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「映画ネメシス 黄金螺旋の謎」の感想(ネタバレあり)

ドラマ版ネメシスはテレビ放送時に毎週全話見ていたが、うる覚えで不安だったのだけど、最初にダイジェスト的に説明してくれるので問題無く観れた。

日本テレビのドラマ映画という事で金曜ロードショーとかで放送する事を考えてからなのか分からないけど、上映時間を100分以内に収めているのは好感を持った。

思い通りの夢を見させるマシンのデザインとか、ホログラムでのアクション的な見せ場などは、日本映画で近未来的な作品を作り続けてきた入江監督らしいフレッシュさが楽しい。
印象的な鏡越しのカットを多数入れる事で夢か現実か分からなくなる不穏なカメラワークとかも上手いと思う。

「AI崩壊」の施設とかとも通じる一見綺麗で無機質な白さが、恐ろしく残酷なマシンとして人を追い詰めてくる展開に少しゾクゾクした。

このシリーズは基本的に探偵モノだと思ってテレビシリーズを見ていたので、精神を病んでいく主人公の主観的な視点で何が正しいのか分からないまま事件が進んでいくのが、かなりトリッキーなミステリー映画という印象を持った。
ただ正直全体的に面白いかと言われるとかなり微妙な作品だと思う。

唯一の推理要素の地図で黄金螺旋にして自分のアジトを教える展開の意味とかも何がしたいんだろうか?という感じで、被害者とかが犯人の情報を教えるとかなら分かるのだけど、犯人側が自分で教えて迎え討つ意味がよく分からなかった。あれをやって何かメリットがあったのかな?

そもそも目的に対して「主人公に悪夢を見せる」という手段が全然合ってないのもかなりモヤモヤ。今作の一番の売りの「悪夢が現実になる」という見せ場の為に無理矢理辻褄を合わせている感じが強い。

その悪夢の現実化にしても、一番重要な櫻井君が江口洋介を刺すというシーンを悪夢として何回も広瀬すずに刷り込んでいたのに、最終的に江口洋介にハサミをぶっ刺すのは誰でも良いというルール変更も都合がいい。

おそらくコントロールしていた佐藤浩一が死んだ事で殺し屋達がただただ目的を遂行するマシン化していった感じ(だと思う)だけど、途中で仲間割れで殺された人の言う通り「成功報酬とかないのになんでやらないといけないの?」っていう動機とかが一切無いまま殺しに来るので、殺し屋の人達もかなり薄っぺらくていかにも記号的で見ていてどうでもよくなる。

あと犬の誘拐の件はマジでメインの事件と全く関わらないのもずっこけた。

そんな感じでラストに至るまでに気持ちが冷めすぎて、データを世界中に散りばめる展開もあんまり感動出来ず、映画だから出来る希望を提示したいのかも知れないけど、正直「じゃあもう揃う訳ないのでは、、、」としか思えなかったし、あれだと単純に問題を丸投げしただけではないかなぁ、、、。

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