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ウガンダ人の義父とのぎこちなかった関係ー第2話

 とうとう、「ここでクリスマスパーティーをする」という場所についたときは、もう暗くなっていました。おそらく、夜8時頃だったでしょう。昨日までいた日本時間では、未明の2時だけど、眠くなっている場合ではありませんでした。

 暗くて、どのような場所なのかよく見えませんでしたが、屋外にステージがあり、大音響でアフリカン音楽を演奏している、アウトドアのクラブのような所でした。ヴィクトリア湖のビーチと聞いていましたが、湖の方向も、ステージの方向も誰も気にしないで、皆で椅子を円形に並べ、大人も、子供も総勢30名位で輪の内側を向いて椅子に腰かけました。各自、自分の好みの銘柄のビールやソーダをオーダーし、私は確か、ベルというライトなビールを選んでもらったと思います。ウガンダ人はビールが大好きで、ビールの種類が豊富です。ビールなのに、瓶にストローを挿して飲むのが、衝撃的でした。炭酸で、ストローが浮き上がって来るのを抑えながら飲むのは、難しく、熟練していないと味とか喉越しとかに集中できません。

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ビールの話は、長くなるので、おいておきましょう。

皆、それぞれ、飲んだり、しゃべったり、踊ったり、それぞれの楽しみ方をしていました。

私は、かねてからの決意の通り、1人ひとりに自己紹介をして回りました。文字通り、円形に並べた椅子の内側を回っていました。目上の人には跪いてお話をするルールと聞いていましたが、もはや、誰が目上かもわからず、立ったり座ったりも大変なので、しゃがんだまま、一人1人と順番に、少しずつお話をしました。ウガンダでは、小学校から英語で授業が行われるので、幼児とお年寄り以外は、英語で話す事ができます。

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多分、これ、夫が撮った写真だと思いますが、懸案だったお義父さんとの自己紹介の瞬間が記録されていました。この時はまだ、ガンダ語での挨拶をマスターしていなかったので、お義父さんにも英語で話しかけ、お義父さんも「アイアムユアファーザー」と言ってくれたように記憶しています。

さっき触ってしまった事を気にしていないみたいなので、ホッとした瞬間です。この時はもう、触らないように気をつけていたし、ひざを地面に着けるような恰好でお話したので完璧なはずでした。

触らなければ大丈夫だと思っていたので、完璧なはずでした。

この初めてのウガンダ訪問の滞在期間は1週間位だったと思います。この時は、お義兄さんの家に滞在させて貰って、夫の実家にも何度も行きましたが、お義父さんに触らないようにだけ気をつけつつ、親切な親戚や近所の人々と可愛い子供たちに囲まれ、マンゴーやバナナを美味しく食べ、活気に溢れた街や、強い日差しにも関わらず過ごしやすい気候を気に入り、ウガンダが大好きになって、無事に帰国したのでした。

後年になって、何度もウガンダを訪れたり、ウガンダに住んでみて、徐々に分ってきた事ですが、ガンダ文化における義父と嫁間のしきたりは、そんなに簡単なルールではありませんでした。

では、どんなルールかというと、また長くなりそうですので、日を改めましょう。ぎこちない話が長く続いて恐縮です。



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