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【詩】 夜行性


暗い部屋に沈むのに慣れて
カーテンは永く締め切られたまま

薄い液晶テレビの光
小さなデスクライト
エアコンの緑色の起動光
どれも眩しかった


だけど、どれも消せない


どれか一つ消せば
俺とこの世の接点が消える

いつだ?
俺はいつ間違えたんだ

暗い部屋で目を開ける

姿鏡に映る俺の顔

若い頃の輝きは
今や見る影もない

どんよりと濁った瞳で
しきりに自分を観察し

いつかに無くした輝き
月の光で消えた星明かり


そうか


光が邪魔なのだ


自分の光を見つけるには
この部屋の光を消すしかない


液晶テレビ
デスクライト
エアコン


すべての機能を停止させる






ほら、見えた



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見出し画像には、『シンジ之間道』様の写真をお借りしました!

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