ユニバーサルデザインの敗北
見つけてしまった。
アンパンマン隠してないで、点字ブロックの基本を学んでほしい。
色のコントラストがなってない。
点字ブロックが主に黄色で敷かれているのには意味がある。
視覚障害と言っても、見え方(見えないレベル)は全盲から強度弱視までグラデーションのように多様である。
わずかな視力を補助的に使う視覚障害者にとっては、点字ブロックのラインがクッキリ見えることはとても助けになる。
ラインをクッキリ見せる仕掛けがコントラストであり、黒地に黄色は最も一般的な組み合わせである。
この記事の点字ブロックは、グレー地にシルバーという、コントラストがまるでない組み合わせ。
かつ、点字ブロックの点だけが打ってあるので、見かけのデザインとして美しくても、ユニバーサルデザインになっていない。
本来の用途に反する仕掛け
点字ブロックの点に仕掛けを施すということについては、点字ブロックがなんのためにあるのかが軽視されているという印象しか受けない。
そもそもこんな“隠れアンパンマン”、視覚障害者には全く見つけられないし、“隠れアンパンマン”を探そうとする晴眼者が、点字ブロックを頼りに歩く視覚障害者の通行の妨げになる。
「妨げになるおそれがある」のではない。確実に妨げになる。
しかも、アンパンマン探しに夢中になっている人から邪魔者扱いされるおそれさえある。
共生の履き違え
製作者、もしくは企画者の正確な意図はわからないけど、視覚障害者と晴眼者の共生を狙っているのなら、完全なる勘違いによって生まれた逆効果な代物になっているとしか思えない。
障害のある人にとって大切なものを、その用途に沿った形で障害のない人も自然と大切にできることから、本質的な共生は始まると思う。
点字ブロックに視覚障害者の支援と全く関係ない仕掛けを施すのは、それと真逆の感覚だ。
どの視点をもってしても残念な取り組みだし、早急に是正をお願いしたい。
アンパンマンを探そうとうずくまった子どもを視覚障害者が蹴飛ばしてケガをさせるという事故が起きる前に。
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