患者さんの希望による減薬提案のためトレーシングレポートを活用した症例

10年以上前から、パニック障害治療のため心療内科通院されている患者さん。と同時に、片頭痛・高血圧・高脂血症などの治療のため別の内科にも通院されているのだが・・・・
この患者さんとのかかわりは約5年前から。その当時は、頭痛が頻繁にありほぼ毎日ロキソニン1~2錠服用。酷くなるのが不安なために、痛くなりそうと思うとすぐにロキソニン服用されていた。
そのため、下肢浮腫が出現したのかすでに利尿剤も併用されていた。
胸焼けや胃痛の訴えもありPPIも追加(胃カメラで逆流性食道炎と診断)となった。
ロキソニンによる胃障害と考えるが、この当時は心療内科よりSSRI処方され継続中であったため、NSAIDsとの併用で消化管出血リスクが上昇してたはず。だから・・・副作用出現しやすい状況だったと考えている。実際採血よりHb低下し鉄剤投与となったのだ。
これは~ ロキソニンによる処方カスケードの可能性が高い。
って事は~
ロキソニンの服用回数を減らさないと・・・
まずはそこからだと考えて毎回患者さんに、「服用続ける事で痛みの閾値が低下しだんだん服用回数増えてしまう。1日でも良いので控えてもらえたら・・・」と言い続けた。
それから数年後の現在、ロキソニン服用は1ヶ月で数回も服用するかしないかまでに減量できた。
あとNSAIDsの問題は輸入細動脈拡張を抑制してしまうので、利尿剤との併用でさらに腎虚血になる・・・なんとか避けねば・・・
ロキソニンの処方カスケードによるのだとしたら、必要ないし・・・
なので~
利尿剤中止してもらうために処方医にトレーシングレポートにて、
ロキソニンと利尿剤併用により腎血流低下しCKD進展リスク上昇する旨報告。結果~ 無事に利尿剤中止に至ったのだ。
しかも高血圧治療でARB服用継続されてるので、さらに腎血流低下リスク上昇するし、そもそもこの患者さんの水分摂取量が少なかった事による尿量低下の可能性高いと考えている。実際に水分摂取量を増やして(1000cc/日未満→1500cc/日)頂いた事で尿量は増え、浮腫も治まっている。

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