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レルボラリオ(L'Erbolario):華やかなパッケージデザインが特徴的、イタリアのハーブ薬局発のコスメ

1. ハーブ薬局・レルボラリオ(L'Erbolario)

サンタ・マリア・ノヴェッラ(Santa Maria Novella)カマルドリ修道院(Antica Farmacia dei Monaci Camaldolesi)サンティッシマ・アンヌンツィアータ薬局(Farmacia SS. Annunziata)と、イタリアには「薬局」や「修道院」と名前のつく、コスメ・香水ショップがある。

それぞれの発祥や理念は違うものの、お洒落なコスメや香水のラインナップを見ると、日本の「薬局」のイメージとはかけ離れているように思われる。

今回紹介するレルボラリオ(L'Erbolario)は、そんな薬局系コスメショップの一つとして考えてよいのだろうか。

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レルボラリオ(L’Erbolario)は、1978年、ロンバルディア州の小さな都市ローディ(Lodi)にて誕生した。

レルボラリオでは、植物の力を使って体の不調に対処する「フィトテラピー」(Phytothérapie; 植物療法という理念のもと作られたハーブを使用した薬、コスメ、アロマ、お茶などの様々な商品が扱われている。


創始者は、フランコ・ベルガマスキ(Franco Bergamaschi)とその妻のダニエラ・ヴィッラ(Daniela Villa)。

幼少期から親交があった2人は、お客さんの体調に応じた商品を植物療法を学んだ薬剤師が提供する場を作ろうと考えた。

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レルボラリオ社の商品に使われる植物は、全て自家菜園で栽培されており、その研究開発も自社の施設内で全て行われているという。

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こうして生み出された商品は、フルーツ、花、木の実などなど様々な種類の植物が使ったものが展開されており、実に種類が豊富でパッケージも美しい。

その植物ごとにシリーズが作られており、それぞれの香りや効能を持ったスキンケア用品から、ヘアケア、香水、ホームフレグランスまであるため、用途に応じて、様々な香りのものを使い分けることもできる。

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それでいて値段は、商品によって異なるが10-30ユーロ前後と、イタリアの他の薬局系コスメよりもお手頃なのも嬉しい。

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現在、レルボラリオは、フランチャイズ店や姉妹店など、関連する店を合わせて約5000軒の店舗を展開している。

これらの店舗を展開する上で、レルボラリオは、「女性の失業率への対策」を積極的に行っている。

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薬局を運営したいという女性のために、レルボラリオ社自身が研修費用を負担するなどして、フランチャイズ店運営を積極的に支援しているのである。

こうすることでイタリアの女性の失業率を減らし、女性の自立の支援につながるのである。


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筆者は何軒かミラノ市内のレルボラリオに行ったことがあり、女性の店員さんがとても多いと思っていたが、このようなレルボラリオの理念があったためかと膝を打った。(一軒だけおじさんがいる店舗で買い物をしたことはある)

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客層を見てみると、若い女性から年配の女性まで、幅広い年齢の人がお店に訪れていた。

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気軽に購入できるミニ香水。

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どこの店舗も基本的に深緑の陳列棚が設置されており、商品がとても見やすい。

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小さな飴やお菓子を扱っている店舗もあった。

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イタリア以外の国では、フランスやドイツなどのヨーロッパ諸国から中東、アメリカ、アジアなど様々な国に店舗を展開している。

アジアでは中国や韓国にも店舗があるようだが、残念ながら日本には店舗がない。

一部ネットショップで扱いがあり、日本でも商品の購入は可能である。

とはいえネットショップの値段を見たところ、イタリアでの値段より高めであったため、機会があれば国外で購入した方がお得である。 


※2022年2月追記:

その後、レルボラリオは日本にも上陸し、国内でも購入が可能になった。




2. 商品のレビュー(ヘアオイル、喉用スプレー、石鹸)

次に筆者が実際に購入した商品を紹介する。

・マカッサルオイル(Macassar Oil)(100ml/ 13ユーロ)

・エルバミッラスプレー(Erba Mirra Spray)(30ml/ 8ユーロ)

・石鹸2種(Sweet Poppy/ Dance of Flowers)(各4.9ユーロ)


まずマカッサルオイル。

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インドネシアのモルッカ諸島に伝わるとされるマカッサルオイル。

(因みにインドネシアのスラウェシ島にもマカッサルという名前の島があるが何か関係があるのであろうか)

こちらは「アジア人の黒くて太い髪に合うものをください」と店員さんに言って勧めてもらったオイルである。

このオイルは26℃以下になると固まるため、一度スーツケースに入れて日本に持って帰ったら、白いロウソクのように固まったことがある。

暖かい部屋に放置しておいたら元の液体に戻ったが...

乾燥しダメージを受けた髪に効くオイルとのことだが、もともとは発毛剤として使われていたオイルでもあるらしい。

果たして筆者の髪の毛が増えたかどうかは分からないが、ドライヤーの前にさっとつけて使っている。

サラサラとしたつけ心地と独特の甘い香りも気に入っていて、また買いたいと思っているのだが、レルボラリオの他にも沢山種類があるヘアオイルが気になるのであった。



次にエルバミッラスプレー。

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こちらを購入した際、喉の調子がおかしかったので当初はハーブティーを買うつもりで店に向かった。

「喉に良いハーブティーをください」と店員さんに言ったところ、「ハーブティーもあるけどあれは気休め、それよりもダイレクトに効くのはこれ!」とこのスプレーを勧めてくれた。

味は甘い薬草という感じ。

喉に直接シュッとするタイプであるが、幸いにもこれを全て使い切る前に喉の調子は元に戻った。

冬には一本、家に置いておこうと思ったのであった。



最後に石鹸たち。

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レルボラリオ石鹸は、見た目も美しいので、プレゼント用に自分用に重宝している。

市販のボディーソープに比べたら少し高いかもしれないが、石鹸は持ちが良い。

プレゼントにする場合には、相手が石鹸派かボディーソープ派か、あらかじめ聞いておく必要があるが、他にも気軽に買えるレルボラリオの商品と合わせて友人へのプレゼントのセットを作るのも良いかもしれない。



3. 「そんなにもらっていいの?」というくらい沢山のおまけたち

レルボラリオは何と言ってもそのおまけの量が多いのが特徴的である。

何か商品を店頭で購入すると、

「こんなものもあるんだけど、試供品いる?」

とお店の人がガサガサと試供品を出してきてくれる。

筆者が「ありがとう、来月の旅で使うよ」と言うと、

「ならばシャンプーとかこれもあれも入れとくね」と言って

さらにおまけが追加されたこともあった。


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こちらは約3回分の買い物で集めた試供品たち。

特に顔につけるものについては、海外の製品が合わなくて肌荒れすることがある。

そのためにも小さな試供品をもらえるのはとてもありがたい。



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また季節によっては、カレンダーやミニノートをくれる時もある。

他にレルボラリオを使っている友人と話していても、このおまけの豪華さはいつも話題に上る。

こんなに沢山おまけをくれて採算がとれるのかなと心配になることもあるくらいだが、自分たちの良い商品を使って欲しいという自信と優しさの表れでもあろう。

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身近に相談できる店員さんがいる街のハーブ薬局レルボラリオ。

店員さんに勧めてもらったとしても、品数も多く、なかなか決めることができないかもしれないが、価格も優しいの色々と試してみることもできる。

ボタニカルなパッケージデザインも素敵なので、お土産候補の一つにお勧めしたい。


《店舗情報》

※ミラノ市内の店舗を一部紹介

マゼンダ通り店

住所:Corso Magenta 31, 20123, Milano, Italy

営業時間:9:30-19:30(日曜休業)


ピアッツァ・ピウス II 店

住所:Piazza Pio XI, 1, 20123, Milano, Italy

営業時間:12:00-19:30(月曜)、10:00-19:30(火曜から金曜)、10:00-14:00(土曜)


オルソ通り店

住所:Via dell'Orso, 18, 20121 Milano, Italy

営業時間:12:30-19:30(月曜)、9:30-19:30(火曜から土曜)


スタトゥート通り店

住所:Via Statuto, 11, 20121 Milano, Italy

営業時間:9:30-19:00(月曜から金曜)、10:00-19:00(土曜)


レルボラリオ公式サイトerbolario.com

参考:

『Forbes Japan』(2019年7月7日付記事)

"Fashion Network"(2018年3月20日付記事)

"Io Donna"(2017年5月8日付記事)

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