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13年来の推しメンを、私は毎月撮り続けている

あの“くしゃ笑顔”が13年経った今も忘れられない。

時をさかのぼって2009年の夏。しがない大学生だった私は、彼氏の部屋で暇つぶしがてら動画を漁っていた。なぜそこに行きついたのか思い出せない。かわいい女の子に本能的に引き寄せられたのか、単にYouTubeからサジェストされただけなのか。

AKB48、12枚目のシングル「涙サプライズ」。ミュージックビデオの終盤、メンバーに囲まれて誕生日ケーキのろうそくを吹き消す彼女に釘付けになった。前田敦子、17歳。なんて邪気のない笑顔。かわいい、かわいい、かっわいいいいいーーーーー!

その瞬間からずぶずぶハマっていった。

新曲がリリースされたら何十回も見て振りコピ、会社の上司を巻き込んでAKB48カラオケ、選抜総選挙のランキングに自分の将来を勝手に重ね合わせた。握手会も劇場公演も卒業コンサートも行った。あの数年、私の情緒は彼女中心に回っていた。

2022年8月24日 東京ドームの卒業コンサート

彼女がグループを卒業して、AKB48に対する熱は次第に冷めていったけれど、一度着火した「かわいい女の子が好き」という炎は消えなかった。仕事のかたわら、週末に女の子を撮影し、Instagramに投稿していたら依頼が舞い込むようになった。「女の子を撮って生きていく」と宣言し、コネもツテもないのに2017年に独立した。

2020年12月22日。彼女が今年いっぱいで事務所から独立するというネットニュースを目にした。とっさにInstagramを開き、メッセージを送っていた。「独立からの歩みを撮影させてください」。読んでもらえるわけないとなかば諦めながら、でもなぜか届く気がした。

夜、彼女から返信が来た。「ぜひ一度お話させてください」。いろんな事情があるだろうし、すんなり進むわけないと言い聞かせたけど、なぜかうまくいく気がした。

そうして2021年1月から私は前田敦子を撮影している。仕事現場にもプライベートにも伺い、毎月淡々と撮り下ろしている。それはアイドルでも役者でもない、人間としての彼女を残す、試み。

彼女はいつもありのままだ。元気な日は目が合った瞬間、笑顔キラッキラ。辛いときはカメラの前であっても感情を隠さない。その“本当”なところに13年前からずっと惹かれている。

決まっているのは撮り続けることだけ。

うれしいときも楽しいときも、苦しいときも悔しいときも、毎月撮って、生きざまを残す。女の子を撮る、という天職に出会わせてくれた人を毎月撮り下ろせる奇跡を噛みしめながら、今月も来月も私は彼女を撮り続ける。


そんなあっちゃんを1年7ヶ月撮り下ろした展覧会を渋谷PARCOで開催中(追記:終了しました)。夢は意志を持って動けば叶う。心地よい空間になっています。ぜひ遊びにいらしてください🌙
前田敦子の“月月”展 @渋谷PARCO

撮影は今も続いています。
前田敦子の”月月”Instagramはこちら


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