岐路に立つサステナビリティの社会浸透~2025年初頭を迎えて~
はじめに
2025年になりました。明けましておめでとうございます。
SDGsが広く認知され、メディアで頻繁に取り上げられるようになった今、私たちの暮らしや企業活動にも「サステナビリティ」という視点が自然と溶け込むようになりました。
近年では、ESG投資の拡大や企業によるサステナビリティ関連情報の開示が活発化しており、この流れはもはや一過性のトレンドではなく、世界基準として確立しつつあります。日本国内にいると気づきにくいかもしれませんが、世界全体で見れば、このテーマは本格的に成熟期へ向かう「黎明期」に突入しています。
サステナビリティの社会浸透のリアル
では、私たち一市民の視点で見ると、サステナビリティはどれほど「生活に根付いた」ものなのでしょうか。「サステナビリティの社会浸透」という観点では、また違った現状が浮かび上がります。
たとえば、日常生活の中でサステナビリティを意識して行動する人は、まだ一部の層に限られているようです。特に日本では、年齢や収入、家族構成といった要素が、その認知度や理解度に偏りを生んでいます。若い世代の間で意識が高いと言われていたSDGsですが、最近では世代間の差は縮まりつつあり、関心が高い層は子育て世代や金融資産に余裕のある層に偏る傾向があります。
「サステナビリティ」という言葉自体の認知度はまだ低いものの、私たちの生活における「社会の持続可能性」は、もはや誰もが無視できない課題となっています。企業にとっても、事業活動を通じてサステナビリティを推進し、消費者との関係性を築くことが、今後さらに重要なテーマとなるでしょう。
サステナビリティには前向きさが必要
多くの人が「長期的には重要」と感じているサステナビリティですが、目の前の短期的課題が優先される社会では、その重要性が見過ごされがちです。また、「義務感」や「きれいごと」として捉えられ、積極的に取り組む意欲がそがれることも少なくありません。この課題を乗り越えるためには、サステナビリティを「ポジティブで魅力的なもの」として再定義する必要があるのではないでしょうか。
近年、「サステナブル消費はかっこいい」「憧れる」といった情緒的価値が注目を集めています。その象徴ともいえるのが、「ヘドニスティックサステナビリティ(快楽主義的持続可能性)」という考え方です。楽しさやワクワク感を持ってサステナビリティに取り組むことが、真に人生を豊かにする方法なのかもしれません。
おわりに
2025年が始まったばかりですが、サステナビリティの視点で社会の動きを眺めると、今年はとても興味深い年になりそうです。
私は「常識を超えて挑戦する企業や個人が、実利と正当な評価を受けられる社会を実現する」というビジョンを掲げています。経済性と社会性、エゴとエコ――これらがしばしば対立する現代社会で、「違和感」を抱えながらも現実と向き合う人々を増やしたいと考えています。その違和感を力に変え、自分のビジョンを行動で示し、自分らしく進む。そんな人々が増える社会を目指して、引き続き活動を続けてまいります。
2025年の干支「乙巳(きのとみ)」は、「これまでの努力が結実する年」とされています。今年は私自身がその成果を形にする一年にすると決めました。まだまだ小さな存在ではありますが、これからも挑戦を続けてまいります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
合同会社エネスフィア
加藤直樹
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