公益資本主義の未来 英米型資本主義の終焉と新たな経済モデル
こんにちは。本記事に訪れて下さりありがとうございます🙇
基本在宅勤務で業務に明け暮れる40代ITエンジニアです👨💼
今回、公益資本主義について参考になった『「公益」資本主義 英米型資本主義の終焉』をオススメしたく書評を書きました。
はじめに
現代の資本主義は、短期的な利益追求が優先される英米型資本主義が主流となっています。
しかし、その限界が露呈しつつある今、新たな経済モデルが求められています。
原丈人著『「公益」資本主義 英米型資本主義の終焉』は、その答えを提示する一冊です。
本書は、シリコンバレーで成功を収めたベンチャーキャピタリストである著者が、日本発の新しい資本主義のルールを提唱する内容となっています。
第一章：グローバリズムの終焉
グローバル化の影響
グローバル化は、経済の発展とともに格差の拡大やテロの増加をもたらしました。
企業は株価対策のために人員削減を行い、短期的な利益を追求するあまり、長期的な成長を犠牲にしています。
株主資本主義の問題点
「会社は株主のもの」という考え方が主流となり、四半期決算や時価会計が導入されましたが、これが企業の短期利益重視を助長し、不正会計や粉飾決算を引き起こしています。
第二章：日本と世界を滅ぼす株主資本主義
株主優先の弊害
株主優先のコーポレート・ガバナンスは、企業の長期的な成長を阻害し、従業員の賃金を削減する結果となっています。
また、四半期決算重視が不正会計を助長し、企業の健全な経営を妨げています。
日本型経営の優位性
日本型経営は、中長期的な視点を重視し、企業の持続可能な成長を目指しています。
これこそが「公益資本主義」の雛形であり、米国流の株主資本主義とは一線を画しています。
第三章：アメリカでアメリカモデルの限界を知る
著者の経験
著者の原丈人氏は、米国でのビジネス経験を通じて、米国流ビジネスの限界と問題点を身をもって知りました。
シリコンバレーでの成功を収めた彼は、株主優先のビジネスモデルがいかに企業の長期的な成長を阻害するかを実感しています。
新しい資本主義の提案
原氏は、日本が新しい資本主義のルールを示すべきだと提唱しています。
中長期的な視点を持ち、企業の持続可能な成長を目指す「公益資本主義」がその答えです。
第四章：公益資本主義とは？
公益資本主義の定義
「公益資本主義」とは、企業が短期的な利益追求ではなく、長期的な視点で社会全体の利益を考える経済モデルです。
これにより、企業は持続可能な成長を遂げ、社会全体の幸福を追求することができます。
公益資本主義の実践
公益資本主義を実践するためには、税制や金融のルールを改め、マネーゲームに回っている資金を中長期投資へと導くことが必要です。
これにより、企業は新技術の開発や持続可能な成長を目指すことができます。
第五章：公益資本主義の12のポイント
ルールの明確化
公益資本主義を実現するためには、以下の12のルールを明確にすることが重要です。
会社の公器性と経営者の責任の明確化
中長期株主の優遇
にわか株主の排除
保有期間で税率を変える
ストックオプションの廃止
新技術・新産業への投資の税金控除
株主優遇と同程度の従業員へのボーナス支給
ROEに代わる新たな企業価値基準「ROC」
四半期決算の廃止
社外取締役制度の改善
時価会計原則と減損会計の見直し
日本発の新しい経済指標の導入
第六章：公益資本主義・実践編――モノづくり最適国家の実現
基幹産業の変遷
時代ごとに基幹産業は変わりますが、公益資本主義を実践することで、日本はモノづくり最適国家を目指すことができます。
先端医療の国家戦略特区
先端医療の国家戦略特区を設けることで、世界の難病患者を救い、莫大な経済効果をもたらすことができます。
第七章：対談 GDP600兆円実現のために
日本型経営の再評価
日本型経営は、単なる学者の理論ではなく、実際にシリコンバレーで成功を収めたビジネスモデルです。
これを再評価し、公益資本主義を実現することで、GDP600兆円と格差是正を同時に達成することができます。
おわりに
『「公益」資本主義 英米型資本主義の終焉』は、現代の資本主義の限界を鋭く指摘し、新たな経済モデルを提唱する一冊です。
日本が率先して「公益資本主義」を実現し、世界に新しい資本主義のルールを示すことが求められています。
本書は、その道筋を示す貴重なガイドブックとなるでしょう。
本記事でご興味をもった方はこの本をぜひ手に取ってみてください！
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