませんでした。結局はネットでオーダーしまして、2種類のACクローズアップレンズ(No.2とNo.3)を購入しました。

レンズを2つ購入したのには理由があります。それはクローズアップレンズは複数のレンズを組み合わせて使用することができるということにあります。レンズを2つ組み合わせることで3通りの組み合わせで撮影ができ、撮影の幅が広がるのです。これが結構便利。

具体的には
・No.2 レンズを付けて撮影
・No.3 レンズを付けて撮影
・No.2 レンズとNo.3 レンズを付けて撮影=No. 5 レンズとして使用できる

クローズアップをつけて、撮影をしてみました

というわけで、クローズアップレンズを組み合わせて撮影しました。以下に写真を掲載します。

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Camera:
Hasselblad X1DII 50c Lens: XCD 3.5 / 45mm with AC close up lens No.2 + No.3 
Develop: Phocus v3.4.8

今回撮影したのは、ブルースターというお花です。ウェディングフラワーとしても人気のようで、花言葉は「信じ合う心」。花びら一枚が1cmにも満たない小さなお花なのですが、淡い色合いや花びらに映るディテールもしっかり写すことができたと思います。

撮影には小さなスタンドを用意して、白い背景になる場所を選び、白いボードをレフ板代わりにして光を起こしてリモートでシャッターを切っています。この時の撮影では、iPad ProとX1Dをテザー接続して撮影しています。プレビューも大きなモニターで見ると効率的です。USB-Lightingケーブルで接続するのみなので、簡単です。

撮影を振り返り・・・

撮影時のことを振り返ると、うっかりと、クローズアップレンズを使う前の写真を撮り忘れてしまいました。これだけだと、比較が難しいなあということにいまさら気がついてしまった次第です。。

あとは自分が撮影する時にお花の向きや時期をしっかり見極めることができれば、より良い写真が残せるんじゃないかと思います。お花も生き物ですので、しっかり向き合って撮影することで、その表情は大きく変化すると感じました。

flowerでは、最近、一輪挿しのお花の配送をやめることになってしまいました。。。今後はブーケのタイプのみになるそうです。個人的には一輪挿しの写真を撮影する楽しみがありましたので、少し残念なところではありますが、こうした撮影の楽しさも感じられているので、何かしらの被写体を継続して撮影していけたら良いなって思っています。


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おうち時間を工夫で楽しく

大学を卒業後、約15年間写真スタジオ、写真機材販売、北欧カメラメーカーの日本法人立ち上げなど行う。その後ITベンチャーにてマーケティング業務に従事しながら大学院に通いMBAを取得。現在もスタートアップ企業にて奔走中。