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社会人芸大生が勉強の合間に買って読んだアート関連書籍・2023.1~3月編

皆さま、本、読んでますか?
ついに4年目をむかえたこのシリーズ。2023年もなんとか四半期ごとに更新していきたい所存です。

が!おかげさまで、書き手がてんてこまいになっております。
本当にもう、とにかく健康第一。日々 目の前のことを頑張ります。

気づけばもうかれこれ半年くらい、いろんな記憶がおぼろげですよ。
年明けにプラスオンされた確定申告は、春の訪れとともに大学への復学にスイッチし、2月3月と京都に滞在して取材してまわり、企画展やら卒展やらトークイベントやら、これでもかと観てきました。

そんな中でも、部屋に本が増えていくんですねぇ…不思議だなぁ(笑)。

ということで、相変わらず活字にまみれていたわたしが、復学前の1〜3月に、勉強と趣味もかねて手に取ったアート関連本(それ以外もいろいろ)を紹介&勝手におすすめさせてください。
なんか面白そう!と思える本と出会うきっかけになったら嬉しいです。


ちなみに、2022年編はこちら


2021年編はこちら。

2020年編はこちらです。
復学を機にまた読み返すかもしれません。今から読んでも面白いはず。

マガジンもありますよ。





まさに今日、青山ブックセンター本店で買ってきた3冊


たまーにしか行けない表参道、そして、青山ブックセンター本店。
大好きなんですが、大好きすぎるゆえ、行くとだいたい2時間コース。
ついつい大量に大人買いしがちなので、なかなか近寄れないんです。行きたいけど涙

ですが、今日、とーっても楽しみにしていたトークイベントに参加すべく、行ってまいりました!!!(感激でした・・・!!!)


ってことで、すみません、1~3月に読んでない、しかも今日4月15日(土)に買ったばっかりですが、どれもものすっごく読み進めるのが楽しみなので、ご紹介させてください。

  • 『広告 Vol.417』

  • 『IN / SECTS Vol.16』

  • 『NEUTRAL COLORS ISSUE 4』


まずは、『広告 Vol.417』
特集テーマは「文化」。発売を楽しみにしていました。


青山ブックセンター本店では、出入口近くの棚にたくさん展開されていて、加えて、インディペンデントな雑誌類のコーナーにもこんな感じで平積みされていました。

辞書的な見た目 製本と断裁、難しそう・・・


楽しみにしていたのは、この真っ赤な装丁も。
予告通り、本当に一冊 一冊、「赤」の色が違うんです・・・!!!

夕焼けのようにグラデーションになっているのも魅力的でしたが

空いてるタイミングで広げて検討・・・

自分がいちばん好きだと思う 真っ赤 を選んできました。

黒とのコントラストも素敵


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『IN / SECTS Vol.16』『NEUTRAL COLORS ISSUE 4』は、店頭で見つけて、ちょっと立ち読みして、買おう!と決めたもの。

『IN / SECTS Vol.16』には、ひとり出版社を中心に、本づくりをする人たちが本当にたーくさん登場していて、面白そうだったので。

その他にも、リソグラフのこととか、ZINEのこととか、とにかく情報量が多くて、インタビュー記事もたくさんあって。
じっくり読み進めるのが楽しみです。


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『NEUTRAL COLORS ISSUE 4』
は、これそのものもアートな感じの雑誌。
一部はリソグラフで刷られていて、そもそもこの週刊誌ちっくな紙が好き。

ノベルティのトートをもらいました✨


しかも、中身がとーっても濃くてびっくり。
この号のテーマが、雑誌づくりを続けられるか、というのも興味深くて、冒頭に載っている編集の加藤さんの文章を読んだだけで、「あ、読みたい、買おう」と即決でした。


店頭には、バックナンバーとして2と3が並んでて、どちらも学校教育がテーマ。4と全然違う!そんなところも面白いし、中身もまた良くって。

ただ、手間がかかっている分、1冊3,000円+税 だったんですよね…
あーでも買ってきても良かったかなぁ… と気になっているところです。


この『NEUTRAL COLORS ISSUE 4』、立ち読みして、おや?と思ったのが、巻頭の広告。
FUMIKA UCHIDA わたしもリングを愛用している SIRISIRI だったんです。どっちも雑誌広告を出稿しているなんて。見たの、初めてでした。

むむむ?何者?と調べてみたところ、なんと加藤さんは『TRANSIT』元編集長! 全然存じ上げませんでした… (わたしの直感を褒めたい笑)
読み進めるのが楽しみです。


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おもしろそう!と手に取った 西洋美術の入門書

  • 『感性でよむ西洋美術』 伊藤 亜紗

NHK出版の「学びのきほん」シリーズ。いろいろなテーマで出ているので、皆さまも書店で見かけたことがあるのでは。


年始に近所の本屋さんをパトロールしていて、西洋美術!しかも伊藤亜紗さん!!!と、即買いでした。

そこまでページ数も多くないし、文字も大きめで読みやすい上、特に「感性でよむ」ってところがポイントだと思いました。
時代と美術の歴史の流れをざっくりつかみつつ、どう違うのかを比べてみることで、なるほどー!となる一冊です。

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京都で京都にまつわる本を買う

  • 『一〇〇年生き抜く京都の老舗』 酒井 洋輔

  • 『小田嶋隆のコラムの向こう側』 小田嶋 隆

わたしは、わりと旅先でも本を買います。しかも結構しっかりした本を。

20代前半に出かけた、憧れのパリの蚤の市では、フランス語の『白雪姫』の本を買ってみたり、重いってわかってるのに展覧会図録を買わずにいられなかったり。

で、2月に京都へ滞在したとき、京都を中心に店舗展開している大垣書店に寄ったので、京都にまつわる本を探して買いました。

『一〇〇年生き抜く京都の老舗』は、その名の通り、京都の老舗が次から次へと登場します。

本文はインタビュー取材がベースで、1店舗ごとのボリュームもそこまで多くない上、するすると楽しく読めて、京都から東京駅までの約2時間でほぼ読み終えてしまいました。

さらっと書いていることもあるんですが、いろんなことが起こっても、しなやかに、続く・続けるって、本当にすごい。
この先も、京都に行く前に手にとっては読み返すだろうな、と思います。

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で、3月に京都へお邪魔したときは、こちらを。
味わうように読みました。こちらも何度も読み返すと思います。

ああぁぁ もう小田嶋さんのコラム、読めないんだなぁ。
TBSラジオ『たまむすび』も終わっちゃったしなぁ。淋しいなぁ。


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改めて読む、ヴァージル・アブローの言葉

  • 『ダイアローグ』

  • 『複雑なタイトルをここに』

どちらも、東京都現代美術館の中にあるショップ NADiff contemporaryナディッフ コンテンポラリーで見かけて買いました。

わたしは、コレクション雑誌で見たオートクチュールのファッションショーが、アートへの入口になったこともあり、ファッションデザイナーが紡ぐ言葉や著書にも、とても興味があります。

ヴァージル・アブローは、1980年アメリカ・イリノイ州生まれのファッションデザイナー。
土木工学や建築を学んだのち、2013年に自身のファッションブランド「オフ―ホワイト」を設立。
2018年にはルイ・ヴィトンのメンズウェア・アーティスティック・ディレクター、つまりメンズラインのデザイナーに就任しました。

Blackの方で初めてラグジュアリーブランドのデザイナーに就任する、という”歴史”を変えた人物です。


『ダイアローグ』は、アーティストのトム・サックスをはじめ、編集者やキュレーター、建築家などとの対談集。
『複雑なタイトルをここに』は、2017年10月にハーバード大学デザイン大学院で行った特別講義の模様を、当日のスライド写真も織り交ぜて編集した一冊です。

特に『複雑なタイトルをここに』の帯の言葉、”言葉は世界を動かす。”は、まさに彼の実感だったのだと思います。
どちらにも、彼がこれまで辿ってきた道、出会ってきた人、考え続けてきたことがちりばめられていて、何度も読みたい一冊です。

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ただ、本当に本当に残念ながら、ヴァージルはすでに泉下の人です。
2021年11月28日、心臓血管肉腫のため、41歳の若さで急逝しました。

ファッションやアートにとどまらず、広く多くの方の生き方に、気づきや発見、視点、アイデアをたくさん与えてくれたはず、と想像すると、本当に本当に残念です。

でも、ヴァージルが遺した対話の記録、学生へ向けた言葉たちを、こうして書籍として読めることが、本当にありがたいです。皆さまもぜひ。

ちなみにヴァージルの後任にはファレル・ウィリアムスが就いてます。
( この一報にも相当びっくりしました )

https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/magazine/articles/pharrell-williams

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フェルメールの作品へ”会いに行く”旅の記録

  • 『フェルメール』 植本 一子

2018年、上野の森美術館の「フェルメール展」が開催されたタイミングで発売された一冊です。
おそらく一読した後、ずーっと積ん読になっていたのですが、とあるイベントで、編集を手掛けた方のお話しを伺い、改めて手に取りました。

柔らかな光を写した植本さんの写真集であり、7カ国14都市17の美術館を巡る旅を追体験できるエッセイでもあり。
ぱらりぱらりと読みだすと止まらなくなる一冊です。


特にわたしが興味深かったのが、展示室の作品があるところから、少しだけ離れた位置から撮っている写真。

各ミュージアムの中の、どんな展示室に作品がどう置かれているのか。訪れた鑑賞者たちは、どんな風に作品を観ているのか、っていう視点で読むと発見があって、興味深かったです。
わたし自身、フェルメール作品が大好き!という訳ではないですが、単なる作家や作品解説とは違う、とても楽しい新しいアートの本、だと思いました。


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観に行った展覧会の図録いろいろ

・『リュイユ フィンランドのテキスタイル ートゥオマス・ソパネン・コレクション』

京都国立近代美術館で行われていた展覧会に行き、ミュージアムショップで購入しました。

とにかく好き。この図録を眺め、自分で撮った展示風景の写真を眺め、とにかく観に行けて本当に良かったなぁ、としみじみ思いました。

好きすぎて、音声でもお薦めしています。

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・『眼窩裏の火事』 諏訪 敦 
・『絵にしかできない』 諏訪 敦 + 大竹 昭子

府中市美術館で行われていた展覧会と、成山画廊での個展へ行きまして、美しすぎる図録の限定装幀版を成山画廊で購入しました。
美術館で買おうか迷った『絵にしかできない』も、やっぱり買おう!と。


わたしは、写実絵画の世界って、そーんなに興味を持って追いかけてこなかったため、今回の諏訪さんの個展も、正直、観に行こうか迷っていました。

が、会う人会う人、みんなが「行った方がいい」と、とにかく薦めるのと、選書イベントで登壇された森岡書店の森岡さんも、諏訪さんと『芸術新潮』で連載されていることもあって、「ぜひ!!!!」とのことだったので、慌てて府中へ出かけてきました。


大した予備知識もないまま、初めて作品を間近でじっくりと拝見しましたが、単なる写実絵画ではない、ということがよーくよーくわかりまして。

そこまで広くない展示室を、ぐるぐる3~4周してしまったほど、非常にセンセーショナルな鑑賞体験となりました。

展覧会は終わってしまいましたが、図録でぜひ!!!


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やっぱりおもしろい インターネットなき時代の古い雑誌

  • 『話の特集』昭和49年(1974年)6月号/10月号

表紙からして、斬新。 なんと、横尾忠則さんです!


九段下/竹橋の科学技術館で2月に開催されたアート&カルチャーのイベント「EAST EAST TOKYO」の会場で唯一買ったのが、この古い雑誌でした。

神保町にある、アートブックや図録、雑誌、写真集などを専門とする小宮山書店さんが出展していて、あれこれ手に取っている中で発見。

もちろん『話の特集』という雑誌名は存じ上げていたものの、ちゃんと読んだ記憶がなかったため、表紙をめくってびっくり。
目次に並ぶのは錚々たるお名前ばかり。写真も文章も、広告すら素敵すぎる。

記念の100号 表紙裏の浅田飴の広告も特別仕様に

なんだこれ、買ってちゃんと読みたい!と、特に気になった2冊を選びました。

『話の特集』の事務所があったのは、明治神宮前の交差点の一角に建っていたセントラルアパートの中。現在、東急プラザ表参道原宿が建っています。

裏表紙の広告も、なかなかですね


1980年代半ば~2000年代初頭あたりの雑誌文化で育ってきたわたしにとって、やっぱり紙の雑誌って、好きだなぁ、と思ってしまいます。

なので、なかなか処分できなくって… 涙
中学生の頃から休刊するまでずっと買っていた『Olive』、『TITLE』のスターバックス特集号やエアライン特集号、『CUT』に『spoon』、平林奈緒美さんがADだった頃の『GINZA』などなど。
『CUTIE』や『Zipper』もたくさんあったけど、趣味が変わって手放してしまったんですよね、でも持っていても良かったかもなぁ。。。

紙の雑誌たちは、いま改めてページをめくると、驚くこと、気づくことが本当にたくさんあるし、ほんの数十年でも、世の中の文化や、日常生活ががらっと大きく変わっているよなぁ、と実感します。

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老若男女を力強く支えるポッドキャスト本

  • 『OVER THE SUN 公式互助会本』

最後はこちら。
はい、アートと何の関係もありませんが、ぜひぜひお薦めさせてください。

ラジオが大好きなわたし。ポッドキャストも聴き続けているコンテンツがあるんですが、ラジオほど盛り上がらずに低空飛行だったかと存じます。


それがここ数年で、びっくりするくらいに人気になって!!!
ラジオ放送と変わらないクオリティ、むしろポッドキャストのほうが盛り上がってる?みたいな現象になっているように思うのは、わたしだけではないはず。

それもこれも、「COTEN RADIO」と、この「OVER THE SUN 」が多大なる貢献をしているから、だと分析しています(個人の感想です)。

え?何それ という方。
大変申し上げづらいですが、ちょっと、人生 損してるかもしれません。

とりあえず、ポッドキャストで「オーバーザサン」と検索して、聴いてください。どの回からでも構いません。ぜひ。

B&Bのイベント経由で 見事にサイン本を頂戴しました✨家宝!

もちろん、堀井美香さんのエッセイ『一旦、退社』も買いました!!!
次回、4~6月版のときにご紹介しますので、お楽しみに。

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近況をまとめにかえて


2023年も引き続き、良き本とたくさん出会っていけるよう、仕事と勉強の合間にしっかりと、本屋さんパトロールを続けていきます。

今回も、見事に6000字を超えてしまいましたが、お読みいただきありがとうございました✨
その他、本にまつわる記事を他にもいろいろと書いてます。ぜひ

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◎ 最近、実績とプロフィールを新しくしました。



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