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春のスポレート:イタリア・ウンブリア地方より、丘の上の都市が魅せる空

今回のnoteでは、2021年5月と2022年4月にイタリアウンブリア州に位置する都市スポレートを訪れた時の写真を紹介していきたい。

スポレートの都市の詳細については、過去にnoteにまとめているので、詳しい情報を知りたい人はそちらを参照されたい。


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なぜ筆者が何度もスポレートに訪れているかというと、筆者はルネサンス期のスポレートを扱った博士論文を書いているからである。

なのでこれまでにスポレートへは、2018年に1回(5月)、2020年に1回(10月)、2021年に2回(5月と10月)、2022年に1回(4月)と合計5回訪れており、おそらくこれからも度々訪れることになるであろう。

何回訪問しても、その時の状況や季節ごとに違った顔を見せてくれるスポレート。

今回のnoteは、詳しい説明というよりは美しい写真を中心に書いていく予定だがお付き合いいただければ幸いである。



1. 隙間から広がる青空

丘の上にある都市スポレートは、空との距離感が程よい気がする。

また細い路地が張り巡らされた街には、昔ながらの建物が立っており、その隙間から広がる空はいっそう清々しい。

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「ブロックの上を歩きたい!」と言った小さな男の子の手をひくおじいちゃん。

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市街地は全体的に勾配があるため、平地の街を歩く時よりも足を使う。

ちょっと休みたいと思った時に入ったバールの様子。

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スポレートはミラノのような大都会と違ってバールが無数にあるわけではないので、特に旧市街では、入るバールも自然と同じところに足が向かうようになる。

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また「青空」、と表題につけたが、曇りの日もまた違った顔を見せる街。

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こちらは2022年春に撮影したものだが、この時は曇り時々小雨。

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雲をまといつつ、たまに顔を見せる淡い色の青空。

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街に落ちる影は仄暗く、物悲しい感じもする。

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2. 文書館での調査

さて、旅の目的である史料の撮影を行うために文書館と図書館へと向かった。

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こちらはスポレート国立文書館。

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文書館の窓から見る山の風景。

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一方こちらはコムーネ図書館。

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こちらの図書館は、一階は子供図書館、2階が学生や一般の人が利用する図書館と自習スペースとなっている。

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午前中には、地元の幼稚園児たちが読み聞かせやレクレーションのためにこちらに来ることもある。

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今の所、文書館や図書館はお昼に閉館する曜日と午後も空いている曜日とが交互にある感じなので、お昼で閉館する日にはたっぷり街歩きの時間がある。

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スポレートの大聖堂まで丘を登ってみる。

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ロマネスク様式の白い大聖堂は、晴れの日には緑の山と青い空にとてもよく映える。


一方曇りの時には、石は白っぽく、まるで別人のような表情を見せる。

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そんな日は聖堂の中までどこか薄暗い。

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その日の天気によって違った色を見せる聖堂であるが、フィリッポ・リッピのフレスコ画はいつも鮮やかである。

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一方こちらは、以前来た時には閉まっていたピントゥリッキオのフレスコ画があるブース。

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(Cappella di San Leonardo, detta Cappella Eroli, fine secolo XV, Berardino di Betto detto il Pinturicchio, catino absidale, Eterno benedicente con cherubini e angeli, abside, Madonna con Bambino e i Santi Giovanni Battista e Leonardo, altare Pietà, affreschi 1497)

15世紀末の教皇のもとで活動したピントゥリッキオは、ヴァチカン美術館のボルジアの間のフレスコ画を制作したことでも知られている。




3. 猫と理想の朝食

ミラノ市内に比べて、ウンブリア地方には猫が多い気がする。

飼い猫、野良猫問わず、外でまったりしている猫をよく見かけるのである。

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そんな街路樹の植え込みで...という感じで昼寝をする猫。

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また宿泊先にも猫がおり、猫がいる生活を楽しむことができた。

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再び街並みに目を向けてみると、2020年秋にスポレートに訪れた時に比べて、2021年、2022年に訪れた時は、営業中のお店が格段に多かった。

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こちらは特にピスタチオ味に力を入れているというジェラート屋さん。

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ピスタチオだけでも7種類と全国のピスタチオ好きの人にお知らせしたい。

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青空のもと、テラス席でカフェを楽しむ人も多い。

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筆者も休憩。

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こちらはスポレートの宿で食べた朝食。

ホテル予約サイトで検索した宿なのだが、Airbのように個人のお宅の中に宿泊スペースがあるタイプであった。

宿主さんがお好きにどうぞ、と色々出してくれたものたち。

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キッチン全体の写真はないが、キッチンの棚も食器も、宿主さんのセンスに合わせて統一されており、毎朝このような爽やかな朝を送るために、食器などから揃えたいと思ったのであった。


スポレート駅のホームより。

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訪れるたびについつい写真を撮ってしまうスポレート。

写真メインのnoteになってしまったが、この街の空はいっそう近くて青い、と来るたびに感じる。

気候のせいか、空気のせいか、石造の建物のせいか。

いずれにせよ、縁があって来ることになっているこの街が魅せる一瞬一瞬の顔を見逃したくなくて、カメラを手にしてしまうのである。


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