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最後の入浴

母が昨日の夕方、あたしと叔母が見守る中で静かに息を引き取りました。

毎日来てくれていた訪問看護師さんに、あと数日かもしれません。と言われてから2日目の事でした。

(これは日々減っていく尿の量や濃さ、血圧の低下、不定期な呼吸についての診断でした。)

あたしは自宅で看取ることができて、本当に良かったと思います。母のやってほしい事、食べたい物や飲みたい物、できるかぎり答えられるようにしたので、悔いはありません。

我慢強い母は、人に頼み事をほとんどしないタイプ。入院中も看護師さんに水を頼むだけでも躊躇していたようだったので、緩和ケア病棟ではなく自宅療養で本当に良かったと思いました。また躊躇させてたかもしれないから。

旅立つ前の2〜3日は、ほぼ寝られない時間が続きました。「死ぬ間際の人は夜寝ない」という事が色々な資料で書かれていたのだが、ま、さ、に、!!!

びっくりするくらい眠らず、辛そうでしたが、今となっては、その時から意識があったかどうかわかりません。夜中、今まで母から1度も聞いたことのない「そばに居て」や「離れないで」の言葉は一生忘れません。

亡くなる当日

あたしが叔母に留守番を頼み、必需品を買いに出かけ、急いで済ませ、帰った直後でした。「お母さん、帰ってきたよ!」と声をかけた後に、急に息の荒さが目立ち、一瞬止まったかと思えばまた大きく動いたり、といよいよ様子が心配で、看護師さんにすぐ連絡。

叔母が母の左手、あたしが母の右手、しっかり握り、「もう大丈夫だよ、頑張らなくていいからね!」「よく耐えたね!」「あたしは大丈夫だから安心して休んで!」と、とにかく母の苦痛を見てきたあたしにとっては、やっと母がゆっくり休めると思った時でした。

意識はなくても耳は最後まで聴こえているよ

と説明を受けていました。

その後、ゆっくりと、穏やかな表情になり母は息を引き取りました。

亡くなる日の朝、急遽手配してもらっていた訪問入浴で、全身を綺麗にしてもらったところでした。湯船に浸かるのは3〜4か月ぶり。入浴中は苦痛が和らいでいるようにも見えました。

もしかしたら、綺麗にしてから旅立ちたかったのかな、なんて話しながら、看護師さんと一緒に母の着替え、髪を整え、化粧を施し、今は綺麗な状態でまるで眠っているようです。

今年の2月の頭に亡くなった、うちの猫ちゃんに会えているといいな。

さあ、ここから葬儀や諸々の手続きの日々が始まります!早く普段の生活を取り戻すべく、チャカチャカ動くぞー!!

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