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プロアスリートとユーチューバーへの期待値

ブランドがアスリートをサポートをする理由

今回の記事は記念すべき?「スポーツとビジネスの交差点」の第一回目の投稿です。そこで、まずは、別のマガジンとして私が運営している「#みんなのブランディング」から反響のあったあったスポーツ関連の記事をリライトしてお届けしようと思います。このテーマを書いたきっかけは先日ネットで掲載されていた話題について、ブランド側としてビジネスを実践してきた私としては思うところがあり、私の考え方も含めて書いてみたいと思ったことでした。先日の文春オンラインの記事で書かれているのは、スポーツ用具メーカーがプロサッカー選手にサポートするよりはユーチューバーにサポートをするようになっている、という趣旨のものでした。

詳しくはこちらをご覧ください。
https://bunshun.jp/articles/-/49559

文春オンラインより

この事例は私自身がブランド側にいる感覚からすると当然の流れです。その競技に打ち込んでプロフェッショナルとして生きていれば、用具は当然支給されて然るべし、という感覚はもはや通用しません。今回はブランドにとってのインフルエンサーはどのような人が的確なのか、ということについて書き進めていこうと思います。
ご紹介した記事にも書いてありましたが、現役のプロサッカー選手が長らく使っていた用具メーカーから契約を打ち切られる、しかも、まだ現役で活躍しているのに、ということは今後も発生していくと思われます。なぜならば、スポーツが商業化して大きくなっていった過程で出来上がってきたスポーツマーケティング、スポーツブランディングのあり方が変わりつつあるからです。かつては、有名選手やトップ選手に用具を提供していれば、そのブランドの商品は売れていきましたので、ブランドにとっては理にかなっていたのです。

変わりつつあるアスリートに求められる姿

ところが、その形が当たり前になった今、物品の購入者であるアマチュア選手はプロ選手が使っているからといってその用具を買うでしょうか?また、多くの人たちがSNSを通じて情報を発信できるパワーを持っている今、用具メーカーからのサポートはプロ選手として当たり前のことなのでしょうか。プロ選手によっては用具のブランドだけを義務的に紹介するだけ(ならまだしも、ほとんど紹介しない選手もいます)の人も多くいるので、いくらファンだからといって、その商品の名前をわざわざネットで調べていく、ということは考えにくい。
プロ選手にとってみれば、単なる用具にしか過ぎないからでしょう。思いれもなければ、特徴を把握しているわけでもない。契約金のために紹介しているだけ、ということをアマチュア選手はわかってしまっているのです。
かつてはプロ選手が履いているスパイクを憧れて買っていた、というのは事実だし、今もあるかもしれません。しかし、今のアスリートに求めているのはすでに変わりつつあるのだと思います。大切なことは、

競技を通じて何を提供しようとしているのか、何を伝えようとしているのか

です。プロアスリートとはその競技を通じて生計を立てているわけで、その活動に価値がないといけません。価値は社会に求められることでこそ発生するものです。

ユーチューバーをサポートする理由

文春オンラインの記事では、比較としてユーチューバーが用具メーカーからサポートを受けている、という内容が書かれています。実際に紹介されているユーチューバーのチャネルをご覧いただければわかりますが、ブランド側としてはこちらにサポートする方が理にかなっています。
ユーチューバーはその映像を通じて何を提供したいのか、何を伝えようとしているのか、がかなり明確です。プロ選手よりは競技そのものでは技術的に劣るかもしれませんが、社会を惹きつけるだけの力はプロ選手よりも上なのです。
ブランド側がプロ選手よりユーチューバーを選ぶのには理由があります。今回の記事を通じて、特にブランド(特にスポーツブランド)として注意しなくてはならないのは、旧来のサポート施策が惰性で続けてきていないかをチェックし、ブランドとしてのメッセージを正しく伝えられているか、という点を丁寧に分析しながら、インフルエンサーとの会話を通じて改善していかなければならないことです。

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