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アメリカは動画配信サービスの市場拡大が止まった?

Leichtman Research Group(LRG)によると、Netflix、Amazon Prime Video、Huluの3大SVODは、米国の世帯の78%が契約しており、その割合は2020年の調査と横ばいであることがわかりました。また、これらのビッグ3サービスのいずれかを毎日利用していると回答した米国の世帯は、昨年の40%に比べて41%とあまり変わりませんでした。ちなみに2016年は24%、2019年は33%でした。

この夏、米国の成人消費者2,000人を対象に実施した最新の「Emerging Video Services 2021」レポートによると、ビッグ3のSVODを複数利用していると答えた回答者は、2020年の55%から今年は58%に増加しました。

しかし、これまでトップ3のSVODが毎年続けてきた大きな成長(例えば、2016年の普及率は59%に過ぎなかった)は、ひとまず終わりを告げたと言えるかもしれません。Netflixが第2四半期に米国の加入者数を40万人減少させたと発表したことも、その裏付けになるでしょう。

NEXTTVの記事によると、LRGの主席アナリストであるBruce Leichtmanは電子メールのやり取りの中で、Disney Plus(米国の加入者数は約3,800万人でHuluに次ぐ規模)とHBO Maxが加わることで、米国のSVOD全体の導入率は2%増加し80%になると指摘しています。つまり既に他のSVODサービスを使っている人が多く契約していると言えます。

また、Netflix、Amazon、Hulu、Disney Plus、HBO Maxの下位に位置する9つのSVODサービスを加えても、全体の普及率はさらに2%増の82%にとどまったとLeichtman氏。さらに下記のように述べています。

SVODサービスを利用している世帯の割合は2021年も安定しており、これらのサービスのいずれかを毎日利用している世帯も、昨年のコロナウイルスの大流行により増加した後、横ばいになっています。主要なSVODサービスを利用している世帯の幅は昨年と同様ですが、上位のSVODサービスを複数利用している世帯は引き続き拡大しています。また、11の追加ストリーミングビデオサービスを含め、27%の世帯が5つ以上のSVODまたはDTCサービスを利用していると回答しました。

アメリカでSVODに加入している世帯は、これまで以上に多くのサービスを利用しており、53%が3つ以上のサービスを利用しています。拡大が止まりサービスが乱立する中、今後は契約者の奪い合いがさらに激しくなりそうです。

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