見出し画像

サブスク”解約と再契約”を繰り返す若い世代:米調査

コンサルティング会社のデロイトが最新調査「Digital Media Trends」を発表しました。それによると、米国では、ミレニアル世代の約半数(47%)とZ世代の34%が、1年以内に同じストリーミングビデオサービスを解約し、その後再契約していることがわかりました。またGen Xでは過去1年間に25%がを行ったと回答しており、団塊世代(6%)と成熟世代(3%)ではさらに低い割合となっています。デロイトはこの行動を”Churn & Return"と提唱しました。ちなみに世代呼称の年齢は下記となっています。

画像1

Varietyによるとデロイトの米国テクノロジー・メディア・テレコム分野のリーダーであるケビン・ウェストコットは、若年層の解約・返品率が比較的高いことはSVODプロバイダーは解約率を最小限に抑えるために、ソーシャルビデオとソーシャルゲームの両方を含む成長戦略を策定する必要があるとのこと。例えばNetflixは、SVODサービスにビデオゲームをバンドルして拡大する取り組みを開始し最近では、最初のゲーム会社であるNight School Studioを買収しています。

またウェストコットは、ストリーミング・ビデオの勢いは今後も衰えることはないでしょうが、これらの企業は、さまざまな市場の多様なセグメントにおける解約と維持に対処する必要があると指摘しています。

そして米国におけるSVODサービスの6ヵ月間の解約率はパンデミックの期間中平均して36%〜38%の間で安定していました。SVODサービスをやめた理由の第1位は「価格」、第2位は「契約していた特定の番組を見終わったから」でした。

この他調査結果から気になったデータをご紹介します。

Gen Zはビデオファーストではない

画像2

回答者の57%は、家でテレビや映画を観ることを、16のエンタテインメント活動の中でトップ3に挙げています。ミレニアル世代、Gen X、ブーマー世代では、この項目がトップでした。しかし、ジェネレーションZに目を向けると「ビデオゲームをする」が26%で、「音楽を聴く」(14%)、「インターネットを見る」(12%)、「ソーシャルプラットフォームに参加する」(11%)と続きました。家でテレビや映画を見るのが好きだと答えたGen Zは、わずか10%でした。


世代で正反対のニュースの知り方

画像3

Pew Research Centerの最近の調査によると、米国の成人の34%がソーシャルメディアからニュースを定期的に入手しているとのことでしたが、今回の調査では、ジェネレーションZの2分の1がニュースを入手する方法としてソーシャルメディアを第1位に挙げ、ネットワークやケーブルテレビからのニュースを選択したのはわずか12%でした。一方、団塊の世代はその逆で、58%が地上波やケーブルテレビでニュースを見たいと答え、ソーシャルメディアでニュースを見たいと答えたのはわずか8%でした。


動画配信での広告はいいけど音楽では嫌

画像4

ストリーミングビデオでは、広告のないサービスに月額12ドルを支払うことを希望する回答者が40%であるのに対し、1時間あたり12分の広告が表示される無料サービスを希望する回答者は39%であることがわかりました。広告なしのサービスに対する要望は、若い世代ではさらに高くなっています。Z世代の48%、ミレニアル世代の46%が、お金を払ってでもストリーミングビデオサービスの広告を避けたいと考えています。

一方で音楽サービスの場合は、あまり寛容ではありません。全体では、45%の回答者が、音楽ストリーミングサービスに広告が表示されるくらいならお金を払うと答えています。ミレニアル世代では、67%が「むしろ支払う」と答えました。さらに、全消費者の61%が、無料の音楽ストリーミングサービスで広告が表示されている間は使用をやめると回答しており、エンゲージメントがより難しくなっています。


動画配信と音楽配信でここまで広告に対する意識が異なるのは興味深いです。その他の詳しいレポートについては、下記デロイトのホームページをご覧ください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?