見出し画像

幸せの基準を変えてみる“幸福度世界一”フィンランド文化から学ぶ暮らしの本質


先日は佐賀県主催で、フィンランド在住でマリメッコのテキスタイルデザイナー島塚絵里さんを招いて、講演会とクロストークを当園で開催。

島塚さんが出版されている絵本「しずかなところはどこにある?」の読み聞かせも。

『しずかなところはどこにある?』(岩波書店)

大きな音が苦手なキツネが、しずかな場所を見つけ、同じような感覚を持つ友達を助けるお話。それぞれの個性を尊重する文化を感じられるフィンランドらしい絵本。

当園の調理師によるシナモンロールとフィンランド珈琲&チョコで、職員と職員の子どもがおもてなし。

島塚さんの話を聞きながら、私自身、感じたことを書き留めておきたいと思います。

フィンランド文化と幸福度向上

フィンランドでは、多くの人が16時を過ぎると仕事を終え、家族や趣味の時間を大切にし、さらに、有給休暇は夏期に連続2週間、冬期に連続1週間取得することが義務づけられていて、こうしたルールが社会全体で徹底されているとのこと。フィンランドの幸福度の高さに寄与しているのだと思います。

「社会全体、国全体が、家族との時間や、プライベートの旅行、長期休暇などを大切にしようという文化があります」(島塚さん)

日本との違いはどこにある?

日本とは、幸福の基準、定義そのものが異なるのかもしれません。個人的な意見としては、日本は比較的、競争や達成感、何かをする喜びといったアドレナリン的な刺激を「幸福」と捉える傾向があるように思います。

例えば、都道府県魅力度ランキングを見ると、観光地である沖縄や北海道が上位を占める一方、私の地元である佐賀県はワースト1に位置しています。(笑)

しかし、田舎にはフィンランドの幸福の秘訣とされる自然や綺麗な空気、水は豊富に存在します。混雑のない食事や買い物環境も、佐賀の魅力だと思っています。しかし、日本ではそれが魅力として評価されることは少ない。
要は、「何もない」が評価されることはありません。

「日本はまだまだ田舎の魅力、自然の魅力に気づいていないのかもしれませんね」(島塚さん)

競争社会と「足るを知る」精神

フィンランドでは「足るを知る」という考え方が根付いているように感じられます。「今の現状に満足する」「感謝する」、「何もない日常こそが幸せ」という考え方です。ちなみに、オリンピックのメダル数も少ないようです。競争や結果よりも、自分たちが心地よく過ごせる環境を優先しているからではないかな。

「穏やかな時間、家族との時間、自然、日常、余白などをとても大切にしていて、小さなな幸せ、喜びを感じる感度がフィンランドン人は高いと思います」(島塚さん)

子どもの声が示す幸福のヒント

幸福を考えるとき、子どもの声に耳を傾けることの大切さに気付かされます。日本でも子どもたちはシンプルに、「お父さんやお母さんと一緒に過ごしたい」「人との関わりを持ちたい」と感じています。そんなシンプルな欲求を大切にして応えていくことが、家族や社会全体の幸福度を高める鍵になるのではないでしょうか。フィンランドは「社会に必要なことはすぐに変える」「人が幸せになるために必要な社会にする」いう理念に基づき、ベンチャー企業なみのスピードをもって国が変化していくことを感じるそうです。シンプルに必要なことをシンプルにやる。シンプルに幸せを感じることを社会の仕組にしていこうぜ。そんな文化が幸福度を向上させていくのだと思います。

「日本よりも国の規模が小さいことも要因だと思いますが、これはいいと感じたものはすぐに社会の制度として取り入れられたりと変化のスピードが早く感じます」(島塚さん)

フィンランド文化から学べること

「競争」や「達成感」だけでなく、自然の中で穏やかに過ごす時間や、家族との時間、家にいる時間など、「特別ではない何気ない普通の日常」を私たちにとっての新たな幸福の基準にしていくことで、日本の幸福度の向上につながっていくのではないでしょうか。

「少し不便と感じるような環境、日々の暮らしを大切にできるフィンランド人」(島塚さん)

保育園が企画する北欧教育視察ツアー

2025年8月に、フィンランド&デンマークに行く教育保育視察ツアーを当園で企画中。そちらはまた、次の機会に話します。


いいなと思ったら応援しよう!