雨も土もすべてが教材！森が教室になる『森のようちえん』の秘密

　6月となり、保育者との信頼関係が少しずつ深まりはじめた子どもたち。笑顔が増え、私たち保育者も日々の成長を喜びとともに見守っています。

「森のようちえん」の取り組み

当園の大切な活動である「森のようちえん」では、3歳以上の子どもたちを中心に、年数回、市内の森で過ごす特別な時間を設けています。朝から午後まで、自然の中でゆっくりと過ごすこの時間は、子どもたちだけでなく、保育者にとっても豊かで癒されるひとときです。

自然を教材にした学び

保護者の皆さまにもいくつかのイベントで体感いただいているかと思いますが、水・土・火・花・雨・生き物など、多様な「自然」を教材として学ぶ時間を大切にしています。人工的な環境ではなく、自然の中で遊ぶことで、子どもたちは普段以上に集中し、探究心を発揮します。

さらに、職員は五感を刺激する工夫を随所に凝らし、発見を楽しめるような仕掛けを準備しています。大人にとっても、自然の中で「普段使っていない頭の扉」が開かれるような感覚を味わう場となっています。

自然が育む創造力と優しさ

先日、ロボットが食事を運ぶレストランで娘が「人間のお仕事なくなっちゃうね…」とつぶやいた一言にハッとさせられました。時代が進化する中で、人間にはよりクリエイティブな発想力や創造力が求められています。私は、自然にはそのような力を育む可能性が秘められていると信じています。

また、花の苗を抜いてしまった園児たちがいたため、新しい苗を一緒に植え替える活動を行いました。この体験を通じて、子どもたちは自然も命であることを学びました。今では誰も見ていないときでも、じょうろで水をやる姿が見られるようになり、子どもたちの優しさや愛情が育まれていると感じています。

雨の日も楽しむ子どもたち

雨の季節には園庭にカラフルな傘と傘立てを用意し、「雨が降れば、これで園庭で過ごしていいよ」とルールを伝えました。すると子どもたちは「雨、雨、降れ、降れ」と踊り出し、どんよりとした天気も楽しんでしまうのです。子どもたちはまさに楽しむ天才です。

子どもたちの成長を見守る中で、私たち保育者自身も自然から多くのことを学んでいます。これからも子どもたちとともに、自然を楽しみ、学び合いながら、成長していきましょう。