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酷暑の日々に。

夜半の雨が上がった早朝、久しぶりに
ノルディックウォーキングに出た。持病の腰痛と右足の
不具合で、しばらく休んでいたのだった。
日の出前から蒸し暑く、この夏の暑さはまことに
容赦がない。
体の調子も悪く、気持ちの有り様も良くなかった。
バイオリズムが悪いのかなあ。
心身ともにへこたれていたのだった。
善光寺の西にある湯福神社で,長野市の無事をお参りして、
箱清水を抜けて、上松の昌禅寺の前を通っていくと、
雨に濡れた木々の緑が艶やかに輝いている。
深々とした夏の緑を、もっと明るい気持ちで眺めたいもの
だった。
先日、飲み仲間のかたが二人、続けざまに頸椎の手術を
した。
二人とも、手の動きが重くなり手術を受けたと
いうのだった。二人とも専門のお医者のいる遠くの病院で、
手術をして入院していたという。久しぶりの宴の席で
お会いしたら、ひとりはまだ首にコルセットをして
いて、手の動きが鈍く箸を使えない。
酒の肴をフォークを使って食べていた。もう一人のかたも、
シャツの襟から覗く傷跡がなんとも痛々しかった。
九年前、右手が動かなくなったことがある。
ある朝起きたら、右手にまったく力が入らない。
ひと様の髪を切って生計を立てているから、
手が動かないと生きていけない。慌てて近所のお医者に
飛んで行ったら、うーん、どうしたんだろうねと困った
顔をする。整形外科に行くよう促され、お医者を出た
その足で、友だちの営む整骨院に駆け込んだ。
それから毎日、右手のツボに針を打って電気を流して
マッサージをしてもらった。
二か月間通い続けて動くようになったときは、心底安堵
した。両親や友だちにも随分心配をかけてしまい、
あの時は、ほんとに申し訳ないことだった。
手は動くようになったものの、以前に比べて握力が少し
落ちてしまった。仕事に差し支えるときがあり、
ときどき困るものの、動いてくれるだけマシと諦めている。
歳を重ねて、体のあちこちが若い時と変わっている。
実際、この夏の異常な暑さに、体がバテ気味になっている。
なんとかやり過ごしたいものだった。

落武者のようにへたれる酷暑かな。







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