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太宰治を読む。

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個人の読書感想文であるが、マガジンをきっかけに「太宰治の作品を読んでみたい」と思ってくれる方が1人でも現れたら、私にとってはこの上ない喜びである。
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#ライフスタイル

「太宰治を読む前に」【5/11執筆】

太宰治の作品は、中学授業時に学んだ「走れメロス」を除き、大学入学後から読み始め、直近で何…

なおきち
3年前
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太宰治の『ロマネスク』に関する2つの疑問と考察

はじめに今回「ロマネスク」を選んだ理由は、はじめて読んだあと、資料や解説を読んだ上でも、…

なおきち
3年前
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太宰治を読む。まとめ。【7/23更新】

「太宰治を読む前に」【5/11執筆】太宰治の作品は、中学授業時に学んだ「走れメロス」を除き…

なおきち
4年前
8

「お伽草紙 太宰治」【7/14執筆】

↑青空文庫なので0円で読めます、オススメ  「舌切雀」 原作をほとんど知らない状況で読ん…

なおきち
3年前
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「竹青 太宰治」【6/30執筆】

↑青空文庫なので0円で読めます、オススメ 結末に「自註。これは、創作である。支那のひとた…

なおきち
3年前
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「清貧譚 太宰治」【6/23執筆】

↑青空文庫なので0円で読めます、オススメ 「以下に記すのは、かの聊斎志異の中の一篇である…

なおきち
3年前
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「走れメロス 太宰治」【6/16執筆】

↑青空文庫なので0円で読めます、オススメ 「メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。」の有名な冒頭部分から始まり、「どうか、わしの願いを聞き入れて、おまえらの仲間の一人にしてほしい。」の王様の発言で終わる。 主人公たちの正義的な働きかけによって、悪役が最後には心を改めるという、物語としてはテンプレートのような起承転結である。 どこにでもありふれたストーリーであるにもかかわらず、心を動かされるのは何故だろうか。 それはやはり、メロスの奔走

「駈込み訴え 太宰治」【6/9執筆】

↑青空文庫なので0円で読めます、オススメ 「私はあの人を愛している。あの人が死ねば、私も…

なおきち
3年前
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「地球図 太宰治」【6/2執筆】

↑青空文庫なので0円で読めます、オススメ 「シロオテ」が「シドッチ」を指すということは、…

なおきち
3年前
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「めくら草紙 太宰治」【6/1執筆】

↑青空文庫なので0円で読めます、オススメ 「めくら草紙」は、「列車」と「玩具」同様、『晩…

なおきち
3年前
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「玩具 太宰治」【5/30執筆】

↑青空文庫なので0円で読めます、オススメ これまた不思議な短編小説である。 「私は書きた…

なおきち
3年前
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「逆行 太宰治」【5/29執筆】

↑青空文庫なので0円で読めます、オススメ 太宰治の「逆行」を読んだ。タイトルが謎である。 …

なおきち
3年前
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「列車 太宰治」【5/27執筆】

↑青空文庫なので0円で読めます、オススメ この作品もまた太宰治と切り離して考えることは、…

なおきち
3年前
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「ロマネスク 太宰治」【5/26執筆】

↑青空文庫なので0円で読めます、オススメ 「ロマネスク」が面白いのは、仙術太郎、喧嘩次郎兵衛、嘘の三郎、それぞれ三者三様の形式で、「比類なき才能は、絶大な能力とともに、またその大きな責任をも伴う」という結末に達する点であろう。 しかも、それぞれの話が完結しているかのように見せかけて、最終的に3人が一堂に会する場面は興奮を抑えきれない。 仙術太郎、喧嘩次郎兵衛、嘘の三郎の3人が引き起こす事の顛末を見届けた私にとって、その3人が同じ場所で酒を酌み交わす場面は、まるで「時代と