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【最終回】留学先で気にかけてくれた韓国人の女子友達と一日遊んだ話④ 〜ショッピングモール編〜

結局のところ、目星のものは見つからず街の中心外にある大きなショッピングモールに行くことになった。シドニーの街には割といろんなお店が並んでるので結構好きな場所だったりする。Microsoftのお店、Apple Store、Rebel、ティファニー、ルイ・ヴィトンなどなど。あとストリートパフォーマンスも定期的にやってたりするので、たまに一人で行くこともある。

前回の美術館、ウィンドウショッピングの買い物の続きになります。今回はPart④

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街にはついたものの、やっぱり休日だけあってか死ぬほど人が多い。シドニーは500万人が暮らしてる街、正直ほとんど毎日人が過集中してる。そんな感じでしばらく一緒に歩いていると、ずっと歩いてちょっと疲れてきたこともあってか休憩することになった。

ショッピングモールでの出来事

一旦Westfield Sydney Shopping Centreというショッピングモールで休憩することになった。時間も2時ごろ、お昼休憩も入れることにした。朝10時に会ってから、もはや一緒に過ごして4時間くらい経ってる。プレゼントを渡して美術館行ったら解散しようと思っていたのが、思った以上に続いてしまった。

居心地は悪くなかったが、一緒に過ごすことと遊ぶことに飽きてきた。とりあえずトイレ休憩も兼ねてお昼を頼むことに。その子もトイレに行くと言ったきり、10分くらいは戻ってこなかった。もしかして飽きて帰っちゃったのかな? と不安に駆られたものの、とりあえずは待つことにした。

彼女がトイレから戻ってきて「ごめん」と言ったけど、特に追及はせず「お腹すいてる?」と聞かれたので「少しは空いてるかな」と僕。彼女はあまり空腹じゃないらしい。

いつも気にかけてくれるので、異性と言うよりほんとに実姉みたいだなと感じるくらい安心感を抱く。なんかもはや、姉とショッピングに来てる感覚に陥ってしまった。実際に彼女、弟がいるというのも頷ける。

そのショッピングモールは割となんでも揃っていて、イタリア料理店だったり、日本のお寿司屋さん、あとはカフェがあった。流石に疲れてることもあって、注文を決めるのに時間もかかったのだけど、とりあえず野菜サラダを買った。

その子が注文を頼むまでに席を見つけることにした。ほんとはパスタを食べたかったけど、食べるのに時間がかかることもあって我慢。

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心を開いてないことに気づかれる

席で野菜サラダを食べてるとき、しばらく僕が無言で食べてたせいか、疲れてたせいかあまり話さなかった。どんな会話の流れだったかは忘れたけど、僕の様子を見た突然韓国の子が「人と話すの好き??」と質問してきた。本来ならうまく交わすものの、とっさに不意をつかれ正直に答えてしまった。

僕はちょっと戸惑ってから「あまり人と話すの好きじゃないんだよね・・・」「もとからこういう性格なんだけど、ここ最近変えようとは思ってる、時間がかかるんだ。」

その子「たしかに話していて頑張ってコミュニケーションを取ろうとしてる感じはした」

しばらくして、僕の目を真っ直ぐ見てから「あなたが心を開いてくれるのをわたしは待ってる (I’m waiting you until you open mind…)」とまっすぐした眼差しで言ってきた。なんか申し訳ない気持ちになったので、ここからは頑張って真摯にいろいろ考えて答える姿勢に変えることにした。

その子「高校生の頃、友達とかいたの?」

僕「地元で仲の良い幼馴染は数人いたよ。そんなに友達は多くなかったかな。長い付き合いの親友が数人いるだけ。」

急になんだと思ったけど、韓国の人は割と思ったことを包み隠さず言うのでそういうものだと思った。

Part①にも書いたけど、僕はあまり人をすぐに信用したり、弱いところを見せないように心がけてる。

しばらく経ってからコミュニケーションのことを話題にしてたら、その子が突然「もしコミュニケーションの練習したかったら、韓国にいるわたしに電話かけくれれば、話す練習付き合うよ」なんて言ってくれた。完全な熱いフォローに泣きそうになってしまいながらも、コミュニケーションのコツを聞いてみることにした。

その子「話すときどんなことが苦手なの?」と聞いてきたので、僕は「口にする前に”相手にとって失礼か礼儀正しいか”考えちゃうんだよね」と正直に伝えてみた。

そのあと明るくなったように「あー、思ったことは正直に伝えたら良いよ。たとえば友達となにか買い物してたらこの色良いね、みたいな感じで思ったことを迷わず伝える感じ」と答えてくれた。

でも攻撃してくる人もいるじゃんと内心思った人間不信な僕。

【まさかの爆弾発言】ショッピングモールでのひと時

そしてしばらく経った後、気にする素振りもなく「彼女とかはいままでいたの? (Have you had girlfriends?)」とその子が聞いてきた。あの子の表情はなんというか、心配してるような弟を見るような目をしてる。どういう意図で聞いてきたのかは大体分かった。さっきコミュニケーションが苦手といったこともあって、いないと推測したのだろう。

ある意味爆弾が投下された瞬間だった。

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さてどうしよう。さすがにここで「いままで彼女居たことありません (彼女いない歴 = 年齢です)」なんて言うとプライドと男としての価値が一気に下がるのが明確に見える。そう思ったけど事実は言うようにした。

実を言うと小4くらいのころ実際にいて、しょっちゅう喧嘩してた。その子とは同じクラスになる前に、運動会でたまたま近くの席に居たことがキッカケで出会う。割とはっきりしてるタイプで僕にいろいろ言ってくるのがうざくて、よく言い合うことも多い。争っている姿を見て、友達の一人に「夫婦喧嘩だ」とかモテるクラスメイトに「付き合ってんの?」みたいに軽くあしらわれた事もある。

ある日、本当にくだらないケンカで絶交寸前まで向かった。その頃アナ雪が流行っていて、その子に「なおきって『アナと雪の女王』のBlue-ray持ってるの?」みたいなことを聞かれた。なんかストーリーの内容をしっかり覚えてないとかで、疑いをかけられてしまった。それなりに可愛い子ではあったと思うけど、だんだんと鬱陶しくなってきて、たぶん小5くらいでその子とは距離を置くことにした。
それからは小6になってもただのクラスメイトに戻ってしまった。

興味なければ読み飛ばしてください。

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僕も流石にイラッとしたので逆に聞き返してみた。普段だったら、しない。けど、ちょっと報復したくなって「あなたはどう? 過去に彼氏とかいたの?」と聞いてみた。

そういうと自然に「中学のときに一人だけ居たよ」みたいな話になった。いやマジかよ、まさかの事実。おお、やるじゃんと思いつつ、話を聞くと同じ学校で会ったとのこと。

結局別れてしまったみたいだけど、いま考えると”今はいない”という暗黙の回答のようだ….。でも初回でも言ったとおり、僕はその韓国人に興味とか恋愛感情はなかったので特に何か言ったりはしなかった。

そこからお互いの学生時代について話すことになった。間違いなくここらへんでその子へ一気に高感度が上がった気がする。割と思った以上に自分軸がある人だと感じた。

ほかにも韓国のソウルで生まれたけど、小さい頃に引っ越したこと、引越し先の街から北朝鮮が見えること(I can see North Korea from my city)を話してくれた 。

人と比べないことを改めて学ぶ

話の中でその韓国の女子大生は、中学生までは周りと競争するのが好きだったと言ってた気がする。でも中学生にあがってから自分よりも賢い人が増えて、どんなに努力して競争しても勝てなくなったと。

おそらくそれなりに頭のいい人が集まる学校だったのだろう。そしてわかる気もする。頭良い人にはどう足掻いても勝てない。

それでも”思ったことはハッキリ言う”競争好きな性格は変わらなかったそうだ。でも数年後にそういった周りと比較する考え方はやめて、彼らの人生は彼らの人生、わたしはわたしと思えるようになったのだとか。「そうなんだね」「まじで?」みたいな感じで相槌を打ったりして、家族と友達のことも深ぼって聞いたみた。

家族はなんでも好きにさせてくれるらしく、割と放任主義だったらしい。オーストラリアに行きたいと言ったときも反対せず、認めてくれたとのこと。

それは良いとして、彼女も僕に「オーストラリアに来るとき、親に反対とかされなかったの?」と聞いてきた。ぶっちゃけると、僕は自分のゴリ押しで留学の実現までかぎつけた。

ぼくは周りの意見とか一切聞かないタイプだ。結構負けず嫌いなところもあったり、普通に相手の考えてることが間違ってるなと思ったら主張は絶対曲げない。いや絶対に諦めるという選択はないし、自分の意見は捨てない。相手に言われて一時的に折れても完全には納得しない。

大親友であっても、親交が深くても価値観だったり目指してる方向が違かったらもう関わらないようにしてる。別に最終的に孤独になっても誰にもわかってもらわなくても良い。自分自身が味方でいれば良い、それだけだと思う。

※すみません、ここからの記憶が正直あいまいです。

僕「僕の親は厳しくて反対したけど、喧嘩しつつもしっかり話して留学は実現したよ」。

家族だと思えるくらいの友達関係とは?

それから友達の話にもなって、いろいろとお互いに話すことになった。結構友人が多いタイプだということは聴いていくうちに分かってきた。頼れる友達は居たらしく、「わたしは本当の家族じゃないけど、友達を家族だと感じるくらいの関係性だった」と言っていた。

なにか困ってることがあれば、すぐに助けてくれるし、友達からアドバイスもくれるとのこと。正直羨ましい気持ちもある。親友は居ても家族同然に感じたことはないし…。だから僕は「いい友達に囲まれたんだね、世の中悪い人間も一定数いるし」みたいに思ったことを素直に伝えてみた。彼女も「そうだね」みたいなことを言ってた気がする。

なんかいろいろと波長が合ってきた。割と正直に思ったことを伝えるとよく相手にも同意してもらえることもある。

たぶんその韓国人はしっかり軸のあって、人に気配りができるタイプなのだと思う。面倒見が良いから、仲の良い友達も多かったんだろうなと僕は感じた。あとは関わる人間が当たりだったのだと思う。

ショッピングモールから出た後、近くのApple Storeで少しだけ時間を潰して解散することになった。気づいたら午後の3時半。

さすがにその子も「We’re hanging out too much(なんか遊びすぎちゃったね!)」と言ってた。いつも通りの大きくて明るい声で言うのが印象的だった。悪い一日ではなかったのかな。

そして「この後どうするの?」と聞いてきたので「ジムに行く」とだけ伝えておいた。その子にもこの後の予定を聞いたら、その子も「自宅で筋トレするかな」と言っていた。交差点近くで手を降って解散することになった。

翌日になって急に帰国するのが寂しくなってきた。数日経って僕が帰国する前日も、仲の良い友達が企画した夕食に誘おうかなんて考えたりもした。でもなんか好意があるように思えてやっぱりやめて、数人の学校のメンバーと食事することになった。

それ以来、連絡は特に取り合ってない。

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おわりに:誰と距離が縮まるかなんてわからない

そしてここまでの経験を通して思ったことがある。なんだかんだ反りが合わなさそうと思った人でも案外話し合ってみるべきだと僕は思う。外見とか最初の言動で、その子の内側まで見えるということはほとんどありえないし、話し合ってみないとお互いの性格とか価値観・経験は見えてこなかったりする。

なんだかんだ好意・関心がある人との関係はキープしていたほうが良いと思う。僕みたいに関わりたい人とだけ話すのはほんとに勿体ない。どんな人とも話すだけの価値はあるし、関わることで将来的に何かしら助けてもらうこともある。

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