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嬉し涙の流し方。

泣いた記憶があまりない。 今思い出そうとして思い出せるのは、祖母が死んだとき、中学の部活で先輩が引退したとき、それくらいだ。 この少ない記憶の中から推測できるのは、少なくとも僕は、『感動』だとか『喜び』だとか、そういった類で涙を流したことがないということだ。 このことから考えると、僕はかなりのサイコパス人間のように感じられるが、今回の核心はそこではないし、それを棚に上げるつもりもない。 じゃあ、そもそも僕が『感動』だとか『喜び』といった感情そのものがわからないかと言わ

    • 今月の僕 2021/1

      最近、深夜まで眠れないことが多々ある。 これまで、嫌なことがあればあるほど、現実から逃げるように眠りについていた。 何かを考えたり、思い詰めたりすると眠れなくなる、そんな人の気持ちがわからなかった。 眠れなくなった理由は検討がつかない。 年が明けて2021年になったこと。冬休みがあったこと。本格的に受験生になること。 要因は色々あるかもしれない。 今までの僕なら、そんな自分で自分のことが理解できないことが気持ち悪くて、無理にでも考えようとしていた。 でも今の僕は

      • 晴れのち曇り

        「人ってなんでただの炎色反応に感動させられるのかな。」 このまま世界を飲み込んでしまいそうなくらい黒く、大きな空には、儚く美しい花弁が咲いていた。 「文系のくせに。」 と君は案の定クスクスと隣で笑っている。 どうやらあの化学教師が言っていた、 「花火大会で炎色反応の話をすると引かれる」 という仮説は彼女には通じなかったようだ。 「そんなこと私以外の女の子に言ったら絶対引かれるからね。」 どうやらあの化学教師が言っていた(以下略)は一般の女性には通じるようだ。 誰

        • "こちら側"

          僕はおそらく壁を作っている。 無意識のうちに。 話しかけづらいとよく言われる。 確かに、誰かに話しかけて欲しいと思ったことはない。 変に絡まれるよりひとりでいるほうが楽だからだ。 いろいろな人間がいた。 壁の遠くの櫓からこちらを見てくる者。 壁のすぐ外から物珍しそうに様子を伺ってくる者。 壁をぶっ壊して強引に中に入ってこようとする者。 大体はこんな人間だ。 違う世界にひきこもっているはずなのに壁の外から覗かれるのは嫌だし、壁を強引に壊されて自分と外の世界が

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