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ジュークレコードの松本康さんを偲んで その3〜HOME OF THE BEAT

松本さんは音楽の先生だった。生徒である僕らに「ロックと黒人音楽の架け橋」になってくれた。10代で、テンプテーションズの“My Girl"とゾンビーズの"She's Not There"を同時に聴きながら、モータウンとマージービートを行き来できたのは松本さんのおかげ。

これらの映画を観たのは、松本さんの影響が数十年後にも生きてた、ということだろう

印象に残っている松本さんのコメントを記しておく。

「ビートルズの“If I Fell"にはビートがある」
「ストーンズが"Little Red Rooster"というブルースのカバーをシングルにして、イギリスで一位になったのは凄く意義がある」

ジュークレコードは"HOME OF THE BEAT"を標榜していた。黒人音楽から生まれたリズムである「バックビート」(2拍、4拍に重心を落とす)を理解してロックを聴くと、そこが一本の線で繋がっていることが分かる。この場合の「バック」は「背中」。つまり曲を背中で支えるビートという意味。

松本さんが選曲した、ラモーンズとかパティ・スミスとかのカセットテープ。これはいまだに語り草になっている。教わった生徒はこの教科書を大事に取ってると思う。

これがその教科書

最後に一つ思い出した。「福岡の音楽シーンを盛り上げた一番のバンドマンはTHE MODSの森やん。森やんの存在は大きかった」と松本さんがかつて言ってた。これは嬉しかった。



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