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レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」を読んで学んだこと

先日、レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」を読みました。

こちらの本、実は10年以上前に買ったものです。
専門学校で「国際協力・地球環境」を専攻していたのと、当時世の中も環境問題への関心が盛り上がっていた時期だったこともあり、おそらく「沈黙の春」の著者ということで、買ったのだと思います。

ただ、当時は書かれている内容に関して一切ピンときていなかったのでした。そしてその後10年以上読まれることはなく、大変綺麗な状態で本は存在しておりました^^;

それがなぜか昨年末、家にいた際に妙に本棚にあるこの本が気になって、ふと読んでみました。そうするととてもいいことが書いてあって、アウトドアブランド「スノーピーク」の最新カタログがちょうど家に届いていたこともあり、書かれていた内容に共感というか感銘を受けていたのですが、そちらともリンクし、心に響いた文章にはマーカーをし、前のめりで読み進めました。

今回こちらの本とその後調べたことから、
「自然と生き物との触れ合いを通じて幼少期に五感の土台を築くことの重要性」を学びました。

以下は一部ですが本から抜粋した文章を掲載します。

*本より抜粋*
「センス・オブ・ワンダー」とは「神秘さ」や「不思議さ」に目をみはる感性のこと。

この「感性」は、やがて大人になってくる倦怠と幻滅、わたしたちが自然という力の源泉から遠ざかること、つまらない人工的なものに夢中になることなどに対するかわらぬ解毒剤になるのです。生まれつき備わっているこどもの「センス・オブ・ワンダー」をいつも新鮮に保ち続けるにはわたしたちが、住んでいる世界の喜び、感激、神秘などをこどもと一緒に再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、すくなくとも一人、そばにいる必要があります。

わたしはこどもにとってもどのようにしてこどもを教育すべきか頭を悩ませている親にとっても、「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。

こどもたちが出会う事実の一つ一つが、やがて知識や知恵を生み出す種子だとしたら、さまざまな「情緒」や豊かな「感受性」は、この種子を育む肥沃な土壌です。幼いこども時代は、この土壌を耕す時期です。

美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものに触れた時の感激、思いやり、憐み、賛嘆や愛情などの様々な形の感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。そのようにして見つけだした知識はしっかりと身につきます。

もし、あなた自身は自然への知識をほんの少ししか持っていないと感じていたとしても、親としてたくさんのことをこどもにしてやることができます。

例えば、こどもと一緒に空を見あげてみましょう。
そこには夜明けや黄昏の美しさがあり、流れる雲、夜空に瞬く星があります。こどもと一緒に風の聞くこともできます・・・・

*省略* 

「こどもと一緒に自然を探検する」ということは周りにある全てのものに対するあなた自身の「感受性にみがきをかける」ということです。
それはしばらく使っていなかった感覚の回路をひらくこと、つまり、あなたの目、耳、鼻、指先の使い方をもう一度学び直すことなのです。

*省略*

「自然界を探検すること」は、貴重な子供時代を過ごす愉快で楽しい方法の一つに過ぎないのでしょうか?それとももっと深い何かがあるのでしょうか?

私はその中に「永続的で意義深い何かがある」と信じています。
地球の美しさと神秘を感じ取れる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることは決してないでしょう。
例え生活の中で苦しみや心配事に出会ったとしても、必ずや、内面的な満足感と生きていることへの新たな喜びへ通づる小道を見つけ出すことができると信じています。

鳥の渡り、潮の満ち干、春を待つ固い蕾の中にはそれ自体の美しさと同意に、象徴的な美と神秘が隠されています。
自然が繰り返す「リフレイン」
- 夜の次に朝がきて、冬が去れば春になるという確かさ- 
の中には限りなく「わたしたちを癒してくれる何か」があるのです。

*あとがきより抜粋*
レイチェル・カーソンは破壊と荒廃へつき進む現代社会のあり方にブレーキをかけ、自然との共存という別の道を見出す希望を幼いものたちの感性の中に期待している。「沈黙の春」が、今なお鋭く環境汚染を告発し続けていると同じように、センス・オブ・ワンダーは、こどもたちに自然をどのように感じ取らせたら良いか悩む人々への穏やかで説得力のあるメッセージを送り続けてだろう。環境教育の必要性が叫ばれている今、この本はレイチェルの遺志は、多くの人の共感をえると信じている。

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教育評論家の尾木ママが子供の頃は五感を育むことが大切と言っているのをテレビで見てから何年か気になっていたことや最近教育関連の集まりで「五感を豊かにすると幸せを感じやすくなる」と聞いたこともありました。

今回はこのレイチェル・カーソンの本を読んだことがきっかけになって、ネットで色々と検索し、以下2つのサイトにもたどり着き自身の備忘のためそちらの記事も掲載します。
(もしご存知の方いらっしゃれば英文でもいいので、生き物との触れ合い・自然との関わりが五感を豊かにし、幸せに生きる人が増えるみたいな結論づけている論文あれば教えていただきたいです)

子供の心を育む子育てより抜粋*
五感を使うことで前頭葉が育ち、その前頭葉は「思考力」や「想像力」を豊かにしてくれます。人間らしくありたい欲求や感情をコントロールする大切な役割を司る司令塔の役割をしております。

人が何かを認識するときには、必ず五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)から情報を取り込み、五感に入ってくる印象を受け止め、それを脳で判断します。

だから小さい時からの五感を使った経験が必要であると考えます。お散歩は五感を育てる宝庫です。自然と関わる経験が五感を使い、子供たちの感性を豊かにしてくれます。自然や生き物などに触れ合うことによって子供の関心を広げることができます。お散歩は五感を育てる宝庫です。

自然と関わる経験が「五感」を使い、子供たちの「感性」を豊かにしてくれます。「自然」や「生き物」などに触れ合うことによって子供の「関心」を広げることができます。

特に乳児期にこの「五感の土台」が育つと言われています。使えば使うほど磨かれ、使わないと退化していってしまいます。

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また、自然と関わる経験以外にも「食事の時間」も五感を育むことができる大切な時間ということを以下のサイトを見て改めて感じました。

*小児科医・発達脳科学者の成田奈緒子先生の育児アドバイスより*
https://www.wakodo.co.jp/product/special/babyfood/babyfood/global/advice/article02.html

どのような会話をするか子供への言葉がけ一つで毎日の食事の時間も教育の手段になり得る。食育についてももっと勉強してみたいと思います。

食事と五感


HPより引用

冒頭にも記載しましたが、上記のことから
「幼少期に五感の土台を築くことの重要性」を学んだ次第です。

自分自身が成長するために必要なことってなんなんだ?と疑問に感じて東京で学んでいたときにも教えていただいたこと(現在の人格は3歳〜12・3歳の間に作られる・エリックバーンの人生脚本参照)と本で読んだこと調べたことがとてもリンクしてきました。

以前のお仕事では高校生や大学生に対する教育について拝見する機会が多かったのでそちらに関心が高い時期がしばらくあったのですが、その後、人格形成において大切なのは幼児教育や小学生の時期とわかり、2・3年ほど前からその時期の子供たちに対する教育に関心がうつりました。

土台・基礎・基盤がしっかりできていないと、大人になった時にとっても苦労する。自分が一番身にしみています^^;

自分のような体験をする人が減ったらいいなということや、大人として次の世代のために何ができるのかを考えた時に、幼少期の教育や年代別に何を重要視し積み重ねていくといいのか、どんな教育がバランスが良いのか、もっと学んで知って、私が欲しかったこと、学んでおきたかったこと、またウガンダで必要性を感じた自己効力感、自己肯定感を育む教育を形にしたいこの頃です。


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