半年で90冊読んだ話

2019年の後半、本を90冊読んだ。これは、自分としてはとても多いほうだ。喉の渇きを癒すように、読んでは次、読んでは次と取り替えた。気がついたら数が増えていたので、途中から記録をつけた。そのリストを公開するとともに、経過をレポートする。

10万字以上、翻訳した

 2019年は、神経心理学リハビリテーションにかんする、とある本の翻訳からはじまった。去年の今ごろ、喫茶ルノアールの地下会議室でミーティングをして、チームがスタートした。その後コアメンバーにも選出され、ほかの人の下訳を直す立場もやったので、原稿は10万字を越えた…と思う。公表はまだ先になるそうで、残念ながらここで詳細を言えない(業界の諸事情でお蔵入りするのかもしれない)。

 とにかく英語を大量に読んで関連する論文を引き、訳語をあたって、まだ見ぬ読み手を想像して、、、、ひたすらこれを繰り返した。おかげさまで、サビ付いていた…もとい、ろくに磨いてこなかった語学力がそれなりに付いた。なにより、日本語の文章をとてもありがたく拝読するようになった。「嗚呼、翻訳がある!」、「日本語で書かれた文章ってなんて簡単なの!」

知りたいことが本になっているのは、スゴイこと

 大袈裟でなく、世に出ている翻訳書のすべてが、訳者のみなさまの叡智と汗と涙と骨折りの結晶であることが身に沁みてわかった。翻訳書に限らず、本を書くってものすごいことだ。知識の森を分け入っていくと、参考できる書籍が全く存在しないか、あるいはアップデートがほとんど進んでいない、未開の領域に突き当たることがある。でも、基本的には、世のなかではさまざまなことがらが本になっていると思うので、今日もそれに感謝している。作者のみなさん、編集者のみなさん、今日もありがとう。

読んだ本リスト

 さて、読んだ本リスト。「なに読んだ」とあけすけに開陳するのもかっこよくないかもしれないが、最近は知らないことを知らないと言うことに抵抗がなくなってきたので、公開したい。

 ちなみに、前年と比べてこんなものが増えた。

 ✓ 有名だけど・前から知ってたけど・・・読んだことない本
 ✓ 自分の知らない分野の超入門書(主に経営・マネジメント・広告系)
 ✓ 学術的に近しいジャンルにある本(主に社会学・教育学・精神医学)

たくさん読めたからこそ、このあたりを消化できた。おかげで、普段使うことばのレパートリも変わった。
平常運転では発達科学とか認知言語学とか、料理の本が多い。専門領域の本は1項目読むごとに考え込むクセがあるので、たいてい最後までいかない。

(以下にリスト)

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