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<オランダ学校視察>

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記事一覧

「視察に来てくれてありがとう」

こんにちは!3月の終わりにオランダの学校視察ツアーが終わり、今はお世話になった視察先の先生たちに、個々の学校を視察した際のフィードバックを添えて、改めて視察のお礼を伝えています。 その中で、校長や先生たちから、 「私たちの学校に視察に来てくれてありがとう」 というメッセージをもらっています。 「情報が欲しい」という傲慢な視察以前、日本からオランダにあるイエナプランの小学校に視察に来た方たちのスタンスについて「思うところがあった」と打ち明けてくれた校長先生のことを記事にしま

"手放すのではなく、別のかたちで抱きしめ続ける場所"を訪れて

こんにちは!5月に入り少しずつ寒さが和らいできたオランダです。 先日、長期休暇前のことでした。知人(Hさん)のお子さんが自閉症や障がい者の方々が入居できる施設に引っ越されたと聞き「是非、いらしてみませんか?」とお誘いを受け、施設にお邪魔してきました。 10年かけて遂に完成したというこの施設。とても素敵な場所でした。私が日本の大学で教育実習の際に訪れた作業所やそれに付随する施設とは全く違うものでした。そして、その裏側にあるストーリーや人々の主体性と行動力に圧倒され、帰り道に涙

「燃え尽きる先生」を生み出しにくくする学校づくり

こんにちは! 日本もどんどん寒くなってきているというこの季節、ついにオランダも寒くなってきました…オランダでは資源不足から、ガスの価格が去年の2倍になるとかならないとか…風邪の諸症状があれば子どもは学校を休まなくてはいけないし、ガスの価格は上がるらしいし…と板挟みに苦しんでいます。笑 さて、そんな中、この時期に予定していた学校視察が軒並みキャンセルに。というのも、オランダでは今コロナの感染者数が爆発的に増え、今日の夜にも政府がでコロナ規制を”もっと”強くするぞ!という発表を

「教職員に恋愛する時間はありますか?」校長先生からのストレートな質問

こんにちは! オランダで学校視察を繰り返し、様々な教育を行っている小学校や中高一貫校を訪れています。子どもたちや生徒たちが学校生活を送る様子を見学させてもらったり、主に校長先生にインタビューをしています。 初めて出会い、話をした人と「人生とは?」ということについて話ができる。私はオランダのそんなところが大好きです。少なくとも私がこれまで訪れた学校の校長先生と人生観や大切にしている哲学について話せなかったことは一度もありません。 「そういったプライベートなことはちょっと.

35歳の学校長が学生から校長になるまで

このマガジンでは、35歳の現在2年目の小学校校長にインタビュー内容を紹介しています。 何がしたいかわからなかった16歳の時の自分この小学校で働くJoshさん(仮名)は16歳の時にVMBOの卒業を間近にひかえていました。 補足しておくと、VMBOとは小学校卒業後に進学する中学校+高校(4年間)のような学校で、一般的には12歳〜16歳までを過ごします。VMBOのイメージとしては「あまり座学の勉強が得意ではない生徒が行く学校」というところでしょうか。Joshさんはやがて16歳に

「教育×行政×企業」の力でサイエンス&テクノロジー教育を活発化 Technolab訪問

こんにちは! この記事では先日訪問させていただいたLeidenにあるTechnolabについてご紹介します。 Technolabではサイエンス&テクノロジーのワークショップを子どもたちに向けて行っています。時に学校へ出向いて出張授業として行ったり、学校側からTechnolabを訪問してもらってワークショップを行うこともあるそうです。また、週末や夏休みなどの長期休暇には、一般向けのワークショップなども開催しています。 Technolabという場所Technolabが設立さ

Dalton小学校視察記録:「学校というチーム」の"リーダー"として心がけていること

このマガジンでは、オランダにあるDalton小学校を学校見学させていただいた時のことをまとめています。 今回インタビューさせていただいたのは、去年の8月から公募校長制度を利用してこの学校長に着任したアネットさんです。 この記事では、アネットさんが民間人校長としてどのように教職員のリーダーとして働いているのか、どういった哲学をお持ちなのかをご紹介します。 裁量権の大きいオランダの校長オランダの校長先生は日本に比べて裁量権が大きいと言われ、名ばかりの「学校経営」ではなく、本

Dalton小学校視察記録:Dalton教育で見た「サイコロ」の役割

このマガジンでは、オランダにあるDalton小学校を学校見学させていただいた時のことをまとめています。 今回は学校施設を見学させていただいた中で、校長先生に教えていただいたDalton教育のこと、そして私が見て感じたDalton教育についてお伝えします。 \ 最初の記事はこちらからどうぞ / \ 前回の記事はこちらからどうぞ / 4人1グループに配置されたクラスと、そうでないクラス最初に訪れた教室はGroep5、日本で言う小学校3年生が在籍する教室でした。そこで、放課

Dalton教育と学校施設見学<その2>

このマガジンでは、オランダにあるDalton小学校を学校見学させていただいた時のことをまとめています。 今回は学校施設を見学させていただいた中で、校長先生に教えていただいたDalton教育のこと、そして私が見て感じたDalton教育についてお伝えします。 \ 前回の記事はこちらからどうぞ / 「遊び」からも学ぶ、4歳と5歳混合の異年齢クラスオランダにおいて多くの子どもたちは4歳から小学校に通います。義務教育は5歳からで、5歳から小学校に入ることも可能です。イメージとして

Dalton教育と学校施設見学<その1>

このマガジンでは、オランダにあるDalton小学校を学校見学させていただいた時のことをまとめています。 今回は学校施設を見学させていただいた中で、校長先生に教えていただいたDalton教育のこと、そして私が見て感じたDalton教育についてお伝えします。 Dalton教育のはじまりDalton教育は、日本語では「ドルトン(プラン)教育」や「ダルトン(プラン)教育」と呼ばれる教育で、今から100年前ほどにアメリカで生まれたそうです。オランダにあるDalton小学校はそこまで

Dalton小学校視察記録:校長1年目、何故公募制校長に立候補したのか

このマガジンでは、オランダにあるDalton小学校を学校見学させていただいた時のことをまとめています。 今回インタビューさせていただいたのは、去年の8月から公募校長制度を利用してこの学校長に着任したアネットさんです。 この記事では、何故アネットさんが一般企業から小学校の校長へキャリアをスイッチさせたのか。どのようにしてこのDalton小学校の学校長になったのかをご紹介します。 教員養成大学を卒業してから、教員経験をすることなく約30年今回インタビューをさせていただいたア

無礼な日本人による学校視察と消費マインド

前回「3月の視察終わりました〜!」という記事を書いた直後に何ですが…今回の視察を通して、一部のオランダの先生たちの中に「日本人って無礼よね…」という(私としては)ショッキングな感覚があったというのを知ったので、それについて書きたいと思います。 同じ日本人とはいえ、他人がしたことです。でも、視察先の先生たちもどこかでステレオタイプ的に「日本人って…」と思ってしまっていたら、それはとても残念なことです。ワールドカップで会場を掃除するのも日本人であるけれど、別の場所で残念な行動を

3月の学校視察ツアーが終了しました!

こんにちは!約7日間に渡ってオランダを歩き、5日間連続で全く異なる種類の小学校をめぐるというツアーが終了しました。毎度そうですが、私は今燃え尽きております。笑 無事、皆さんと学校を巡れたこと、日本帰国組の皆さんがちゃんと日本に着くことができたと聞いて、ほっと胸を撫で下ろしております… 今回のツアーで私自身が感じたことを一言でまとめると、 「教育を考えるとき、教育だけでは足りない」 というものでした。社会にいる全ての大人が、そういう視点を持って社会を動かしていく。「教育

車椅子のたいちゃんと一緒にオランダを巡ったら

こんにちは!秋も深まるこの季節、Facebookから流れてくる京都(私の生まれ故郷)の紅葉を見る度に「京都に帰りてぇえぇえぇ〜!」と叫んでいる私です。笑 やっぱり、日本って最高ですよね…自分の心のふるさとは日本にある…!! さて、約2週間前、日本からオランダにゲストがやってきました。 その名も「たいちゃん」、高橋平さんです。このたいちゃんの野望である「オランダで障がい者スポーツを見て、日本の障がい者スポーツに貢献したい!」というのを全力でサポートされたのが、オランダ(しか