見出し画像

デザイナーの面接について Vol.3 -伝える工夫を-

デザイナーよもやま話 第 3回目は「デザイナーの面接についてvol.3」です。デザイナーになりたい人、転職したい人にオススメの記事です。いくつかのポイントに分けて書きます。
私は前職の某外資系広告代理店でも、現職でもクリエイティブの面談の時は、同席する事も多いので、その知見からお話しします。今回は「作品集で何が伝えるべきか?」についてお伝えします。

<その3>デザイナーは作品集で何を伝えるか?
下記のポイントはある程度、作品集に加えておいて損は無いと思います。ここを軸に採用企業とデザイナーが、会話すれば作品集の好みでなく、実力の評価を元に、タイトルと給料の話ができると思います。企業側の「求める人材」の基準とすり合わせれるからです。

1.担当した業種ならではの「スキル」を見せる。
一口にデザイナーと言っても色々な業種で細分化されており、それぞれ専門知識や得意なスキルが違います。面接事にここをしっかり提示できれば、採用側がよりあなたの事を理解できます。例えばエディトリアル系出身の人はレイアウトスピードが速い人が多い。広告系の人は文字詰めやビジュアルインパクトの作り方が上手い人が多い。パッケージ系の人は「売り場で魅せるデザインに長けている」など、、自分のバックグラウンドと特徴を自覚していると「この点で御社の戦力になれます」と明確に伝える事が出来ます。

2.担当クライアントの様々な案件で「ブランド理解」「対応力」を見せる。
メジャークライアントの作品を集めて、広告ポスターの作品だけを見せる。その気持ちはわかるのですが、それで「採用」と決めるのは、採用側も博打が過ぎます。笑 あとで「期待と違った」とズレが生まれる可能性が高いです。同じクライアントの大小の様々な作品を見せる事で、ブランドの理解、そして対応力を伝えれます。意外とデザイナーでもクライアントのブランドを理解していない人が多いです。この能力はその先のアートディレクターには必須の能力になります。

3.成果物の撮影写真で「責任感」と「次への学び」を見せる。
イベントやOOHなどは実物を撮影してきれいに作品集に納められてると好感が持てます。もちろん様々な都合はあり、撮影出来ない時もありますが、「最後の現場まで確認している」のは仕事への責任感とプライドを感じさせてくれます。何よりMacの中でデザインを完結せず、実際そのデザインがどう見られているからの学びが大きいので、次への経験になります。小さい物でしたらなら自分で物撮りしても良いと思います。

4.個人的なプロジェクトや作品で「個性」と「好奇心」を見せる。
デザイナーはクライアントの要望に応えつつ、さらにクライアントの想像を超えた物を提示しないといけない仕事です。
自己完結でも、言いなりでもよくないと言うバランス感覚が問われます。
それは面接の時に見せる作品集にも言えます。
あなたの好みのデザインや作風がわかりますし、会社という組織でない状態でどれくらいのクオリティーを担保できるかの参考になります。
アワードに挑戦した作品や、個人的なプロジェクト、アート作品も効果的に加える事で、向上心や仕事以外でも様々な好奇心を持っているかを伝える事ができます。

極端な例ですが、過去に面接をした人で、他の作品ももちろん良かったですが、きちんとデザインされたPOPに目が止まって採用を推したデザイナーがいました。全ての仕事が細かいとこまで丁寧で、採用後、クリエイティブで一番評価の高い人物になりました。おそらく本人もその作品が採用に評価されるとは思ってなかったと思います。
採用側の背景として当時のメインクライアントがキービジュアルをどう展開させていくか?を求めていたので、ビジュアル作成能力はもちろん、「展開させる力」をしっかりもった人が必要だったからです。

企業が実際に何を求めているかわからない、そのような状態であっても、この作品集の構成で何が伝える事ができるか?を考えれれば、今の自分が持っている物をしっかり伝える事ができます。

駆け出しの頃は作品と呼べるような仕事がなくて大変だと思います。
私もずっと困っていました。ただ一点一点の作品だけで見せるのではなく
「その業種の特徴を自分のデザインの個性にする」「大小様々な仕事を見せる事で幅やブランドの理解を見せる」など、工夫の仕方で長所に変える事ができます。そして 今の仕事も漠然とするわけでなく、先を見据えてどう価値を持たせていくかが大事な事だと思います。

私見ではありますが、皆様が採用される力に少しでもなれれば嬉しいです。

Nantoka

よろしければサポートお願いします。モチベ上がります!