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アンスティチュ・ジャコメッティ(Institution Giacometti ): パリに再現されたジャコメッティのアトリエ

アルベルト・ジャコメッティ(Alberto Giacometti;1901-1966)は、スイス出身の彫刻家。


特に1920年代からパリで活動。

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そんなジャコメッティのパリの住宅兼アトリエを再現したアンスティチュ・ジャコメッティ(Institut Giacometti)が、2018年、モンパルナスに開館した。

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今回のnoteは、筆者が2019年1月にアンスティチュ・ジャコメッティに訪れた時に撮影した写真をもとに書いていく。


館内に入ってまず目に飛び込んでくるのが、23 平方メートルのジャコメッティのアトリエ。

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そこはジャコメッティが1926年から亡くなる1966年にいたるまで創作の場として過ごしたところ。

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無数の絵筆や絵の具、眼鏡、壁に描かれたデッサン、そして片隅にはベッドと、一人の芸術家の人生が当時のまま再現されている。

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まるでついさっきまでそこにいたかのようである。

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またアンスティチュ・ジャコメッティでは、2019年1月22日から3月24日まで、"Alberto Giacometti Peter Lindbergh/ Saisir L’Invisible” (アルベルト・ジャコメッティとピーター・リンドバーグ/ 見えないものを掴む)の特別展を開催された。

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ピーター・リンドバーグ(Peter Lindbergh)は、1944年生まれの『Vogue』などのファッション誌やMVを手がけるドイツの写真家。

そんなリンドバーグの訃報が、2019年に届いたことも記憶に新しいだろう。


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会場では、リンドバーグが撮影したジャコメッティの作品が展示されていた。

いずれもこの展示で初公開の写真ばかり。

若い頃からアルベルト・ジャコメッティの作品に魅せられていたリンドバーグは、2017年、ジャコメッティ財団の貯蔵庫の作品を撮影するために、パリに招かれた。

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そのレンズを通して、リンドバーグは、ジャコメッティの彫刻の裸眼では知覚することができないものを発見した。

ジャコメッティの作品とリンドバーグの写真、その間では、時代を超えた芸術家たちの対話がなされているようである。

ジャコメッティのスケッチも多数展示。

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新聞や紙切れに、衝動的に描かれた様子が伝わってくる。

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走り書きだけど、作品として完成されている。

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アンスティチュ・ジャコメッティの建物自体も、1913年に建てられたアールデコ建築を改築したもので、とても繊細で美しい。

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精巧なタイル。

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作品を近くに感じることができる、「ちょうど良いサイズ」の美術館。

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アンスティチュ・ジャコメッティは、ジャコメッティの作品の展示スペースであると同時に、現代アート(1900-1970)のための研究の場でもあるとのこと。

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作品と空間の組み合わせが見事なアトリエである。

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アンスティチュ・ジャコメッティ(Institut Giacometti)

住所:5, Rue Victor-Schoelcher, 75014, Paris, France

開館時間:10:00-18:00(水曜から日曜まで)、14:00〜18:00(火曜)

チケット料金:

8.5€(大人)

5€(12歳から18歳まで/ 学生 ※学生証提示)

3€(12歳以下/ 美術専攻の学生/ お身体が不自由な方)

無料(ジャーナリスト/ 4歳以下の子供/ ICOMのメンバー)

公式ホームページ:fondation-giacometti.fr

(文責・写真:増永菜生 @nao_masunaga

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