GLOBAL GOALS DAY(SDGs達成期限まであと6年)
はじめに: SDGs採択から9年、行動の時が来た
本日、2024年9月25日は、SDGsが国連で採択されてからちょうど9年目を迎える日です。2030年までの期限が迫る中、今、私たちがどのように行動し、未来を変えるかが問われています。
国連によると、SDGsの17目標をカバーする169のターゲットのうち、現時点で達成に向けた軌道に乗っているのはわずか17%。半数近くは最低限かわずかに進捗、3分の1超は停滞または後退しているといいます。新型コロナウイルスの影響、紛争の悪化、地政学的緊張、気候変動に伴う異常気象の多発などが進展を妨げているそうです。
地球規模の問題であるがゆえに、危機感や不安感は感じつつも、なかなか自分ゴトにしづらく、私たちの日常とつながって考える機会は、意外にも多くはないかもしれません。
今後SDGs達成に近づくためには、特に日本においては、各地域社会を支えている中小企業が重要な役割を果たすと考えています。単なるビジネスの枠を超え、地域コミュニティ全体に持続可能な変革をもたらすことで、最終的には大きなインパクトにつながると期待されています。
ここでは、町工場、伝統工芸、そして飲食店といった地場産業や店舗経営に着目してみたいと思います。
町工場をはじめとする製造業の革新とSDGs
日本の町工場や中小製造業は、高度な技術力を持ち、世界中の企業や製品に不可欠な存在です。しかし、彼らが直面する課題は年々複雑化し、サステナビリティを取り入れることが今後の存続の鍵となっています。
エネルギー効率化とカーボンニュートラルへの取り組み
省エネルギー機器の導入や、工場での再生可能エネルギーの活用は、製造業のCO2排出削減に直結します。エネルギーコスト削減だけでなく、環境に配慮した製品づくりをアピールすることで、新しいビジネスチャンスを生み出すことができます。循環型経済へのシフト
資源を効率的に利用し、廃棄物を減らすことは、SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」に直結します。リサイクル可能な材料の利用や、製造プロセスにおける廃棄物削減は、コストの最適化にもつながります。
伝統工芸と地場産業の持続可能性への貢献
伝統工芸や地場産業は、地域の文化や歴史を支える重要な役割を果たしています。しかし、後継者不足や市場縮小といった課題に直面しています。ここでも、SDGsの観点から新たな可能性が広がっています。
地元資源の活用とエシカル製品
地域で採れる自然素材や、持続可能な方法で育てられた原材料を用いた製品は、現代の消費者が求める「エシカル消費」にマッチしています。伝統技術を生かしつつ、持続可能なライフスタイルを提案することで、国内外での需要を掘り起こすことができます。後継者育成と地域コミュニティの再生
伝統工芸の存続には、技術を継承する人材育成が欠かせません。若手後継者が技術を学び、SDGsの価値観を取り入れることで、地場産業に革新がもたらされます。地域の教育機関や行政と連携し、持続可能な経営モデルを構築することで、コミュニティ全体が恩恵を受けるでしょう。
飲食業界の変革とSDGsの目標達成への道筋
飲食店は地域の文化と結びついており、人々の日常生活に深く関与しています。しかし、飲食業界もまた、環境負荷や食料廃棄物問題に直面しています。SDGsを意識した取り組みが、飲食店の成長を加速させる鍵となります。
フードロス削減と持続可能な食材の調達
食料廃棄物を減らすために、効率的なメニュー開発や食材管理が求められます。フードロス削減を目指した食材の使い切りや、地元の農産物を積極的に取り入れることで、地域経済の活性化にもつながります。また、オーガニックやフェアトレードの食材を使用することで、環境や人々に配慮した経営が可能になります。地域食文化の発信と観光促進
飲食業界が地域の伝統食文化を国内外に発信することは、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくり」を支援します。地域特有の食文化を通じて観光産業を活性化させることが、地元の経済を再生し、サステナブルな地域社会の形成につながります。
行動を促進するための3つのステップ
ローカルからのアプローチ
それぞれの業種が地元資源やコミュニティとの関係性を見直し、地域固有の問題解決に取り組むことが、SDGs達成のカギとなります。地場産業や個人経営の強みを生かし、持続可能な未来を構築していくことが必要です。パートナーシップの形成
地域内外の企業や行政、NPOとの協力を強化し、SDGs目標の達成に向けた共創を促進します。例えば、飲食店は地元農家と連携し、フードロス削減を目指す取り組みを共同で進めることができます。SDGsへのコミットメントを伝える
消費者や地域社会に対して、SDGsにコミットしていることを積極的に発信することが重要です。エシカルなビジネスモデルを採用している企業や店舗は、信頼を築き、持続的な成長を実現することができます。
具体例:サステナビリティを意識した飲食店経営
私自身、サステナビリティ戦略担当として携わっている株式会社Brightでは、複数拠点で飲食店を展開しています。
例えば、赤坂エリアの「ウマミタクラミ」では、時間帯によって異なる業態を展開する「二毛作・三毛作経営」を採用し、地域の拠点として交流機会を生み出す場づくりを心掛けています。
【平日ランチ帯】規格外食材を使用した自然派料理をランチ食堂として
【平日午後】観光客に楽しんでいただくキャラ弁体験のイベント会場として
【平日夜・土日祝日】交流機会を生み出す貸切ラウンジとして
また、サステナビリティを意識したメニューや環境配慮型のコーヒーを扱うなど、飲食業界での持続可能な経営としても目指しています。
今年3月には、日本サステイナブル・レストラン協会への加盟や、TBS系SDGsプロジェクト「地球を笑顔にする広場」への飲食ブース出展など、着実に活動を広げています。
このような取り組みは、コロナ禍後の新しいビジネスモデルとしても注目されています。
未来への視点: 持続可能な地域社会を築くために
あと6年という限られた時間の中で、地域に根差した中小企業が果たすべき役割はますます重要です。これらの企業がSDGsの理念を取り入れ、地域社会を中心とした持続可能な取り組みを進めることで、私たちは次世代に引き継げる豊かな社会を築くことができます。
今こそ、行動の時です。
地元から始める持続可能な未来の創造に向け、私たち一人一人が動き出しましょう。
合同会社エネスフィア
加藤直樹
お問い合わせはこちら:
https://enesphere.co.jp/contact/
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