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お金の超基本を学びたい

先週の投稿で書いた生命保険の見直しについて、あれから数日かけてネットや本であらためて保険のことを調べ、ようやく基本的なことを理解しかけている、ところまできた。

いい年してお恥ずかしいかぎりだけど、これまではお金のこと全般において、半分は苦手意識やあきらめから、もう半分はどこか意志的に、無頓着を貫いてきたところがある。そういう細かくて煩わしい現実について思い煩うよりも、とにかく目の前のやるべきこととやりたいこと(そこにお金のことは含まれてこなかった)にエネルギーを使うべし、と。
その結果、自分が契約している保険についてもよくわかってない状態でハンコを押しており、自分でも呆れてしまうくらいのいい加減さで生きてきたのだ。そんな47年間を、今とても反省している。大人としての自覚がなさすぎたと。

今までちゃんと調べたり考えたりすることから逃げてきたお金の仕組みについて、これを機会にちゃんと理解したいとまずは手にした『お金の超基本』という本が、とってもわかりやすくて、感動した。

税金や年金のこと、保険のこと、貯蓄や投資のこと、フリーと会社員それぞれのメリットデメリットなどが図解でわかりやすく解説されていて、複雑さに思考が止まってしまうこともなく、スイスイと理解できる。
しかも「お金とは」というそもそものお金の機能の部分からスタートして、「稼ぐ」「納める」「貯める」「使う」「備える」「増やす」という順の章立ても、人生におけるお金との関わり方という一つの流れで読める。
とくに「使う」の章では、結婚や出産、養育費や教育費、家の購入など、人生のライフイベントごとにかかるお金の目安や比較がわかり、ありがたい。

そして問題の保険については「備える」の章で、疑問をきれいに解決してくれた。うーん、素晴らしい! そうなのよ、そもそもこういうことを一から教えてほしかったのよ、と思っていたら、まえがきの最後に「とくに新社会人におすすめです」と書いてあり、また恥ずかしくなった。
娘には、わたしみたいな常識知らずな大人になってほしくないという願いをこめて、社会に出る前にちゃんと読ませようと思う。

我々夫婦は、パッと見はしっかりしているように見えるわたしが実はお金の細かいことを考えるのが苦手で、ほんわり夢見がちに見える夫が、お金が動くことに関しては慎重で、いろいろと手を尽くして調べる緻密さも持っている。そのため、確定申告は結婚してしばらく夫にやってもらっていたくらいなのだけど、この本を読んで、心を入れ替える覚悟ができたし、できそうな気がしてきた。というか、やらなくちゃいけないのだ、大人なんだから。

夫が言うには、「世の中は『損しないためにちゃんと調べなきゃ』という強い危機管理意識があってようやく損をしないようになっていて、『こういうことは面倒だし苦手だし』という(わたしみたいな)ユルい人から余分にお金を取るシステムになっている」そうだ。たとえば携帯電話を契約すると、ほとんど強制的についてくるオプション契約なんかは、まさに。最初の数ヶ月間は無料で、そのうち契約したことも、解約すべきこともを忘れ、知らない間に毎月300円ずつ……とか、たしかにあるある。

保険にしたって、若くて健康で当面は保険などまったく必要なさそうな人ほどしつこく加入を誘われ、加入以降は自動的に安くはない保険料を毎月納める仕組みになっていて、一方で年齢が上がったり持病や病歴があったりして実際に保険が必要な人ほど契約を断られてしまう。もしものときの手厚い保障を長々と説明してくれるわりに、実際はその保障を受けることなどそう頻繁には起こらない。だから保険会社は存続できるのだ。

そうした「世の中のからくり」について深く考えもせずに、のほほんとアラフィフになってしまったわたしは、常識度と精神年齢においてはたしかに社会に出る前の子どもと同じようなレベルで、だから新社会人のためにお金の基礎を教えてくれるこの本は、まさにぴったりなのだった。

もともとお金の意識がちゃんとしている人には必要ないけれど、わたしのように苦手意識がある人、でもそろそろちゃんとしなくちゃ、と思い始めた人には、とてもおすすめです。

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