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浅野いにおは、エモい。 「浅野いにおの世界展」感想

トキです。

兼ねてから好きだった、漫画家浅野いにおの原画展に足を運びました。展示の特に好きな部分をトリミングして書いていきます。

1月初旬のひんやりとした空気の中、会場の池袋、サンシャイン60。

20週年の原画展。
僕が浅野いにおの作品を始めて手にしたのは2008年。上京したての頃に「ソラニン」を買った。
2巻完結の手軽さと、表紙から感じるエモーショナルな雰囲気で2巻一気にジャケ買いした。

展示会はデビュー作から最新作までの原画や制作のメモが所狭しと展示されていた。
浅野いにお=デジタル漫画家と認識していたので、アナログ原稿と完成したページを見比べられるようになっていたのは非常に見ていて楽しかった。
昔、ほんの少しだけ二次創作をしていた時に浅野いにおのデジタル着色はよく参考にしていたことを思い出した。

入ってすぐに展示されているアートボード。
ライブペイントで、大小さまざまなマッキーで描かれている。(進んだ先で描いている様子も映像で見ることが出来るので必見です。)

初期で好きな一冊。
「世界の終わりと夜明け前」
当時これの表紙が小説みたいでおしゃれで好きだった。表題作の女子高生のモノローグも繊細な感情が、見たこと無い景色なのに懐かしいような気がして静かな感動を覚えた。

一番好きな作品、「ソラニン」。
ちょっとね、原画ズルくないですか。種田の最期のシーンとかね、ほんと、地雷って位突き刺さるんですよ。
ちょっとソラニンに関しては記事を分けてまた書きます。書かせてください。

始めて読んだ日から、芽衣子よりも種田に感情移入してしまう。
描き下ろしの種田と芽衣子のアクリルキーホルダー、思わず購入してリュックに着けてしまった。
アラサーでアクキー買うと思わなかった笑

浅野いにお最長編作品「おやすみプンプン」。
これも好き。
プンプンという記号的(平凡)な少年の成長記。

圧倒的田中愛子空間。
愛子ちゃん、女が嫌いな女(ヤンデレ)感あるけど僕は好きです。
怖くて身勝手で、なのに誰よりも一途で、痛くて。でもそれがすっごく人間臭くて可愛い。
割と依存されたいタイプだからかもしれないけど、こういう子に依存されるのは怖いけど良いなと思う。

でも一つ言わせてほしい。

雄一おじさん全然いないじゃん!!!!!
雄一おじさん大好きなんです。ダメ男なのにダメ男ぶらないところかわいいじゃないですか。ポスターに居たからちょっと期待してしまった…
展示の大半がプンプンの後期だったので初〜中期の展示が少ないのが残念でした。
小学生の頃の星空のシーンとか原画見てみたいなぁ。
母親との関係、当時の自分は自分と母親に重ねたりして読んでいました。成人してから、母親に対して遅れてきた反抗期を発症してて、どうしても許せない時期があったから。
プンプンって、自己評価本当に低いよね。
プンプン以外から見た彼自身の印象が分かるのが最終巻ってところが良い。
また読み返したくなった。

掲載していたエロティクスF、欠かさず読んでました。
「うみべの女の子」
いい具合にエロい。思春期の持つエロさってそうだよね、こういうのだったよ。
クラスでも地味目なふたりだからこそのこのエロさが出るんだよね。

「デッドデッドデーモンズ デデデデストラクション」
これね、原画無かったけど、1巻のタイトル出しが珠玉。
映画や舞台のような生きてるタイトル出しだった。
鳥肌が体中沸き立って、とんでもなくワクワクしたのを覚えている。

侵略者のキャラデザ、すごく可愛くて好き。一匹ほしい笑
母艦のCGも作り込まれていて凄かった。なるほど、モデリングでカメラアングルぐりぐり動かせるからあんな書き方が出来るのか。納得。

イソべやんも可愛い。

「零落」
学生時代に読んだ「東京」並に考えさせられた作品。

鬱屈って刺激的。最近の僕を腹落ちさせてくれました。
落ち込むことも、苦悩も、葛藤も好きだからもしかしたら今年からの30代はこうなるのかも、そんな予感も感じた。
僕がソラニンと出会ってから今年で11年。あの頃を振り返って考えるところに来ているのかもしれない。
あと、僕も猫目の女の子好きです。

ポスタービジュアルに使われた描き下ろしの原画も最後の方に展示されていた。

思い入れのあるキャラクターはいましたか?
週末までの開催だそうです。
お時間ある方はぜひ。

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